WEB担当者にとって、Googleアルゴリズムは切っても切れない要素です。コンテンツ制作の軸になるほか、新規ユーザー獲得、自社商品・サービスの認知度拡大などを狙う際は、理解すべき知識でしょう。
そこで今回は、Googleアルゴリズムについて、基本的な知識から具体的なSEO対策まで詳しく解説します。重要な要素、意識すべきポイント、今後の対策につながるアップデートについても解説するため、目を通しておきましょう。
基本的な知識+実務的なノウハウを習得できれば、自社コンテンツの目標達成に近づきます。トラブル発生の際も対処しやすくなるため、WEB担当者としての仕事を期待される方は参考にしてみてください。
目次
Googleアルゴリズムとは
Googleアルゴリズムとは、ユーザーが求める最適な情報を検索結果に表示する仕組みです。WEB上に公開されたコンテンツは、Googleアルゴリズムによって評価され、ユーザーニーズに近い有益な情報ほど検索結果の上位に表示されます。
詳しい仕組みは公開されていませんが、おおよそ200以上の評価基準をもとに、各コンテンツは評価されるとされています。WEB担当者は、Googleアルゴリズムのルールに則り、コンテンツの評価を最大化させる施策を講じなければなりません。
次項では、Googleアルゴリズムのなかでも特に重要な要素を解説するので、コンテンツ制作の際はぜひ参考にしてみてください。
Googleアルゴリズムのなかでも特に大事な要素
約200以上あるとされる評価基準のなかでも、特に重要とされる5つの要素について見ていきましょう。
ユーザーの検索意図を汲み取っているか
Googleアルゴリズムでは、ユーザーの検索意図を汲み取ったコンテンツかどうかを判断されます。Googleはユーザーの利便性を第一としており、必要な情報を速やかに提供できるよう、アルゴリズムが組まれています。
たとえば、ユーザーが「ピザ」と入力した場合、検索結果のトップに表示されるのは最寄りの店舗です。これは、ユーザーの検索クエリ(単語や文章)が特定の地域を対象としており、ユーザーにとって必要な情報は「最寄りの店舗」であると判断されるためです。
つまり、コンテンツ制作の際は、特定のキーワードに対し「ユーザーはなぜ検索したのか」その背景をベースに制作しなければなりません。また、最新情報であるほど有益な情報と判断されるため、検索意図+情報の鮮度も重要なポイントといえます。
検索キーワードに沿ったコンテンツ内容であるか
Googleアルゴリズムでは、検索キーワードに沿った(関連性が高い)コンテンツであるかも評価されます。たとえば、以下のように関連性の高さが判断されます。
- タイトルや見出しに検索キーワードが含まれているか
- 本文中に検索キーワードが含まれているか
- 検索キーワードに関連するコンテンツ(写真や動画、リスト)が含まれているか
注意点として、キーワードの量=関連性の高さではありません。たとえば「家」というキーワードで検索された場合、このキーワード以外の関連するコンテンツの有無も、評価の対象です。写真や動画、物件に関するリストなどを含ませることで、関連性の高いコンテンツと判断されます。
コンテンツの品質は良好か
Googleアルゴリズムでは、関連性を評価した後、コンテンツの品質もチェックされます。自社コンテンツの品質を確認する際は、以下の項目をチェックしてみましょう。
- 掲載された情報は信頼できるか
- 信用できるソースから情報を得ているか
- 専門性があるか(専門家や愛好家が監修しているか)
- 誤字脱字や事実誤認はないか
- 独自の情報が含まれているか(自社アンケートや調査など)
- 記載内容の公平性はあるか
重要なのは、ユーザーにとって有益な情報を提供できるかどうかです。検索結果の上位表示のみを狙った内容、他ページとの重複などは、品質が悪いと評価されかねません。
見やすさを意識したコンテンツか
ユーザーが見やすいコンテンツを制作することで、競合他社よりも検索結果の上位表示が狙えます。「見やすい」とは、ユーザビリティの高さを指し、具体的には以下のポイントを押さえる必要があります。
- スマホやパソコンなど、どのデバイスからでも閲覧できる(表示が崩れない)
- どのブラウザでも閲覧できる
- コンテンツの読み込み速度が速い
たとえば、関連性の高さ・品質ともに、同じ評価のコンテンツが複数ある場合、ユーザビリティの高いコンテンツのほうが上位に表示されます。ユーザーがアクセスしやすく、閲覧しやすい環境を構築し、検索結果の上位表示を狙いましょう。
正しい日本語や助詞、文脈が使われているか
Googleアルゴリズムでは、検索キーワードの文脈も考慮して検索結果を表示します。たとえば「最寄りのイベント」と検索した場合、ユーザーの現在地から最も近いイベントが表示される仕組みです。
つまり「最寄りのイベント」という言葉の意味や情報ではなく、ユーザーが意図する文脈を汲み取りつつ、現在地や検索履歴をもとに検索結果へ反映されます。特定エリアにおける検索結果の上位表示を狙う場合、正しい日本語・表現を使用して、ユーザーに適したコンテンツと判断されるよう調整しましょう。
Googleアルゴリズムを意識した効果的なSEO対策
Googleアルゴリズムを意識した、効果的なSEO対策について解説します。
内部リンクを活用しつつ記事制作を行う
内部リンクの活用により、SEO対策における以下のメリットがあります。
- クロールされやすくなる
- コンテンツ品質の向上
- ユーザビリティの向上
Googleが新たなページを見つけられる(検索結果にページを反映)のは、クローラーと呼ばれる機械がWEB上をクロール(巡回)するためです。内部リンクを張ることでクロールの効率が上がり、より早く検索結果に表示されるでしょう。
また、関連性のあるページを内部リンクすることで、WEBサイトの専門性向上に期待できます。ユーザーは、より深い情報を知る動線として活用できるため、ユーザビリティ向上も狙えるでしょう。
コンテンツの品質が向上し、検索結果の上位表示へも有効な効果が見込めます。
サイトの表示スピードを改善する
「見やすさを意識したコンテンツか」でも解説したとおり、サイトの表示スピード改善は、ユーザビリティの向上につながり、Googleアルゴリズムから良い評価を受けやすくなります。ユーザーは、サイトの表示を気長に待つとは限らず、遅いだけで離脱する恐れがあります。
サイトの表示速度を改善する方法は、次のとおりです。
- 画像やHTMLのファイルサイズを最適化
- サーバー性能を高める
- WordPressを使用している場合、不要なプラグインを削除
画像や動画、HTMLなどのファイル容量が大きい場合、表示までに時間がかかります。専用ツールで圧縮し、表示速度を改善させましょう。
また、根本的にサーバーの性能が悪ければ、十分な速度には期待できません。1Gbpsほどの表示速度があれば、サイト運用には困らないでしょう。
表示速度の確認は、Googleから提供される「PageSpeed Insights」で確認できます。
画像や動画も活用しつつ訴求力を高める
画像や動画の活用により、コンテンツの訴求力向上が見込めます。テキスト情報は、ユーザーの知りたい情報のみをピックアップできるメリットがある一方、提供する情報量は限定的になりやすいです。
画像や動画の場合、テキスト+視覚的・聴覚的な情報も提供できるため、コンテンツの内容を伝えやすくなります。長文を読むのが苦手なユーザーにも訴求できるでしょう。
また、Google検索には、画像や動画、地図などの検索カテゴリもあります。記事コンテンツに画像・動画を差し込むことで、こうしたカテゴリにも自社コンテンツが表示されます。
ユーザーを呼び込む効果にも期待できるため、テキスト以外の手段も検討しましょう。
E-E-A-Tの強化を行う
EEATとは、以下の略語です。
- Experience(経験):コンテンツ制作者の経験(レビューや実体験に基づくアドバイスなど)
- Expertise(専門性):コンテンツに対する専門的な知識やスキル、情報の深さなど
- Authoritativeness(権威性):外部からの評価、社会的な認知度
- Trust(信頼):専門性や権威性が担保されている、ページの安全性など
Googleでは、コンテンツの品質評価基準として、上記4つの指標が設けられています。専門的な内容であることはもちろん、権威あるメディアで紹介されているか、企業・運営者情報は記載されているかなどから品質が評価されます。
さらに、コンテンツ制作者の経験は、ユーザーにとってリアルな情報として受け取られるため、評価を得やすいポイントです。
スマホ閲覧も意識した記事制作やサイトに仕上げる
スマホ閲覧も意識したコンテンツ制作により、ユーザーの利便性が向上し、Googleアルゴリズムの評価向上にも期待できます。「見やすさを意識したコンテンツか」でも解説したとおり、Googleはユーザビリティを重視しており、PCやタブレットはもちろん、スマホで閲覧できるコンテンツ(モバイルフレンドリー)を求めています。
モバイルフレンドリーへの対策方法は、次のとおりです。
- レスポンシブデザインの導入
- Googleが提供する無料解析ツール「Lighthouse」で問題のある箇所を修正
レスポンシブデザインとは、ユーザーの使用するデバイスに合わせ、WEBサイトの表示を切り替える方法です。デバイス別にページを作る必要がなく、Googleのモバイルフレンドリーに関する評価基準もクリアできます。
また、解析ツールを活用し、モバイルフレンドリーに対応していないページを見つけ、該当箇所のみを修正する方法もあります。問題点の修正は、コンテンツ運営に欠かせない作業なので、こちらの手段も習得しましょう。
適切なサイト構造にする
適切なサイト構造とは、以下のポイントを押さえることで実現されます。
- カテゴリを明確にする
- サイトマップの設置(サイト内のどこに何があるか提示)
- パンくずリストの設置(自分が閲覧するページがどの階層か把握する要素)
サイトマップ・パンくずリストの設置により、クローラーはWEBサイト内を循環しやすくなります。WEBサイト更新後に検索結果への反映が早まるほか、コンテンツを見つけてもらえないリスクも回避できるでしょう。
また、WEBサイト内の各ページがカテゴリ別に整理されることで、カテゴリごとの専門性が向上します。WEBサイト全体の専門性向上も狙えるでしょう。ユーザーもほしい情報を得やすくなり、利便性の高いコンテンツを制作できます。
無駄な広告設置を控える
ユーザーエクスペリエンスを重視して、無駄な広告の設置は控えてください。広告は重要な収益源ですが、過剰に広告を設置しすぎると、テキストが読みにくくなります。
ページの読み込み速度低下にもつながるので、広告を無駄に設置するのは控えましょう。
監修者をつけた記事制作を行う
監修者をつけたコンテンツは、権威性・信頼性が向上し、WEBサイトの評価アップにも期待できます。監修者とは、コンテンツのテーマに対し、専門知識や資格などを持つ専門家です。
記事の執筆を依頼するか、自社で制作した後に情報の誤り・不備をチェックしてもらうか、どちらかの方法で依頼しましょう。
情報の整合性や信頼性に気を配る
信頼できるコンテンツとして評価されるには、情報の整合性・信頼性への配慮を忘れてはいけません。たとえば、政府の統計や研究・国際機関のデータなどは、信頼できる情報源です。これらのソースを引用することで、コンテンツの内容は信頼できると評価されやすくなります。
WEBサイト・ページ全体で情報の整合性も取りつつ、矛盾のないコンテンツを制作しましょう。ユーザーからの信頼を獲得できれば、他サイトからの被リンク獲得(ページ評価の向上)にもつながります。
キーワードの過度な頻出を控える
キーワードを過度に頻出させても、Googleアルゴリズムから高い評価を得られるわけではありません。検索キーワードとの関連性を高めるため、タイトルや見出し、本文などにキーワードを入れ込む必要はあります。
しかし、過度に入れ込んだとしても、検索順位にポジティブな影響をもたらすことはありません。Googleでは、ユーザーに対して、実質的な価値をもたらすことを重要視しています。
キーワードを入れ込むため、不自然な文章、意味のない内容になってしまっては、品質評価が下がる恐れもあります。競合調査を行い、自社コンテンツのキーワード出現率を比較して、過度な頻出となっていないかを確認しましょう。
過去に行われたGoogleアルゴリズムのアップデートと内容
Googleアルゴリズムでは、ユーザーにとって価値のある情報を提供するため、定期的なアップデートが行われています。アップデートの内容によっては、これまでのコンテンツ内容や方向性が許容されない可能性もあり、制作者は適応しなければなりません。
次項では、過去に行われた主要なアップデートを4種解説します。
自社コンテンツがGoogleのポリシー違反とならないためにも、チェックしておきましょう。
コンテンツ品質に関する「パンダアップデート」
パンダアップデートとは、2011年に実施された「コンテンツ品質を適切に評価する」アップデートです。どのように評価されるのか見ていきましょう。
【パンダアップデートにおける評価の例】
低評価なWEBサイト | 高評価なWEBサイト |
---|---|
・ユーザーにとって価値のないサイト ・利便性が確保されていないサイト ・他サイトの内容をコピーしたサイト |
・独自に研究した内容を掲載したサイト ・分析レポートを掲載したサイト |
2011年以前は、上位表示を狙うことを目的とした、低品質なWEBサイトが量産されていました。しかし、Googleは、ユーザーにとって価値ある情報を提供することに重点を置いています。そのため、WEBサイトにおける品質基準を設けるパンダアップデートが導入されました。
重複コンテンツはもちろん、オリジナリティのないコンテンツ(他サイトを参照したのみ)も低評価を受けるため、注意してください。
リンクに関する「ペンギンアップデート」
ペンギンアップデートとは、2012年に導入された「スパムや低品質なリンクなどで構築したWEBサイトを評価しない」ためのアップデートです。どのようなWEBサイトが評価されないのかを見ていきましょう。
- クローキング:誤解を与えることを目的としたサイト
- 期限切れのドメインを不正使用:公的機関や団体が使用していたドメインによる営利目的のサイト
- 隠しテキストや隠しリンク:ユーザーに見えないように設置されるテキストやリンク
- リンクスパム:ランキング操作を目的としたリンク(リンクに関する物品や金銭のやり取りが行われる)
- 不正なリダイレクト:検索結果に示されたサイトとは異なるサイトにユーザーを誘導
- 内容の薄いアフィリエイトページ:独自コンテンツや付加価値のないサイト
上記のように、検索結果の上位表示や営利目的を主としたWEBサイトは、ペンギンアップデートにより評価されない恐れがあります。
スマホ対応に関する「モバイルフレンドリーアップデート」
Googleでは、2015年にスマホ対応のページを高く評価する「モバイルフレンドリーアップデート」が実施されました。評価が得られるページの特徴は、次のとおりです。
- タップやズームなしでも読みやすい
- タップターゲットの間隔が確保されている(誤タップしない間隔が取られている)
- 横方向へのスクロールが発生しない
- 携帯端末で再生できないコンテンツを含まない
上記の特徴は、WEBサイト全体ではなく、個々のページが対象です。また、携帯端末で表示されるページのみを対象としています。
専門性が問われる記事に関する「健康」アップデート
「健康」アップデートとは、2017年に実施された医療や健康に関する検索結果を改善するアップデートです。具体的な特徴を見ていきましょう。
- 医療従事者や医療機関など、専門家・機関による信頼性の高い情報が評価される
- 専門用語ではなく、一般ユーザーの使う用語をページに組み込むことが推奨される
健康意識の高い日本では、医療や薬に関する情報がインターネット上に多く出回っています。しかし、どのページを信用すべきか、素人では判断が難しく、場合によっては間違った内容を信用するリスクもあります。そのため、Googleは日本を対象に健康アップデートを行い、信頼性の高い情報を評価する取り組みが実施されました。
また、健康・医療に関して検索する人は、一般ユーザー(専門家ではない人)が多い傾向にあります。医療・健康に関するコンテンツを発信する際は、専門用語よりも一般ユーザーに配慮したキーワードを盛り込むことが推奨されています。
Googleアルゴリズムの変動で押さえておくべきポイント
Googleアルゴリズムの変更は今後も実施されるため、適切に対処する際のポイントを解説します。
事前にGoogleから告知される
Googleアルゴリズムのコアアップデート(検索結果に影響のあるアップデート)が実施される際は、事前に告知が行われます。たとえば、Googleの公式X(旧Twitter)では、アップデートの概要や時期、詳細を記載したブログなどが掲載されています。アップデートに逐一適応できるよう、公式SNSをフォローして速やかに情報を得ましょう。
また、過去のアップデートについても「Google 検索のランキング アルゴリズムのアップデート履歴のリスト」に掲載されます。今後のアップデートを予測して対策できるよう、どのような流れでアップデートが起きているかも把握しましょう。
「検索順位低下 = 悪」ではない
検索順位の低下=悪ではないので、コアアップデートにより順位が落ちたとしても、焦って対策しないことも大切です。Googleアルゴリズムのコアアップデートとは、ユーザーに価値ある情報を提供できるよう、システム全体の評価方法を改善するものです。
つまり、検索順位の低下=ほかに評価されるWEBサイト・ページが出てきたという可能性があります。必ずしも、自社コンテンツが悪いわけではありません。
また、コアアップデートは2週間ほどかけて行われるため、時間の経過とともに、順位が回復する可能性もあります。コアアップデートの影響を受けた際は、アップデート内容を十分に把握し、どこが評価されるのか検討することが重要です。焦って対策を間違えてしまうと、事態を悪化させるリスクもあるので、注意しましょう。
良質なコンテンツを重視する傾向が強まっている
これまでのコアアップデートでは、コンテンツの品質向上を狙ったものが多く、Googleのユーザーファーストな意識が垣間見えます。大手企業や公的機関などの有名サイトにかかわらず、どれだけユーザーに価値ある情報を提供できるかという評価軸が重要視されてきました。
つまり、WEBサイトの規模とは関係なく、良質なコンテンツを作り上げることが、SEO対策にとって重要なポイントです。Googleの技術要件やポリシーなどを遵守しつつ、何がユーザーにとって大切かを考え、コンテンツを制作しましょう。
まとめ
Googleアルゴリズムとは、ユーザーにとって価値ある情報を提供するためのシステムです。総務省のデータによると、世界の検索エンジン市場において、Googleは85%以上のシェアを誇っています。
つまり、Googleアルゴリズムに評価される対策をとらなければ、インターネット上でのユーザー獲得・認知度拡大などの効果を得られない可能性があります。「Googleアルゴリズムを意識した効果的なSEO対策」を参考に、適切なSEO対策に取り組みましょう。
なかでも、ユーザーファーストは忘れてはいけません。昨今のコアアップデートは、コンテンツの品質向上に焦点が当てられており、WEBサイトの規模にかかわらず、高品質なコンテンツが評価されます。
技術的なノウハウは重要ですが、何がユーザーのためになるのかを考えましょう。