WEBサイト成功のカギとなる「離脱率」とは? 確認方法や解決策などを解説していきます!

WEBサイト成功のカギとなる「離脱率」とは? 確認方法や解決策などを解説していきます!

WEBサイト運営に関する勉強を進めると「離脱率」というワードを目にするかもしれません。意味を調べても「活かし方がわからない」「似た用語があって違いがわからない」など、疑問に感じる部分も多いでしょう。

そこで今回は、離脱率とはどのような意味なのか、直帰率との違いや離脱率の確認方法について解説します。さらに、離脱率を用いたWEBサイトの改善方法についても解説しています。

「売上をアップさせたい」「問い合わせ数をアップしたい」などを希望するWEB担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

離脱率とは

パソコンを見ながら作業する人たち
WEBサイトにおける離脱率とは、個々のページからユーザーが離脱(サイトを離れた)した割合を指す数値です。「狙ったページでユーザーが離脱してくれているか」「意図しないページで離脱していないか」などを把握できる数値として活用します。つまり、離脱率はユーザーの行動を分析し、改善すべきページを把握できる数値・手段といえるでしょう。

一方、離脱率と間違えやすい用語に、直帰率があります。次項では、離脱率と直帰率の違いについて解説します。

 

離脱率と直帰率の違い

直帰率とは、個々のページへアクセスしたユーザーが、別のページに遷移することなく、離脱(直帰)した割合を指す数値です。「意図するページまでユーザーを誘導できているか」「ユーザーのニーズを満たせていないページがあるか」などを把握する数値として活用されます。

離脱率と直帰率の違いについて、サイト内におけるユーザーの動きを例に見ていきましょう。

<ユーザーの動き>

  • 1日目:ページA→ページB→ページC→離脱
  • 2日目:ページB→ページA→離脱
  • 3日目:ページA→離脱

1~3日目において、各ページの離脱率・直帰率は、以下のように算出されます。

【各ページの離脱率・直帰率】

ページ番号 離脱率 直帰率
ページA 約67% 約33%
ページB 0% 0%
ページC 約33% 0%

どのページを最後に離脱したのか、どのページにのみアクセスされて離脱されたのか、これらを確認することで各割合を算出できます。

ただし、上記はあくまでも簡単な例を示しただけなので、実際はパッと見ただけで算出できる数値ではありません。上離脱率の具体的な計算方法は、次項から解説します。

 

離脱率の計算方法

電卓とパソコンで確認する女性
離脱率は、以下の計算式で算出されます。

<離脱率の計算方法>

  • 離脱率=離脱数÷セッション数×100

※セッション:ユーザーがアクセスしてから離脱するまでの一連の流れ

上記のとおり、離脱数をセッション数で割ることにより、ユーザーの離脱率が算出されます。たとえば、セッション数が50、離脱数が10の場合、離脱率は20%です。

離脱数・セッション数を調べるには、専用ツール「Googleアナリティクス(GA4)」を使用します。具体的な使い方について、次項から詳しく見ていきましょう。

 

離脱率をGoogleアナリティクス(GA4)で確認する方法

パソコンを見ながら確認する女性
離脱率をGoogleアナリティクス(GA4)で確認するには、離脱数・セッション数の確認から始めましょう。次項では、WEBサイト全体・各ページ、それぞれの離脱率を確認する方法について解説します。

 

WEBサイト全体の離脱率を確認する方法

WEBサイト全体の離脱率は、以下の方法で確認できます。

<離脱率の確認手順>

  1. Googleアナリティクス(GA4)を開く
  2. 左側のナビゲーションから「探索」を選択
  3. データ探索より「空白」を選択
  4. 変数の「ディメンション」にて「ページタイトルとスクリーン名」を選択
  5. 変数の「指標」にて「離脱数」「セッション」を選択
  6. 「ページタイトルとスクリーン名」を設定の「行」へドロップ
  7. 「離脱数」「セッション」を設定の「値」へドロップ
  8. 画面右側に離脱数とセッション数が表示される
  9. 画面右上の「データのエクスポート」をクリック
  10. スプレッドシートを選択
  11. 離脱数・セッション数のデータをもとに離脱率を算出

出力されるデータには、離脱数・セッション数の合計値が表示されます。これらの数値をもとに「離脱率の計算方法」で解説した数式を使って、離脱率を算出しましょう。

 

各ページの離脱率を確認する方法

各ページの離脱率も「WEBサイト全体の離脱率を確認する方法」で解説した方法を使って算出できます。出力されるデータには各ページの離脱数・セッション数が表示されるので、スプレッドシートに計算式を入力しておけば、簡単に離脱率を算出可能です。

 

離脱率の平均はどのくらい?

考える女性
離脱率に、具体的な平均値はありません。理由は、各ページによって目的が異なり、指標となる平均値を算出できないためです。

<離脱率の高いページ・低いページ>

  • 離脱率が高い:商品・サービスの購入確定画面、他サイトへの誘導ページ
  • 離脱率が低い:問い合わせフォーム、他ページへの誘導画面

離脱率において重要なのは、目的に沿った離脱率を達成しているかという点です。意図する行動をユーザーが取っているかどうかを判断する指標として、離脱率を参考にしましょう。

 

離脱率からリライトすべき記事の見つけ方

パソコンで作業する男性
以下のページを確認して、離脱率をもとにリライトすべき記事があるかをチェックしましょう。

リライトすべき記事の有無を判断できるページ

注意点として「離脱率=高い」は、必ずしもネガティブな意味ではありません。たとえば、商品購入後に表示されるページの場合、ユーザーはこのページ以降に遷移する必要がなくなるため、おのずと離脱率は上がります。

離脱率が高くても問題ないページと、離脱率が高いと問題のあるページをあらかじめ想定してから、改善すべきページを探すことが大切です。

 

コンバージョン前のページ

コンバージョン前のページで離脱率が高い場合、WEBサイトの目標を達成できていない恐れがあります。コンバージョンとは、WEBサイトにおける目標・成果の達成を意味します。

たとえば、自社サービスの登録へ誘導するため、コラム記事・ブログ記事を設置したとしましょう。これらの記事で離脱率が高い場合、サービスへの登録者数が伸びず、目標とする売上・認知度向上などは達成できません。

そのため、コンバージョン前のページで離脱率が高くなっていないかを確認し、該当するページで問題となる原因を探る必要があります。離脱率が高くなる原因は「離脱率が高くなる主な原因」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

自然検索から閲覧されている機会が多いページ

自然検索からの流入が多いページで離脱率が高い場合、新規ユーザー獲得の機会を逃している可能性があります。自然検索からの流入とは、キーワード検索などによって記事へアクセスするユーザーです。

このようなユーザーは新規顧客となる可能性があり、コンバージョン達成のためにも、ページ遷移してもらう必要があります。PV数(ページの閲覧回数)が多いにも関わらず、離脱率の高いページがある場合、ユーザーニーズを満たせていないかもしれません。

各ページの直帰率、ファーストビュー(スクロールせずに閲覧される部分)の直帰率なども確認し、どのページに問題があるのかを把握しましょう。

 

ユーザーが滞在する時間が短いページ

ユーザーの滞在時間が短いページは「記事のターゲット層以外がアクセスしている」「ユーザーニーズを満たせていない」などの問題を抱えている可能性があります。滞在時間の長いページは、ユーザーにとってメリットのあるページであり、コンテンツの質が良いと判断できます。

しかし、ユーザーに「ページ内の情報が有益ではない」と判断された場合、ページの遷移や商品購入などの行動に移ってもらえないかもしれません。さらに、ユーザーの悩み・課題を解決することが目的の記事であれば、記事の内容を改善する必要もあるでしょう。

「滞在時間が長ければ離脱率が下がる」とは言い切れないものの、改善すべきポイントを見つけるためにも、滞在時間の確認も忘れてはいけません。

 

離脱率が高くなる主な原因

書斎
離脱率が高くなる原因を知って、コンテンツの質向上、コンバージョン達成などを目指しましょう。

<離脱率が高くなる主な原因>

  • ユーザーが自分のニーズを満たせないと判断する
  • 目的のページに遷移できない
  • 入力フォームが複雑(項目数が多いなど)
  • ユーザーの希望する決済方法がない
  • ページの表示が遅い

ユーザーがWEBサイトを離脱するのは「目的を達成できない」「ストレスを感じる」などに該当する原因があるときです。たとえば「ダイエット 方法」で検索したユーザーが自社サイトへアクセスしたものの、「トレーニング方法」をメインに紹介するコンテンツ記事では、ユーザーが満足しないでしょう。

ユーザーのニーズを満たしつつ、ストレスを与えないことが、離脱率の上昇を抑える有効な手段です。次項では、上記のような原因も踏まえたうえで、WEBサイトの改善方法を解説します。

 

離脱率が高い状況から脱却する方法10つ

パソコンで作業する手元
離脱率の高い状況から脱却する10の方法を解説します。ただし、すべての方法を試せば、必ず改善するわけではありません。

WEBサイトの目的・特徴に応じた方法を実践する必要があるため、運営中のWEBサイトと照らし合わせながら、適切な方法がないかチェックしてみましょう。

 

入力フォームを改善する

入力フォームでの離脱を回避するには、ユーザーの手間・ストレスを軽減させる必要があります。入力フォームでユーザーが離脱する主な原因は、入力項目が多いことです。つまり、ユーザーが入力作業におけるストレスを感じたとき、離脱するリスクが高まります。

入力フォームは可能な限り簡潔に設定し、見やすさ・わかりやすさなども考慮して、ユーザーの感じるストレスを最小限に抑えましょう。

 

コンテンツ記事のリライトを行う

コンテンツ記事での離脱を防ぐには、ユーザーニーズを満たすリライトを行いましょう。たとえば、タイトルと記事の最適化です。ユーザーは、検索結果に表示されるタイトルに興味を持って、コンテンツ記事へアクセスします。しかし、期待する内容が書かれていなければ、早々に離脱してしまうでしょう。

最新情報への更新も忘れずに行い、ユーザーの期待を裏切らないコンテンツ記事に仕上げることが大切です。

 

 

WEBサイトのデザインを見直す

WEBサイトのデザインを見直し、ユーザーにもっと見たい・読みたいと思わせるページを作成しましょう。

<デザインを見直すポイント>

  • レスポンシブ対応:スマホやタブレットでも見やすい設計になっているか
  • 視線誘導を意識した配置:左上から右下へ視線が流れる配置かどうか
  • フォントサイズや行間:サイズは16pt、行間は1.5emが適切

WEBサイトにおいて、第一印象は重要な要素です。「文字が読みにくい」「なにが書かれているかわかりづらい」と判断されただけでも離脱される恐れがあるため、上記のポイントを踏まえてデザインの見直しを行ってみましょう。

 

内部リンクの遷移先を見直す

内部リンクの遷移先を見直して、ユーザーの興味・関心を下げないよう注意しましょう。まったく関係のないリンクや複数のリンクを闇雲に設置しても、ユーザーはどのリンクを選べばいいか判断できません。

余計なストレスを与えかねないため、内部リンクは関連性の高いものだけに絞って配置する必要があります。厳選した内部リンクのみを設置できれば、「もっとよく知りたい」「こんな情報もあるのか」など、ユーザーのモチベーションも維持しやすくなるでしょう。

ユーザーの行動を誘導できるため、離脱率の減少へつなげられます。

 

 

ページの表示速度を改善する

ページの表示速度を改善するだけでも、ユーザーの離脱を防ぐ効果に期待できます。

<ページの表示速度を改善>

  • 画像や動画ファイルを圧縮:画像・動画の容量を減らすことで表示速度アップにつながる
  • サーバーの乗り換え:高性能なサーバーへ乗り換えて、データのやり取りを円滑に行う
  • ソースコードを圧縮:不要なコードや空白行などを削除して、ページの読み込みを軽くする

Googleの調査によると、表示速度が1~3秒かかるWEBサイトでは、直帰する割合が32%増加すると報告されました。

※出典:Google Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed

表示速度が長いほど、ユーザーはWEBサイトを離れやすくなるため、上記の方法で表示速度の改善を図りましょう。表示速度は、Googleから提供される「PageSpeed Insights」で測定できます。

 

CTAなどのアクションボタンの装飾を見直す

CTAなどアクションボタンの装飾を見直して、ユーザーの行動を誘導できるページ作成に取り組みましょう。アクションボタンはただ目立たせれば良いわけではなく、サイトの特徴を踏まえた配色・形状を意識することが大切です。

<アクションボタンの装飾で意識するポイント>

  • 配色:背景や周囲のデザインとは異なる色に設定する
  • 形状:サイトの特徴に合わせる(四角ならスタイリッシュ、丸は柔らかいなど印象が異なる)

ただし、必ずしも正解が存在するわけではないので、いくつかのパターンを作ってテストしてみてください。最もクリック率の高い装飾を採用して、離脱率の高さを改善しましょう。

 

コンテンツ記事の数を充実させる

CHECK
高い離脱率を回避するには、コンテンツ記事の数を充実させて、ユーザーの潜在的なニーズに応えることも大切です。情報量の多さは、ユーザーのニーズを満たすことにつながります。

たとえば、ダイエットの「方法」について検索したユーザーが自社のページにアクセスした際、ダイエット器具・食品に関する記事も用意しておけば、遷移してもらえる可能性があります。検索時は「方法」を探しているユーザーであっても、潜在的には器具・食品などの「手段」を探しているかもしれません。

情報量を増やす=ページ遷移の可能性があることも頭に入れ、関連性の高いコンテンツ記事を増やしましょう。

 

EFO(エントリーフォーム最適化)施策を行う

EFO(エントリーフォーム最適化)によって、エントリーフォームでの離脱を防ぎ、コンバージョン未達成を防ぐ効果に期待できます。EFO施策とは、ユーザーが使いやすい形にエントリーフォームを最適化する施策です。

「入力フォームを改善する」でも解説しましたが、入力が必要な場面において、複雑な要素はユーザーのストレスになりかねません。入力項目は最低限に抑え、任意・必須項目をわけるなど、ユーザーの手間を可能な限り省きましょう。

ただし、EFO施策は闇雲に実施するのではなく、離脱の原因に仮説を立てて、その原因に対してアプローチすることが大切です。ヒートマップツール(ページ上での動きを確認できる)を使用すると、どの状況において離脱が多いのかを確認できます。

いくつかのパターンでテストを行い、ユーザーにとって最適なエントリーフォームを導き出しましょう。

 

定期的に効果検証を行う

これまで解説した改善方法を実施した際は、必ず定期的な効果検証を行って、離脱率の低下につながっているかを確認してください。具体的には、以下の流れで効果検証を行います。

<効果検証までの流れ>

  • 原因の仮説を立てる
  • 改善方法の立案
  • 改善方法の実施
  • 効果検証

WEBサイト・ページによって特徴・目的は異なるほか、離脱率が低下する原因もさまざまです。そのため、まずは仮説を立てるところから始めて、適切な改善方法はどれかを探す必要があります。

より確実かつスピーディにWEBサイトの問題を解決するためにも、地道な効果検証を続けましょう。

 

自社に合うツールを活用する

自社に合うツールを活用することで、より精度の高い改善に取り組めるほか、「定期的に効果検証を行う」で解説したサイクルを効率的に実行できます。離脱率の改善には、ユーザーのアクセス数(セッション数)や各ページでの離脱・直帰の割合、コンバージョンの達成率など、各所における解析・分析が必要です。

すべてを手作業で行うには、人的リソースがかかりすぎるほか、検証の精度も期待できません。そのため、以下のようなツールを導入し、分析・検証などの効率・精度を高める必要があります。

<ツールの例>

  • ユーザーのアクセス解析:Google アナリティクス
  • 表示速度のチェック:PageSpeed Insights
  • ユーザーの行動分析:ヒートマップツール(マイクロソフト Clarityなど)

※無料ツールのみ記載しています

「なにを・どのように改善するのか」「どのページの離脱率を改善するのか」などによって、使用すべきツールは異なります。自社のWEBサイトの特徴・目的とも照らし合わせながら、マッチするツールを選びましょう。

 

 

まとめ

離脱率は、自社サイトの目的・目標を達成できるかどうかを判断できる指標の一つです。「WEBサイトからの売上が伸びない」「問い合わせ数が期待する数値に届かない」といった場合は、離脱率のチェックを始めましょう。各ページの目的も踏まえたうえで、想定する離脱率を維持しているか確認してみてください。

意図しない離脱率のページがあれば「離脱率が高い状況から脱却する方法10」で解説した改善方法を試してみましょう。もちろん、闇雲に実施しても期待する効果は得られないので、以下のサイクルを意識しながら取り組んでみてください。

<WEBサイト改善に向けたサイクル>

  • 原因の仮説を立てる
  • 改善方法の立案
  • 改善方法の実施
  • 効果検証

離脱率の改善に絶対的な正解はないので、いくつかの方法を試しながら改善に取り組むことが大切です。

 

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