オウンドメディアは、コンテンツマーケティングにおいて高い効果が期待される手法として注目されています。オウンドメディアを作りたいと思っているものの、具体的な作り方がわからず困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、オウンドメディアの作り方を7ステップで解説します。さらに、WordPressを使用したサイトの制作方法についても紹介するので、オウンドメディアを作りたいと思っている方は、ぜひチェックしてください。
目次
オウンドメディアの作り方を7ステップで解説
オウンドメディアの制作は、大きく分けて以下の7ステップに沿って進めていきます。
それぞれの詳細について、順番に見ていきましょう。
➀オウンドメディアの目的を決める
まずは、「オウンドメディアを通して何を成し遂げたいか」をはっきりさせる必要があります。目的がぼんやりとしたまま制作を進めてしまうと、途中で方向性を見失う可能性があるため、明確にしておくことが重要です。
オウンドメディアの特徴でもある、成果が出るまで時間がかかるところや、運用のために人件費がかかることなどはデメリットでもあります。
しかし、高い広告費をかけずに多くのユーザーに見てもらえる可能性があるため、ブランディングや集客につなげやすいところはメリットです。 オウンドメディアの目的を決めるときには、メリットを意識するとよいでしょう。
目的の具体例をいくつかご紹介しますので、参考にしてみてください。
- 自社のブランディングにつなげる
- 多くの優秀な人材を採用する
- 新たなリード(見込み客)を獲得する
- 自社商品を買ってくれる人を増やす
➁コンセプトやターゲットを決める
続いて、オウンドメディアのコンセプトやターゲットを決定しましょう。コンセプトやターゲットを決めずに制作を行うと、訴求する内容がぶれてしまったり、本当に届けたいユーザーへ届かなくなってしまったりすることがあります。
- 他社よりも優れている強みの洗い出し
- 1を求めているユーザー像の設定
- コンセプトを決める
上記の流れでコンセプトを決めると、ターゲットの不満(自社にとっての課題)が見えてきます。不満を逆手に取ったコンセプトにすることで、すでに存在しているサイトにはない独自性のあるサイトができるでしょう。
独自性のあるサイトのコンセプトとして、以下のような事例があげられます。
任天堂の商品は、家族で楽しめることや省エネ機能、健康になるゲームなど複数の要素で構成されています。その商品コンセプトは「お母さんに嫌われないゲーム」です。
このように、競合サイトと差別化したコンセプトやターゲットを決めることがポイントです。
➂運用を自社で行うか外注するか決める
オウンドメディアには、成果が出るまでに時間がかかるという特徴があります。そのため、長期的に更新・分析・改善を行わなくてはいけません。更新が滞ることのないよう、自社で運用するのか外注するのかを事前に決めておくことが大切です。
どちらにするか決めかねている方は、以下の表を参考にしてみてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自社で運用する | ・委託費用を払う必要がないため、コストを抑えられる | ・専門知識のある(学んでくれる)社員がいないと、実現が難しい ・人員が少ないと実現しにくい ・社員の作業コストが増える |
外注する | ・専門知識のある人が担当してくれる ・自社のリソースを割かなくていい ・短期間で多くの記事が作れる |
・自社で運用するときに比べてコストが高くなりやすい ・外注先によって費用の差が大きい ・委託先を変更した場合、サイトの方向性も変わってしまう(ファン離れにつながる) |
オウンドメディアの運用を外注する場合でも、すべての工程を外注する必要はありません。運用は自社で行い、サイトの作成のみを外注することも可能です。 自社のリソースに余裕があれば、専門知識が必要な部分だけを外部に頼り、通常の運用のみ自社で行うことでコストを抑えられます。
このように実際の運用を自社で担っていればコンセプトが大きくずれる心配がなくなり、ファンも離れにくくなるでしょう。
④サイトを制作する
次に、メディアの箱となるサイト制作について解説します。サイト制作には、業者に委託する・自社で開発する・WordPressなどのツールを使用する、という3つの選択肢があります。 自社で開発する場合やツールを使用する場合は、プログラミングやSEO対策(検索結果における上位を目指すための施策)などに関する専門知識が必要です。
以下の表に、それぞれのメリットとデメリットをまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
業者に委託する | 専門知識のある人に制作してもらえる | 外注費用がかかる |
自社で開発する | 費用を抑えられる | 専門知識をもつ社員を確保する必要がある |
ツールを使用する | 専門知識がなくても運用を行いやすい | 専門知識が必要になるので、多少の勉強が必要 |
それぞれの具体的な制作フローについては、『WordPressでのオウンドメディアのサイト制作方法』で詳しく解説します。
⑤記事の対策キーワードを選定する
続いては、キーワードを選定について解説します。キーワード選定とは、ユーザーが検索すると予想されるキーワードを選ぶ作業のことです。キーワードが選定できたら、キーワードに合った記事を作っていきます。
多くの人から読まれる記事を作成するためには、需要の高いキーワードを選定することが重要です。「Googleキーワードプランナー」のようなキーワード調査をサポートするツールを使用することで、多くのターゲットが検索しているキーワードを確認できるので、狙うべきワードを絞れます。
キーワードが決定できても、ターゲットの興味を引くテーマで記事を作成しなければ、記事を読んでもらうことはできません。作成する記事のテーマを決めるときには、「自社に興味をもつターゲットがどのような情報が欲しいのか」を意識するとよいでしょう。
例えば、食に関する会社であれば自社製品を使用したレシピを載せるなど、自社の特色や選定したキーワードに絡めつつユーザーの興味を引く内容を目指しましょう。
⑥ライティングを行う
キーワードが選定できたら、キーワードをもとに記事構成を作成し、ライティングを実施します。 本文をライティングする前に、まずは記事構成として目次のように見出しを作成していきます。
いきなり本文から書き始めると記事の方向性が定まらず、まとまりのない内容になってしまったり、必要な情報を網羅できなかったりするかもしれません。 キーワードの検索意図に合っていて、読者の興味を引く見出し構成を考えましょう。
見出しの構成は、大見出しの中に小見出しを入れる以下のような構造で作っていくとわかりやすいです。
【大見出し】:〇〇のメリット
【小見出し】:メリット1:〇〇
【小見出し】:メリット2:〇〇
構成ができたら、構成をもとに本文を執筆します。本文中にできる限り多くの対策キーワードを用することで、検索順位を上げやすくなります。
文章が読みにくくならない程度に対策キーワードを盛り込みましょう。
⑦データ分析をして改善を行う
記事を作成したあとは、「きちんと効果が出ているのか」「どの記事がとくに人気を集めているのか」といったことを分析する必要があります。データ分析を徹底的に実施することで今後の方向性が明確になり、効果を実感しやすくなります。
分析ツールでは、サイトの滞在時間や直帰率などがチェックすることが可能です。ただし、ツールによってチェックできる内容が異なるので、自社サイトに合ったものを探してみましょう。
WordPressでのオウンドメディアのサイト制作方法
WordPressとは、ブログやサイトの作成が可能なシステムです。Webに関する知識や技術があまりない人であっても、記事の追加や更新が行いやすいという特徴があります。WordPress本体は無料で提供されているため、導入時のコストを抑えることも可能です。
WordPressを使用する場合の制作手順は、以下の通りです。
➀サーバーを決める
まずは契約するレンタルサーバーを決めましょう。レンタルサーバーとは、サーバーを貸し出してもらえるサービスのことです。
サーバーを借りることで、オウンドメディアをその中に立ち上げられるようになります。レンタルサーバーは、費用や安全性などを比較しつつ信頼できるものを選択しましょう。
➁ドメインを取得する
ドメインとは、インターネットにおける住所のことです。オウンドメディアのドメインは、自社サイトのサブドメインにすることをおすすめします。
「〇〇.com」を本体としたときに、「××.〇〇.com」といった形でドメインの先頭に別の文字を入れ、ドメインを区分けするのがサブドメインです。自社サイトのサブドメインにすることで、オウンドメディアから自社サイトに誘導しやすくなり、問い合わせにもつなげやすいです。
➂WordPressをインストールする
WordPressを、サーバーの中にあるデータベースにインストールしましょう。レンタルサーバーを用意していれば、WordPressのインストールは容易に実施可能です。多くのレンタルサーバーにはWordPressをインストールするための機能が用意されているため、それに従ってインストールを実施します。
④WordPressのデザインを決める
WordPressには、見た目や機能を変更する「テーマ」が存在します。サイトのイメージに合ったテーマをインストールし、デザインを決定しましょう。そのあとは、サイトのタイトル決めやロゴの設定、カテゴリ設定などの初期設定を実施します。
まとめ
オウンドメディアは、コンテンツマーケティングにおいて高い効果が期待される手法です。まずは、目的やターゲットなどを明確に決めてから制作に取り掛かりしましょう。
定期的な運用が必要となるため、運用を自社で行うか外注するかについても事前に決めておく必要があります。WordPressのようなツールを使用することで、深い専門知識がなくても自社制作が可能となります。