SEO
2023.08.28 2023.12.07

コンテンツSEOとは?メリット・デメリットや施策の流れ、ポイントを解説

コンテンツSEOとは?メリット・デメリットや施策の流れ、ポイントを解説

Webサイトを運営する際に、アクセス数を伸ばすことを目標の1つにしていませんか。しかし、小手先のテクニックでアクセス数を伸ばすことは難しく、悩んでいる運営者もいます。リスティング広告などの広告を利用すれば一時的にアクセス数を伸ばせますが、費用がかさむため、なかなか手を出せずにいる方も多いでしょう。

アクセス数を集めるための施策に「コンテンツSEO」があります。コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に沿った良質なコンテンツを継続的に発信して、広告以外の自然検索からの集客を増やすための手法です。

この記事では、コンテンツSEOの基礎を踏まえながら、メリットやデメリットに加えて、すぐに実践できる施策の流れまでを解説します。

 

目次

そもそもSEOとは

SEOのブロックと夕日
SEO(Search Engine Optimization)とは「検索エンジン最適化」のことです。GoogleやYahoo!などの検索結果で、自社のサイトを上位に表示させて流入する人数を増やすことを目的に行う、一連の取り組みを「SEO対策」と呼びます。

SEO対策にはさまざまな手法がありますが、大きく内部対策と外部対策の2種類に分けられます。上位表示させるためには、それぞれの項目に対して適切な施策を実施することが重要です。

内部対策と外部対策の違いは以下のとおりです。

【内部対策と外部対策の違い】

内部対策 外部対策
対策範囲 自社サイト内部 自社サイト外部
目的 GoogleにWebサイトを正しく認識させ評価を得る 被リンクを獲得し検索エンジンからの評価を高める
対策内容 ・クローラーがサイトを循環しやすい環境を整える(クローラビリティの改善)
・Webサイトの情報を正しく理解してもらう(インデックスの最適化)
・検索順位で優位にはたらかせる(コンテンツSEO) など
・被リンク
・サイテーション(サイトや企業名が他のサイトに掲載されること)
・SNSとの連携 など

SEOと混合される言葉にSEM(Search Engine Marketing)があります。SEMとは「検索エンジンマーケティング」とも呼ばれ、検索エンジン上のマーケティングの総称です。つまり、SEOやリスティング広告は、SEM施策の一部といえます。

 

 

コンテンツSEOはどんな施策?

会議する様子とSEOと表示されたモニター
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に応える良質なコンテンツを継続的に発信し、自然検索(広告以外の検索結果)で上位に表示させることで、集客力を高める施策です。

具体的には、ユーザーが検索した意図を分析し、軸となるキーワードや共起語を選定し、ユーザーの興味や疑問に答える内容のコンテンツを作成することです。コンテンツを検索エンジンが評価しやすい設定にしたり、公開後に効果を確認して必要があればリライトをするなどの改善を行ったりすることで、コンテンツの効果の最大化を目指します。

 

コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違い

コンテンツマーケティングとは、顧客に有益な情報を発信して関係を構築したうえで、最終的にユーザーをファン化させて定着させるマーケティングの手法です。企業側が一方的に発信したいことだけを伝えるのではなく、顧客が求める情報をベストなタイミングで提供します。

これらは、チャネルを問わずにSNSやメールマガジン、動画や画像などを活用しながらユーザーとの接点を図り、関係を構築していきます。

一方コンテンツSEOとは、ユーザーのニーズに沿った良質なコンテンツを自社のオウンドメディアで発信し、自然検索からの流入を図る施策です。制作したコンテンツの評価が高ければ検索順位が上がり、その恩恵で流入数を増やしていきます。

コンテンツマーケティングの手法の1つに、コンテンツSEOが存在すると考えるとわかりやすいでしょう。

 

コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い

コンテンツSEOはユーザー向け、テクニカルSEOは検索エンジン向けの施策です。それぞれの違いについて、以下の表にまとめました。

【コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い】

コンテンツSEO テクニカルSEO
ターゲット ユーザー 検索エンジン
目的 良質なコンテンツで評価され、
検索順位を上昇させるため
検索エンジンにサイトの内容を正しく伝えるため
施策内容 ユーザーの検索意図を推測し、
有益な情報を提供する
検索エンジンが正しく認識・評価できるよう、
ページ構成・マークアップ・表示速度などを整備する

コンテンツSEOとは、ユーザーにとって有益な記事を提供することで、検索エンジンの上位表示を目指すSEO対策です。一方テクニカルSEOは、クローラーが理解しやすいようにプログラミング言語やサイト設計を整理し、正しい評価・認識を得るための施策です。

コンテンツSEOとテクニカルSEOで、どちらを優先すべきなのかは、サイトのタイプで異なります。例えば、コンテンツSEOにはブログやコーポレートサイトなどのテキスト系サイトと呼ばれるもの、テクニカルSEOにはECサイトや求人サイトのようなデータベース系サイトと呼ばれるタイプが適しています。

 

コンテンツSEOが重要視されるようになった背景

ミーティングのパソコンが置かれた様子
以前はコンテンツSEOのような方法ではなく、小手先のテクニックを駆使する「ブラックハットSEO」を行えば簡単に検索上位を獲得できる時期がありました。これに対し、Google社は悪質なサイトを取り締まるGoogle独自の評価基準であるアルゴリズムを更新して、ブラックハットSEOの取り締まりを行ったのです。

その後コンテンツSEOのようなホワイトな方法での対策が主流になりました。ここでは、コンテンツSEOが重要視されるようになった流れについて、詳しく確認します。

 

➀ブラックハットSEOの衰退

ブラックハットSEOとは、悪質なコンテンツでも、不正な手段によって検索順位を上昇できる方法です。検索順位を決定する「検索エンジンのアルゴリズム」の穴をつき、上位表示を狙います。

例えば以下のようなテクニックはブラックハットSEOに該当します。

  • 過剰な相互リンクや自社サイトに購入した有料リンクを設置するなどの、低品質な被リンクの大量設置
  • 他の記事をそのまま使用したり、少しだけ修正を加えたりしたコピーコンテンツ
  • サイト全体にキーワードを不自然に埋め込むキーワードの乱用
  • テキストを背景画面の配色と同じにした隠しテキストや、文字フォントを0にして画面上に見えないようにした隠しリンクの設置

ブラックハットSEOは、2000年代を中心に業者が乱用しました。単純に被リンクを大量に貼るだけなら、手間はそこまでかからないため、簡単に上位表示を目指せて、時間と労力を削減できるからです。

この事態にダメージを受けたのはGoogle社です。当時、収益の大半をリスティング広告によって得ていたGoogle社は、悪質な記事の影響でユーザーが他の検索エンジンに移行し、売上に打撃を受けることを恐れました。

そこで実施されたのが、ペンギンアップデートとパンダアップデートです。ペンギンアップデートは、SEOのためだけに行われる自作自演の被リンクや有料の被リンクを取り締まるアルゴリズムを指します。パンダアップデートは、他のサイトをコピーしたようなコンテンツや、ユーザーにとって無益な低品質のコンテンツを取り締まるアルゴリズムです。

検索エンジンの性能が向上することによって、小手先のSEO対策に依存したサイトは検索上位から姿を消していきました。

 

➁ホワイトハットSEOの台頭

ブラックハットSEOの衰退と入れ替わり、台頭したのがホワイトハットSEOです。ホワイトハットSEOとは、Googleが推奨するアルゴリズムに従って、検索の順位を上昇させる方法です。

ユーザーファーストを提唱しているGoogle社にとって、ユーザーにとって有益となるコンテンツを作成することは必須。そこで、ユーザーにとって有益なコンテンツの基準を明確にするために、Googleはガイドラインを設けています。

ガイドラインの内容は、大きく2つに分かれており、その1つが「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」です。この中には、以下のような内容が記載されています。

  • 適切なタイトルを設置する
  • Googleにインデックス登録してもらう
  • メタディスクリプションを設置する
  • わかりやすい階層を意識する
  • ユーザーにとって有益なコンテンツを作成する
  • 専門性と権威のあるコンテンツを作成するなど

これらは検索エンジンとユーザーの双方にとって有益な手法が記載されています。

そしてもう1つは「Google 検索の基本事項(旧ウェブマスター向けガイドライン)」です。ここにはGoogleにインデックス登録されるためのルールが記載されています。

基本的なルールを示す一般的なガイドライン、品質に関するガイドラインとコンテンツ固有のガイドラインの3つに分かれています。特に品質に関するガイドラインでは、ペナルティの対象となる項目が記載されているので、確認しておきましょう。

 

コンテンツSEOの7つの効果・メリット

カラフルなブロックのmerit
コンテンツSEOが注目される理由は、費用対効果が高いからです。ここからは、具体的な効果やメリットについて解説します。

コンテンツSEOの7つの効果・メリット

 

コンテンツSEOの知識がある場合、予算をかけずに実施できる

コンテンツSEO とは、自社のサービスに関連する良質な記事を投稿する施策です。そのため、景品表示法の知識やユーザーニーズに沿ったキーワードを選び、記事を構成するスキルを持つ人材が社内にいれば、外部に依頼しなくても自社で完結できるので、予算をかけずにスタートできます。

 

コンテンツは資産となり、制作をストップしても集客効果を維持しやすい

制作したコンテンツは、削除しない限りサイト上に残ります。さらに上位表示される良質なコンテンツが増えればサイトを閲覧するユーザーは自然に増え、記事が蓄積されればドメインパワーが上がり、過去の記事も上位表示されやすくなります。

コンテンツの新規制作をストップしても、記事は蓄積した状態で残っているので、成果が出ているコンテンツがあれば集客効果を維持することが可能です。

一方で、CMやリスティング広告は短期間で爆発的に認知力を高めたいときには有効ですが、発信をやめてしまうと集客効果はなくなるため、安定した効果を得るのは困難です。

 

長期的に見てコストパフォーマンスが高い

コンテンツSEOには、CMやリスティング広告のような即効性がなく、最初は費用対効果が低いと感じるかもしれませんが、長期的に見たときのコストパフォーマンスは高いです。

CMやリスティング広告は、成果が現れるまでの時間が短いので、魅力的に感じるでしょう。しかし、費用面で見ると、リスティング広告はクリック数や表示頻度に応じて料金が発生するシステムのため、上限がありません。さらにCMとなると、制作費に加え、高額な放映費がかかるので、宣伝費として予算を押さえておく必要があります。

また、CMやリスティング広告は発信・運用をやめてしまうと、集客効果もなくなってしまいます。

一方コンテンツSEOであれば、記事の制作費は1記事1万円程度~となっており、成果を得るまでの時間はかかるものの、評価を得られた記事は長期的な集客効果が期待できます。さらに、内製できれば制作費はかかりません。

 

顕在顧客だけでなく潜在顧客にもアプローチできる

顕在顧客とは、自身のニーズを自覚している顧客層のことで、問題解決するために、すでにリサーチや比較などの行動をとっていることが多いです。潜在顧客とは、なんとなく不安や悩みを抱えていながらも、具体的なニーズや問題が認識できていない顧客のことです。

コンテンツSEOは商品を全面的にPRする広告とは違い、まだニーズが明確化されていない潜在顧客をサイトに誘導し、そこで不安や課題を発見してもらい、解決策を提供します。顧客から信頼を得られれば、即座に商品購入につながらなくとも、今後自社製品を購入する見込み客に育成していく可能性が高くなります。

 

SNSなどで拡散されやすく、被リンクを獲得しやすい

コンテンツそのものがエンタメとしての魅力や共感性の高いもの、拡散する本人にメリットがあるもの、話題性・インパクトがあるものであれば、拡散されやすくなります。なぜなら、有益な情報をシェアできれば、ユーザー自身の価値も高められるからです。

拡散性を高めるためには、コンテンツ内にSNSへ共有できるような仕組みを設計しておくのも大切です。自然に拡散され、同時に被リンクも獲得しやすくなるため、結果的に検索数が増えます。

 

企業のブランディング・認知度アップにつながる

掲載するコンテンツの内容が充実していれば、専門家としての知識や経験がユーザーに伝わり、信頼を得られます。一方的に「〇〇が得意な会社です」とアピールするよりも、コンテンツを閲覧することでユーザーが自然に「〇〇な得意な会社」と認識できる方が、会社に対する好意的なブランドイメージを構築できます。

イメージの定着に成功できれば「〇〇ならこの会社」と認知されやすく、集客や収益につながっていくので、コンテンツの内容は専門性の高さや独自性を追求していきましょう。

 

営業・カスタマーサポートなどの顧客対応が減り、業務効率化につながる

コンテンツに掲載する内容次第では、業務効率化を図れます。これまでは、テレアポや飛び込み営業で一人ひとりにアプローチをかけていたかもしれません。しかし並行してコンテンツで情報を発信していくことで、記事を見たユーザーからの問い合わせや相談が増えれば、アポの件数や受注件数の増加が見込めるだけでなく、営業に費やす時間を削減できます。

また、コンテンツにあらかじめ想定される問い合わせ内容を掲載しておけば、ユーザーからの問い合わせも減り、カスタマーサポートに割り当てていた時間や人件費を他の業務に割り当てられます。このように、ユーザーにとって有益なコンテンツは、会社の生産性を上げるうえでも有効な手段です。

 

コンテンツSEOの5つの注意点・デメリット

demeritと書かれた白いボード
コンテンツSEOは、費用対効果が高いだけでなく、うまくいけば企業のイメージアップにもつながる施策です。しかし、費用がかからない一方で、手間がかかってしまうのは避けられません。成功するためには、戦略を練り、事前準備の時間を十分に確保するようにしましょう。

コンテンツSEOの5つの注意点・デメリット

 

効果が出るまでに時間がかかる

コンテンツSEOの利点として、長期的な面で費用対効果が高いとお伝えしましたが、そもそも効果を得るためには長期的な運用を覚悟しなければなりません。

コンテンツSEOは、有益な内容のコンテンツを蓄積してこそ効果を発揮します。そのため、初期段階ではそもそもコンテンツの数が少なく、アクセス数は思うように伸びません。特に最初の数ヶ月~半年は我慢の時期ともいわれ、コンテンツを掲載しても期待した結果が得られないことがあります。

加えて、検索エンジンのクローラーの評価を得るまでも時間がかかります。アクセス数も少ないため、情報が蓄積できず判断しにくいのです。

コンテンツSEOを実施するなら、長期戦になる覚悟で始めましょう。

 

継続的にデータをモニタリングしていく必要がある

コンテンツSEOの大前提が検証と改善です。一度掲載したら終わりではなく、コンテンツの内容を見直し、継続的に改良していく必要があります。

改善するためには解析ツールを使用しますが、漠然と数字を見ていても実態をつかめません。そこで、KPIを設定し目標に対する進捗を継続的にモニタリングしていく必要があります。

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、「重要業績評価指数」と呼ばれています。WebサイトにおけるKPIとは、以下のような数値です。

  • PV数:Page View数(サイトが見られている数)
  • オーガニック検索流入数:検索結果からサイトに入ってくる数
  • コンテンツの更新数
  • リライトの数
  • UU数:Unique User(ユーザーの数)
  • CVR:Conversion rate(実際の購買につながっている率)
  • 客単価
  • リピート率
  • デバイス比率など

これらの数値に基づいて、その後の戦略や方向性、コンテンツの内容を決定していきます。そのため、情報を収集するだけではなく、各数値が表す結果を理解し、改善・検証していくスキルは欠かせません。

 

制作したコンテンツの定期的な見直し(リライト)が必要

コンテンツを掲載しても、それで終わりではありません。トレンドや情報は日々アップデートされているため、定期的なリライト行って掲載する情報を最新の状態にしておかなくてはいけません。情報の更新を怠っていると、内容によってはユーザーからのクレームにつながり、信用を失う可能性もあります。

例えば、すでに終了しているもしくは内容が変わっているキャンペーン内容をそのままにしておけば、ユーザーは掲載内容に魅かれ、キャンペーンの申し込みをしてしまう可能性が考えられます。また法律に触れているコンテンツにおいて、現在は改正されているにもかかわらず、執筆当時の旧法律のまま記載していると、ユーザーにとって有益なコンテンツとはいえません。

Googleのアルゴリズムには数百の要素があるといわれており、日々内容が更新されています。検索順位を上げ続けるためには、リライトに加え、常に上位表示されている記事の傾向を分析して、アップデートの対策を講じることが大切です。

 

コンテンツの質によってはマイナス要素となる可能性がある

コンテンツSEOにおいて注意すべきなのは、低品質のコンテンツが量産されることです。マイナスな評価がつくと、サイト全体の品質も低いと評価されます。

サイトの順位が低下するだけでなく、低品質なコンテンツは炎上の原因になってしまう可能性もあります。有効な対策として、ユーザーニーズを満たすコンテンツを、一つひとつコツコツと制作していくことが大切です。

 

専門の会社に依頼する場合、費用が発生する

コンテンツSEOは、内製できればほとんど費用は発生しませんが、プロにすべてを委託する場合は、年間を通して予算を確保しておかなければなりません。

SEO対策の外注の種類と相場を以下の表にまとめました。

依頼項目 施策の内容 費用相場
SEOコンサルティング ・自社・競合の分析
・SEOに向けたサイト設計
・内部施策の初期設定
・カテゴリ設計など
20万~100万円
コンテンツSEOの制作 ・キーワードの設定
・記事の構成
・記事の作成
・入稿作業
・画像生成など
1記事あたり1万~10万円
内部SEO対策 ・サイトマップ痩身
・パンくずリストの設置
・内部リンクの改善
・見出しタグの最適化
・画像利用の最適化など
10万~20万円
外部SEO対策 ・被リンクの獲得代行
・被リンクの獲得コンサルティングなど
月額固定型/5万~20万円
成功報酬型/1万~100万円

依頼内容によってかかる費用には幅があります。依頼する会社によって対応できる内容も異なるため、まずは無料相談で業務内容を確認しておく必要があります。

 

【全8手順】コンテンツSEOの基本の流れ

パソコンやタブレットで作業する手元
これからコンテンツSEOを実施する方に向けて、基本的な流れを解説します。

コンテンツSEOの基本の流れ

 

➀3C分析を行う

3C分析とは、Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの頭文字をとった、環境分析のためのフレームワークです。市場や競合の状況を踏まえ、自社のどのような価値観や魅力を訴求していくか戦略を立てるときに活用します。

コンテンツSEOでは、Customerが検索ユーザー、Competitorが競合コンテンツ、Companyが自社コンテンツと置き換えるとわかりやすいでしょう。

3C 項目の一例
Customer
(ユーザー)
検索意図・課題・ニーズなど
Competitor
(競合コンテンツ)
競合が提供しているサービスや商品の特徴・PR内容・強ドメイン・インフルエンサー・
SNSなど
Company
(自社)
自社の強み・評価・企業理念やビジョン・ターゲット・自社のリソースなど

これらの内容を分析することで、コンテンツSEOの成功に向けて進むべき方向性が見えるようになります。

 

➁カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップとは、商品やサービスを認知し、購入の検討段階から実際の利用までユーザーが辿る一連の体験を時系列で表し、行動・思考・感情の3点を軸に考察したものです。

「認知→比較→検討→購入」のそれぞれのプロセスで異なる、ユーザーの行動・思考・感情が把握できれば、どのフェーズに向け、どのようなコンテンツを発信するのが適しているのか推察しやすくなります。

 

➂キーワードを選定する

カスタマージャーニーマップで、認知から購買行動に至るまでのユーザーニーズを整理できたら、次は軸となるキーワードを選定します。軸となるキーワードとは、自社のコンテンツにとって重要かつ関連性の高いキーワードのことです。

ここでは、商品やサービスに直結したキーワードに縛られず、3C分析でユーザーが抱える課題や悩みをベースにどのようなワードで検索するのか、ユーザーファーストで選定するようにしましょう。

しかし実際には、キーワードにも種類があり、どのように選定してよいのかわからない方も多いでしょう。そこで、キーワードの種類と、最適なキーワードを選定するために活用したい「サジェストキーワード」について解説します。

 

キーワードの種類を理解する

キーワードには、ビッグワード・ミドルワード・スモールワードがあり、検索ボリュームによって分けられています。以下が各キーワードの種類と検索ボリュームの目安です。

キーワードの種類 月間検索ボリュームの目安
ビッグワード 10,000以上 カメラ
ミドルワード 1,000~10,000 カメラ 一眼レフ 初心者
スモールワード 1,000以下 カメラ 初心者 一眼レフ ミラーレス

ビッグワードは検索するユーザーが多く、上位表示できれば多くの流入を見込めます。ただし、ビッグワードは曖昧で抽象的な表現であることが多く、想定外のユーザーが流入する可能性もあります。競合も多いため、上位表示させるのは至難の業です。

一方、ビッグワードよりも検索意図が細分化されているのが、ミドルワードとスモールワードです。ビッグワードよりも検索ボリュームが少ないので多くの流入は期待できませんが、競合が少なくなる分、上位表示を狙いやすくなります。

ビッグワード・ミドルワード・スモールワードと並び、ロングテールキーワードがあります。ロングテールキーワードとは、上記で挙げたキーワードよりもニッチなキーワードです。例えば、「カメラ 初心者 一眼レフ ミラーレス どっち」のように、より具体的な検索内容のキーワードを指します。

 

サジェストキーワードを調査する

サジェストキーワードとは、ユーザーの検索の頻度やキーワードとの関連度合いによって予測変換され、自動的に表示される検索の候補のことです。検索エンジンが先読みし、ユーザーが知りたいであろうキーワードを提示します。

サジェストキーワードにはユーザーが知りたい情報が隠れているため、サジェストキーワードを調査することで、Googleが重要視している、ユーザーにとって有益なコンテンツの制作に近づけます。

 

 

④トンマナ・レギュレーションを決める

トンマナとは「トーン&マナー」の略です。掲載するコンテンツのトンマナやレギュレーションを決めておくと、企業の世界観を統一でき、ブランディングにつながります。意図した世界観を根付かせることで、ブランドそのものの価値を高められます。

以下のような項目は、コンテンツの作成を行う前に決定しておきましょう。

ライティングのトンマナ一例 ・日本語の表記統一
・文章の末尾表現
・一文に対する文字数
・NGワードなど
デザインのトンマナの一例 ・レイアウト
・フォント
・配色
・余白スペース
・素材のイメージなど

トンマナを統一すると、コンテンツに一貫性をもたせる効果があります。ユーザーに企業イメージをもたせやすくなると同時に、作業効率も上がります。

担当者によってバラつきのあるコンテンツが仕上がると、ユーザーは無意識のうちに違和感と不信感を抱き、離脱しやすくなるでしょう。ユーザーの離脱を防ぐためにも、いきなりコンテンツの制作に入るのではなく、まずは運用するコンテンツに応じたトンマナやレギュレーションを整理しておくことが大切です。

 

⑤コンテンツの構成案を作成する

執筆に入る前に、まずは記事の骨組みである構成案を作成しましょう。構成案は記事の設計書です。ユーザーが抱えるニーズに対し、どのような情報を提供するのか、またどのように伝えたら内容が伝わりやすいのかを考えます。

構成案はテーマと執筆内容にブレが生じないために不可欠です。記事の全体像を整理しておけば、必要な情報が明確になるため、効率よく記事作成を進められるだけでなく、質の高い記事内容に仕上がります。

いきなり執筆に入るのは、図面を引かずに家を建てるようなものです。執筆をしながら帳尻を合わせていくことになるため、内容が散乱し、結局何を伝えたいのかわかりにくい文章に仕上がってしまいます。

ここでは、構成案を作成するうえで押さえておくべきポイントを紹介します。

 

コンテンツの構成を理解する

まずは基本の構成を理解しおきましょう。基本的に記事は3部構成で作成します。

序章
(リード文)
記事の書き始めの部分。記事の対象となるターゲットや、記事全体のおおまかな流れを記載。
ここで、記事を読むか判断するユーザーが多いため、重要。
記事本文 記事のメイン部分。ユーザーが抱える課題をいかに解決していくかを記載する。
ここでは、提示した内容に対して根拠や事例、データを提示して、説得力をもたせることが大切。
まとめ 記事の内容をまとめる部分。記事全体で最も伝えたい内容を簡潔にまとめることが大切。
ダラダラ長く書くと、結局何が言いたいかわからない記事と評価されるため要注意。

 

ユーザーニーズに合った見出しを設定する

見出しとは記事の要点を短い文にまとめたものです。本文より大きな文字で、文章の最初に置かれています。書籍における目次のようなもので、記事の内容や話の展開が一目でわかるのがよい見出しです。文字が羅列しているよりも、見出しで区切って文章のまとまりを作る方が、ユーザーは読みやすさを感じます。

見出しは、長すぎるとわかりにくい印象を与えるため、20文字程度が推奨されています。見出しの内容だけでなく、順番も大切です。早く結果を知りたいユーザーに向けて、ユーザーが知りたい順番に設定しておくとよいでしょう。

見出しを決めるときは、狙っているキーワードで上位表示されている競合サイトの見出しを参考にするのがおすすめです。完全にコピーするのはNGですが、上位表示されているサイトがとらえているユーザーニーズや、上位表示されている理由を分析することで、独自性のある見出しを構築できます。

 

E-E-A-Tを意識する

E-E-A-Tとは「ダブルイーエーティー」と呼ばれている、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の4つの頭文字をとった言葉で、SEO対策をするうえで重要な考え方です。サイトの品質を評価する要素や指標となります。

Googleの検索アルゴリズムは、サイトのクオリティを正しく評価するため、これら4つの評価基準を重要視しています。

各項目の内容を、以下の表にまとめました。

項目 評価内容
Experience
(経験)
実体験をもつ経験が示されているか
Expertise
(専門性)
特定の分野に特化した内容で、かつ専門的な価値を得られる内容か
Authoritativeness
(権威性)
価値あるコンテンツと第三者から評価されているか。(被リンクやサイテーションなど)
Trustworthiness
(信頼性)
コンテンツはオリジナル性があり、運営会社や利用規約などが明記されているか

戦略的にSEO対策をしていくためには、コンテンツそのものの品質に加え、E-E-A-Tの評価レベルを向上させることが大切です。

 

適切かつユーザーの心を掴むタイトルをつける

タイトルは、ユーザーが最初に目にする部分です。検索結果から、どの記事が一番求めている情報を手に入れられるのか判断する材料となるため、タイトルによってクリック率が異なります。

ポイントはタイトルを見ただけで、ユーザーのニーズが満たされるような内容を示唆できるかどうかです。読むことでのメリットや常識を覆すような、感情を刺激する見出しを考えたり、最新の情報であることがわかるようなフレーズを入れてみたりしてみましょう。

 

 

自社コンテンツの内容被りに注意する

Googleのクローラーは、さまざまなページをバランスよくインデックスします。そのため、コンテンツの内容が類似したページがたくさんあれば、クローラーから評価されません。そのうえ、ユーザーに有益になるよう、検索上位に似たようなページは表示させないように調節しています。

したがって、内容被りしたコンテンツが量産されれば、たとえ高品質な記事に仕上がったとしても、検索結果に表示されないこともあります。被リンクが分散されて正しい評価を受けられないこともあり、上位表示の妨げ、もしくは故意に重複コンテンツを増やしたとみなされ、ペナルティの対象になる可能性もあるので注意しましょう。

キーワードによっては、多少構成に被りが出てしまうこともあるでしょう。そのような場合は、内部リンクを活用して、より詳細な記事に誘導するのがおすすめです。ライトな説明を加えて「詳細はこちらの記事へ」と誘導すれば、ユーザーにとって有益な情報をより深く与えられ、ユーザーの満足度を高められるだけでなく、クロールされインデックスの促進につながります。

 

 

⑥ライティングする

構成の段階で執筆の方向性が決まっているので、後は必要な情報をリサーチしてユーザーが読みやすいような文章に組み立てていきます。ここでは、ライティングの際のポイントについて解説します。

 

ライティングの基本を理解する

ユーザーにとって有益な情報でも、伝わらなければ意味がありません。文章では、ユーザーの悩みや課題を解決するためのポイントをわかりやすく伝えていきます。

Webライティングの基本はPREP法です。文章構成の雛形としてビジネス文書でも用いられています。

  1. P(Point):結論を伝える
  2. R(Reason):結論の理由や根拠を伝える
  3. E(Example):事例を交えて具体的にわかりやすく解説する
  4. P(Point):根拠や事例を提示したうえで、再度結論を伝える

PREP法に沿った文章は、簡潔であり根拠付けされているため説得力もあります。特にライティング初心者の場合は、型に当てはめながら書くことで読みやすい文章を書きやすくなります。

 

誤字脱字や文法に注意する

誤字脱字は、ライティングしている人の多くが陥りやすいケアレスミスです。しかし、たった1文字の誤った文字表記にもかかわらず、ユーザーに読みにくさや不信感を与え、マイナスな印象を残してしまいます。

文章のねじれもユーザーに読みにくさを与える原因です。文章のねじれは、主語と述語、論点と結論がかみ合わないことで生じます。特に一文が長くなると文章のねじれが生じやすくなるため、1つの文章で説明する情報を1つにする心構えの、「一文一義」を意識して執筆しましょう。

一度執筆を終えたら、声を出して読み直したりツールを活用してダブルチェックをしたりすることで、文章のねじれや誤字脱字を防げます。

 

コピーコンテンツはNG

コピーコンテンツとは、他のサイトのコンテンツをコピー、もしくはコピーした内容を一部手直ししてオリジナルに見せかけたコンテンツのことです。作業効率が上がるので記事を量産するスピードは上がりますが、コピーコンテンツはGoogleのペナルティ対象です。場合によっては、盗用や著作権侵害に該当する可能性もあるため、細心の注意を払いましょう。

コピーコンテンツと評価されると、検索結果に表示されなくなります。なぜなら、Googleは検索ユーザーに多くの情報を提供するため、似たような内容のコンテンツを同時に掲載しないようにしているからです。

たとえ上位に表示されたとしても、Googleのアルゴリズムによって検索順位が下がる可能性もあります。コンテンツには独自性が求められるため、コピーコンテンツは評価対象外です。

 

信頼性の高い情報をエビデンスにする

ライティングにおいて、すべて根拠が必要です。「私はこう思います」という発言には、「何を根拠にしてその結論に至ったのか」を提示しなければなりません。そこで必要となるのがエビデンスです。

ページの品質評価の最重要項目として、E-E-A-T(「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」)が必要とお伝えしました。

E-E-A-Tを満たす記事にするために、執筆時の情報収集で意識したいのは一次情報です。一次情報とは、知識や経験が豊富な人のレビューや監修、公的な研究機関などエビデンスが該当します。

情報の鮮度も意識しましょう。常に情報は新しくなっているため、何年も前の情報は信ぴょう性に欠けます。特に法律や不動産、金融関連の情報は社会情勢に左右されやすいため、常に最新のデータでコンテンツを作成しましょう。

 

 

キーワードに対して適切な文字数にする

検索上位を狙うために、決定的な文字数のラインはありません。しかし、ユーザーの悩みに対して必要な情報を網羅すると、自然に文字数は多くなるものです。ユーザーにとって必要な情報が網羅されている記事は、Googleに評価されて、上位表示されやすい傾向があります。

さらに文字数が多いと検索対象の言葉が増え、さまざまなキーワードでヒットしやすくなり、検索上位に表示されやすくなります。ただし、構成を作る際にはどのくらいの文字数か目安が必要です。迷ったときは、上位表示されている記事の文字数を参考にしましょう。

 

 

⑦サイトにアップし、データをモニタリングする

サイトを運営していくうえで大切なのは、サイトにアップしたデータをモニタリングするプロセスです。記事を書いて終わりではなく、記事をアップしてからが運用のスタートラインになります。サイトへの訪問者数や閲覧数、平均滞在時間や離脱率、会員登録数や問い合わせ数など、数値を測定していきましょう。

ここで大切なのは、運用の前にKPIを設定しておくことです。実際にアップしたコンテンツは、目標とした数値を達成しているか調べていきます。検証データを確認するためには、Googleが提供する無料ツールの「Google Search Console」を使用していきます。

 

⑧必要に応じてリライトする

モニタリングをした結果、期待する成果が出ていないなら、よりよいコンテンツになるようにリライトをしましょう。ユーザーの検索意図と記事内容はマッチしているか、専門性が高いコンテンツになっているか、タイトルは魅力的かなど、ユーザー目線に立って記事を見直していきます。時間が経過している記事であれば、ファクトチェックも行います。

上位表示されている記事と比較し、ユーザーに提供している情報は十分か、どこに不足があるのか、ユーザー体験を最適化させることがSEOにおいて大切です。

 

コンテンツSEOを行う際の4つのポイント

芝生の上に置かれたPOINTのブロック
コンテンツSEOに取り組むなら、心得ておくべきポイントは以下の4つです。

コンテンツSEOに取り組むポイント

それぞれのポイントを理解し、根気強く取り組んでいきましょう。

 

検索順位1位を目指す

検索順位は1位を狙うのがマストです。seoClarityが2021年に実施した、日本におけるGoogle検索順位の1位のクリック率は13.94%、2位は7.52%、3位は4.68%という結果でした。

検索順位1位のクリック率は2位の約2倍となっており、10位まで落ちると1.32%となってしまいます。これが検索順位にこだわる所以です。

クリック率が高まる検索順位1位をとるためには、リライトなどの施策を根気強く行っていきましょう。

 

アルゴリズムのアップデートに対応していく必要がある

アルゴリズムとは、Googleの検索窓にユーザーがキーワードを入力した際に、結果として現れるサイトの順位を決めるプログラムです。評価基準には200以上の項目が存在するといわれており、項目や重要度は日々改訂され続けているため、アルゴリズムが改訂されると検索順位に影響が出やすいです。

特に検索アルゴリズムを見直し、検索結果を大幅に改善することになる「コアアルゴリズムアップデート」では、大きな順位変動が予測されます。こうしたアップデートの告知は直前に行われることが多いため、常にユーザーファーストを心がけながらアップデートに備えておく必要があります。

 

YMYL領域は公共機関や大企業、専門機関が上位表示されやすい

YMYLとは、YourMoneyYourLifeの略で、直訳すると「あなたのお金と人生」。将来の幸福・健康・金融など、人々のお金や人生に影響を与える可能性のある領域を指す、Googleが公表している検索品質評価ガイドラインの1つです。具体的には、ニュース・イベント・経済・政治・医療などが該当します。

YMYL領域は、誤った情報や悪質な情報によってユーザーが危険にさらされる可能性もあるため、公共機関や大企業、専門機関が上位表示されやすい傾向にあります。ただし、コンテンツSEOが上位表示のチャンスがない訳ではありません。YMYL領域では特にE-E-A-Tが重視されているため、E-E-A-Tを取り入れコンテンツに反映させていけば、上位表示を狙えます。

 

上位表示・流入増加だけで目標が達成できるとは限らない

上位表示されて流入が増加しても、問い合わせや申し込みにつながらないこともあります。その場合は、そもそもターゲットとずれたコンテンツを作成している可能性が考えられます。今一度カスタマージャーニーマップに目を通し、ユーザーファーストでキーワードを考え直してみましょう。

ターゲットのニーズとコンテンツの内容が少しずれていたとしても、上位表示・流入増加されるコンテンツが増えれば、サイトの評価が上がります。ターゲットに合うコンテンツが上位表示される可能性も上がるため、決して無駄にはなりません。

 

コンテンツSEOに役立つツール

SEARCHと手に持ったスマホ
サイトを運用するならツールの活用はマストです。ツールを活用しながら現状の分析とサイトの改善を継続していく必要があります。

アクセス解析やキーワード選定からコピーコンテンツの回避まで、どれも無料のツールで解析できます。まずは無料のツールで解析方法に慣れることが大切です。より細かくデータを分析したいと機能に物足りなさを感じたときは、有料ツールの導入を検討してみましょう。

 

Google Analytics(アクセス解析に使える)

Google Analyticsはサイト内に入ってきたユーザーの動きを分析するツールです。どのページがよく見られていて、どこで離脱してしまうのか、ユーザーの属性・成果の達成率・広告効果・反響率などがわかり、Webサイトのアクセス状況を多角的に分析できます。

ただし、無料ツールなので利用する人は多いですが、正式なマニュアルはありません。そのため、集計したデータを元に分析し、マーケティングに活かしていくスキルが問われます。

 

 

Google Search Console(アクセス解析に使える)

Google Analyticsがサイト訪問後のアクセスを解析するのに対し、Google Search Consoleはサイトのアクセス前を分析するツールです。

検索パフォーマンス機能を活用すると、ユーザーが検索したキーワードやサイトの表示回数、クリック率や平均した検索順位など、どのキーワードに需要があるのかを細かく分析できます。リンク機能を活用すれば、どのようなサイトからリンクされているのかをチェックでき、自分のサービスが他者からどのように評価されているのかがわかるため、サービスの改善にも役立ちます。

エラーやペナルティのチェックにも有効です。サイトに問題が生じたらメールで通知が届くので、すぐに対策を立てられます。

 

おむすびキーワード(キーワード調査に使える)

おむすびキーワードは指定のキーワードを入力するだけで、関連キーワードをマインドマップ形式で取得できるツールです。キーワードを中心に、サジェストキーワードが放射線状に表示されるため、関連キーワードとともに情報整理にも役立ちます。

Google AnalyticsやGoogle Search Consoleとの違いは、YouTubeやAmazonなどの他のチャネルのキーワードを取得できるところです。

 

ruri-co(キーワード調査に使える)

ruri-coはサジェストキーワードと検索ボリュームを同時に調べられるツールです。狙ったキーワードの検索結果を対象に、競合の順位状況と類似率が高いキーワードを一気に調べられます。

ruri-coは狙ったキーワードを調査キーワードに入力するだけで、以下のような情報の調査・分析を行うことが可能です。

  • サジェストキーワード
  • 競合サイトの順位取得状況
  • タイトルに必要なキーワード
  • 検索ボリューム
  • 上位1記事の獲得キーワード数

競合サイトが順位取得するキーワードから、ユーザーのニーズを分析し制作記事に活かせます。さらに、上位9記事が網羅するサジェストキーワードと検索ボリュームもわかるため、ライバルサイトが網羅できていないキーワードを狙い、上位表示を狙う戦略も立てられます。

 

CopyContentDetector(コピペ率チェックに使える)

CopyContentDetectorは、執筆した記事とWeb上に公開している記事との類似率をチェックできるツールです。無料版では4,000文字が上限となっていますが、何回でもチェックできます。

主にツールでわかるコピペチェックの結果は以下のとおりです。

  • 類似度:掲載されているサイトのテキストと類似度が高い文章の割合
  • 一致率:掲載されているサイトで使用している単語と一致している割合
  • テキスト類似率:過去にコピペチェックしたテキストと類似している割合

特に執筆で気をつけるのは、類似率と一致率です。固有名詞や専門用語を多く使用する記事は一致率が高くなる傾向があるため、注意しましょう。

 

コンテンツSEOと一緒にテクニカルSEOを行うことも重要

SEARCH ENGINE MARKETING
ユーザーを対象としたコンテンツSEOだけでなく、検索上位を狙うためには検索エンジンを対象としたテクニカルSEOも同時に対策していく必要があります。テクニカルSEOとは、サイトの内容を検索エンジンに正しく評価してもらうために、内部構造を最適化する施策です。

以下、テクニカルSEOで取り組むべき方法をご紹介します。

 

サイトの階層構造を最適化する

サイトには、「ディレクトリ階層」と「リンク階層」の2種類があります。ディレクトリ階層とは、トップページから目的のコンテンツまでの階層を指します。例えば、第一階層(トップページ)・第二階層(カテゴリ)・第三階層(記事)というように、ツリー型を意識した構成になっていることが多いです。

リンク階層とは、クリック階層とも呼ばれ、目的のコンテンツまでたどり着くまでのクリック数を意味する階層です。SEO対策で大切なのは階層を浅くすることで、階層が浅いほどGoogleのクローラーにインデックスされやすくなります。

 

サイトマップを設置する

サイトマップとはサイト全体の地図のようなものです。サイトマップには、検索ユーザー向けの「HTMLサイトマップ」、クローラー向けの「XMLサイトマップ」があります。

テクニカルSEOで重要なのが、XMLサイトマップです。XMLサイトマップは、サイトの住所録のような役割があり、作成するとクローラーの循環速度がアップし、検索結果への反映を早める効果を期待できます。

XMLサイトマップの作成方法は自動と手動の2種類がありますが、自動作成・自動更新してくれるサービスもありますので、利用してみてください。

 

ページ表示速度を高速化する

表示速度は、検索エンジンの評価指標の1つではありますが、評価への影響はそこまで大きくありません。しかし、表示速度が遅いとユーザーの離脱率に影響を及ぼすので注意する必要があります。

米国設立のWebアクセス解析ツール提供会社「Kissmetrics」の調査では、ページを表示するのに3秒以上かかると、ユーザーの40%が離脱すると報告されていました。

表示速度が遅くなる原因として、サイトにアップしている画像や動画のファイル容量が重いこと、デザインが凝りすぎていて、読み込むものが多いときに生じます。

表示速度を改善するためには、以下の対策が有効です。

  • サーバーを増強する
  • LP速度改善ツールの導入
  • サイトのSPA(シングルページアプリケーション)化
  • CDNを導入する
  • 画像の解像度を縮小する
  • サイトをシンプルな設計にする

ただし、表示速度の改善には専門的な知識が必要です。まずは、画像の解像度やデザインに凝りすぎないなど、できるところから見直してみましょう。

 

モバイルフレンドリー対応にする

モバイルフレンドリーとは、スマホ用の表示を最適化し、モバイル端末でサイトを閲覧しやすくする施策です。2015年にGoogleがモバイルフリーアップデートを実施し、スマホ未対応のサイトの順位を下げています。モバイルフレンドリーが現在もSEOのアルゴリズムに組み込まれており、検索順位を決める要素として機能しているため、対応は必須です。

作成したサイトがモバイルフレンドリーに対応しているかわからないときは、 モバイルフレンドリーテストで簡単にチェックできます。もし対応していないなら、レスポンシブデザインを採用しましょう。レスポンシブデザインとは、ユーザーが利用するデバイスやブラウザに合わせ、レイアウトを最適化できるデザインです。

 

メタディスクリプションを設定する

メタディスクリプションとは、記事を100文字前後でまとめた概要のようなものです。クローラーにページの概要を伝えるためのHTMLタグの1つで、タイトルの下に表示されるため、クリック率にも影響します。

最適な文字数はデバイスにより異なり、パソコンであれば120文字前後、スマホであれば60文字前後が目安です。

 

htmlタグを最適化する

htmlとは「Hyper Text Markup Language」の頭文字をとったもので、サイトを作成するための言語です。ページに書かれている文字を「html」と呼び、意味を与えるマークを「タグ」と呼びます。

例えば、<h1>コンテンツSEOとは?</h1>となれば、<h1>から</h1>の間の文字は見出し、<strong>ポイントはここ!!</strong>となれば、「ポイントはここ!!」の文字を太くして強調するとの意味が加わります。

正しくhtmlタグが機能していれば、クローラーにテキストを適切に認識してもらえるので、SEO評価を高めたいときに重要な工程です。

 

内部リンク・アンカーテキストを最適化する

内部リンクとは、サイト内のページをつなぐリンクのことで、記事の途中に埋め込まれています。内部リンクを最適化することで、検索エンジンにインデックスされ、評価されやすくなります。

内部リンクを最適化するためには、リンクでつながれているページのコンテンツの質が重要です。内部リンクを埋め込むときは、アンカーテキストも設置しましょう。アンカーテキストとは、リンク先のページ内容です。大抵は、リンク先のタイトルを設定します。

加えてパンくずリストを設置し、クローラーにサイトの構成を伝えることも大切です。パンくずリストとは、ユーザーが今見ているページの所在を表すリストです。大抵ページのトップに以下のように表記されています。

ホーム>コラム>マーケティング>コンテンツSEOとは?メリット・デメリットや施策の流れ、ポイントを解説

ページごとのカテゴリを設定し、表記しているページの属性や関連したページを表示させることで、クローラーが評価しやすくなるため、上位表示される可能性を高められます。

 

画像を最適化する

検索エンジンは日々進化していますが、画像の内容や画像に記載されている文字を正確に判断することはできません。そこで、画像の内容をテキストで説明する必要があります。それがalt属性です。画像をテキストで説明できれば、Googleに評価されやすくなり、ユーザーにも伝わりやすくなるのでSEOに有効です。

同時に画像のサイズも最適化しましょう。画像ファイルの大きさはページの表示速度に影響します。表示速度を改善するには、画像のファイルサイズを削減する方法が有効です。サイズを削減するためには、画像サイズを小さくする方法や画像ファイルを最適化する方法、画像フォーマットを変更する方法があります。

手動で最適化する方法もありますが、無料で利用できる画像最適化ツールもありますので、活用してみましょう。

 

 

コンテンツSEOは専門の会社に外注すべき?

ハテナを両手に持つ女性
自社にSEOのノウハウがなければ、外注することも可能です。外部の手を借りれば、上記で紹介してきたような戦略や施策、管理などは不要です。さらに、SEOの専門家に依頼すれば、短期間での効果も期待できます。

ただし、外注を利用すると費用がかかるうえに自社にノウハウが蓄積されないため、運用している間は費用がかかり続けてしまうところが難点です。

外注は、完全に委託する方法から一部の業務委託、もしくは長期的な目線で社員を育成する方法があります。ここではコンテンツSEOを行う方法とそれぞれの特徴や注意点を紹介しますので、自社のリソースや期待する効果、長期的な戦略を視野に入れて、どの方法で運用していくか考える際の参考にしてください。

 

SEO会社に依頼する

SEO会社に依頼するメリットは以下の4つです。

<SEO会社に依頼するメリット>

  • コンテンツの制作に費やす時間を縮小でき、他業務に時間を費やせる
  • 一定の品質が担保されるため、高い効果が期待できる
  • コンテンツだけでなく、テクニカルSEOのように他の施策も適切なアドバイスがもらえる
  • 検証や分析を依頼できるため、会社の中長期的な戦略を練れる

SEO会社に依頼するメリットは、コンテンツSEOの制作に時間を奪われることなく、その他の業務に集中できます。成果を出すためには、専門的なノウハウも必要となりますが、外注できれば社員を育成して結果を出すまでの時間を省略できるので、既存の業務や今後の戦略に重点をおくことが可能です。

ただし、SEOの効果が出るまでには時間がかかるため、継続期間が長ければそれだけコストが発生し続けてしまいます。社内の人間ではないため、運用の目的やターゲット、商品など細かく共有しなければよいコンテンツはできません。専門家とはいえ、完全に任せた状態では失敗に終わる可能性が考えられるので注意しましょう。

 

SEO会社の内製化支援を受ける

コンテンツSEOの外注費を抑えつつ、高い効果を期待できるのは内製化支援を受ける方法です。契約中にかかり続ける外注費を大幅にカットできるだけでなく、SEOの知見を社内に蓄積できるというメリットがあります。

以下の3つが、内部支援を受けるメリットです。

<内部支援を受けるメリット>

  • 外注するよりコストが安い
  • SEOのノウハウを社内に蓄積できる
  • 自社の商材に精通している社員が記事を作成することで、専門的なコンテンツを制作できる

内製化支援のメリットは、社員育成も同時に行えるところです。SEO施策は長期的なマーケティングのため、ノウハウが蓄積できれば、より自社に最適な施策を行えます。

ただし、SEOに知見のある社員を確保する、もしくは社員を選抜して育成しなければなりません。そのため、SEOの施策に加え、より高度な技術をもつ人材を確保するための施策も必要になります。

 

SEO会社のセミナーに参加して知識を身につける

自力で何とか構築から実装まで行いたい方には、SEO会社が主催するセミナーに参加することをおすすめします。なぜなら、独学で学ぶよりも早く知識を吸収できるからです。セミナーに参加することで参加者や業界の専門家とのつながりができ、情報交換やアイディアの共有し、ビジネスの成長につなげるチャンスを作ることも可能です。

ただし、セミナーで得たノウハウを蓄積し、自社のサービスに応用するまでには時間と労力がかかります。セミナーの内容によってはすでに知っている情報や、自身のニーズに合わない情報が提供される可能性もあるので、目標や予算、時間の制約をよく検討する必要があります。

 

フリーランスに依頼する

SEO会社ではなく、フリーランスや個人事業主に業務委託する方法もあります。専門的なコンテンツを求めつつ費用を抑えたいときや、記事を一時的に量産したいときにおすすめです。

クラウドソーシングサイトなどには、SEOの提案をしているワーカーやSEOライティングを請け負うワーカーが多く、双方のニーズがマッチすれば採用即日から業務を任せられるところが利点です。

ただし、フリーランスは突然業務がストップしてしまうリスクがあり、業務が安定しない可能性があります。規模が大きい案件を依頼するときは保険をかけ、継続的にワーカーを募集し続けると安心です。

また、品質の担保が難しいところも課題です。特に信頼関係ができるまでは、実際の品質もわかりません。ある一定の品質を担保するためにも、トンマナやレギュレーション、作業手順など文章化しておきましょう。

 

SNSなど他のマーケティング手法とも組み合わせて、効果的に運用しよう

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SNS上でのアクションは、SEOに直接の効果はありません。なぜなら、SNSでリンクがシェアされても、Googleのクローラーは感知しないからです。

ただし、コンテンツがシェアされれば話題性を確保でき、より多くのユーザーにリーチできます。SNSの発信でフックをかければ、サイト名や企業名が他の記事に掲載される「サイテーション」を獲得できたり、シェアされたコンテンツからの自然流入が見込めたりと、間接的な効果を期待できます。

近年では、SNSが影響力を持つようになってきたため、「PESOモデル」という戦略が主流になってきました。

PESOとは、テレビや新聞などの有料メディアである「ペイドメディア」、口コミやインフルエンサーからの推奨である「アーンドメディア」。TwitterやInstagramのようにシェアされることで多くの人に情報が行き届く、「シェアードメディア」、自社が運営する「オウンドメディア」の頭文字をとったメディア戦略です。

複数のメディアを連携させることで、自社の認知度や評判を高める広報活動の効果を最大化できます。コンテンツSEO一本に絞らず、他のマーケティング手法を組み合わせることで、より早く成果を得られるでしょう。

 

 

まとめ

コンテンツSEOは、自社で運用できればテレビやCMのような莫大な費用をかけず、長期的に安定した集客を期待できるマーケティング手法です。多くのアクセスを集められれば、会社の売上アップも期待できます。

成功するためのポイントは、ユーザーファーストを考えた専門性の高いコンテンツの作成と、検索エンジンを意識したテクニカルSEOの実施です。成功するためにすべきことはたくさんあります。

本記事を参考に、コンテンツSEOとは何か、そして成功するためにすべき施策は何か整理し、自社の運用に役立ててください。

 

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