SEO対策をするうえで見逃せないのが、Googleコアアップデートです。Googleコアアップデートは年に数回実施され、適切な対策をしないと検索順位が下落する原因となりかねません。
そこで今回は、Googleコアアップデートの基本情報や影響、とるべき対策などについてご紹介します。Googleコアアップデートについて理解を深めたい方や、コアアップデートへの適切な対策方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Googleコアアップデートとは
Googleコアアップデートとは「Googleコアアルゴリズムアップデート」の略称で、Googleが検索アルゴリズムの大きな見直しを行うことです。検索アルゴリズムは、毎日小さな改良を実施しており、年に数回ほど大きな更新が実施されます。
コアアップデートが始まってから完了するまでの期間は、およそ2週間(14日)程度です。数日や数週間で終わるケースもあれば、完了まで数ヶ月かかるケースもあります。コアアップデートの種類によって異なりますが、更新が完了すれば、次第に順位の変化は落ち着いていきます。
コアアップデートはSEOに大きな影響を与える
コアアップデートは、SEOに大きな影響を与えるといわれています。コアアップデートが実施されると、検索順位を左右するルールが更新されるため、検索順位が大きく揺れ動く可能性があるのです。
コアアップデート向けの対策を講じていないと、自社サイトのWebページの検索順位が下落してしまう可能性があります。このような事態を回避するためには、順位変化の傾向を把握し、適切なSEO対策を行うことが大切です。
コアアップデートは公式Twitterで事前告知される
コアアップデートは、Googleの公式Twitterであらかじめ告知されます。この予告制は、2019年6月4日のコアアップデートから採用されるようになりました。
【最新】Googleコアアップデートの影響(2023年11月3日ロールアウト)
2023年11月3日に、コアアップデートが実施されました。このコアアップデートは、26日後の11月29日に完了しています。
YMYLの順位変動が大きい
2023年11月3日のコアアップデートでは、とくにYMYL(Your Money or Your Life)のジャンルのサイトが影響を受けました。YMYLは、健康や財務など、私たちの人生や生活に大きな影響を及ぼす領域のことです。
寄生サイトの順位が下落傾向
2023年11月3日のコアアップデートでは、寄生サイトの順位下落が顕著に見られました。寄生サイトとは、大手Webサイトの上位ページやサブドメインを利用して、そこに独自コンテンツを掲載することで、検索エンジンからの評価を利用しようとするやり方です。
寄生サイトの手法は「ユーザーが求める情報を的確に提供する」というGoogleの大原則を歪める可能性があるため、検索エンジンの規約違反となりえます。今回、この寄生サイトにようやくメスが入ったことに、注目が集まっています。
【2023年】Googleコアアップデートの情報
2023年には、11月のほかにも10月、8月、3月にコアアップデートが実施されました。ここからは、それぞれのコアアップデートについてご紹介します。
2023年10月6日ロールアウト
2023年10月6日から10月20日にかけて、コアアップデートが実施されました。このコアアップデートでは、とくに、財務・金融・法律のYMYL領域で大きな順位変化が目立っています。また、就職・転職、食品・グルメ、旅行・観光などのKWでも、順位変化が見られました。
2023年8月23日ロールアウト
2023年8月23日から9月8日にかけて、コアアップデートが実施されました。このコアアップデートでは、金融・医療・美容といったYMYL系のKWや、ブランド系のKWにおいて大きな変化が見られています。
2023年3月15日ロールアウト
2023年3月15日から3月28日にかけて、コアアップデートが実施されました。このコアアップデートでは、医療・美容・金融・法律など、YMYL領域を中心に大きな順位変化が見られています。また、企業間取引(BtoB)、暮らし・結婚・恋愛などのKWも大きな順位変化がありました。
Googleコアアップデートへの対策
Googleコアアップデートは年数回実施され、その軸にあるのはユーザーファーストの考えです。そのため、コアアップデートの対策をする際も、大前提としてユーザーファーストを念頭におきましょう。
ここからは、Googleコアアップデートへの対策についてご紹介します。
E-E-A-Tを高める
コアアップデートの対策をするためには、まずE-E-A-Tを向上させるのがポイントです。E-E-A-Tとは、Googleがサイトを評価する指標のことで、以下の頭文字をとったものです。
【E-E-A-Tの意味】
経験(Experience) | コンテンツに関与する人物の経験値 |
---|---|
専門性(Expertise) | Webサイトや制作者の専門性や知識・技術 |
権威性(Authoritativeness) | Webサイトや制作者・運営者の知名度 |
信頼性(Trust) | ページの正確性や誠実性・安全性・信頼性 |
E-E-A-Tは、検索品質評価ガイドラインの一部として用いられており、重要性が高い基準です。E-E-A-Tの高いコンテンツを作ることで、Webサイトの品質を上げられます。反対にE-E-A-Tが低ければ、Googleから評価されにくくなるでしょう。
質の高いコンテンツを制作する
Googleは、ユーザーファーストで高品質なコンテンツを高く評価します。そのため、コアアップデート対策をする際は、質の高いコンテンツを制作することが大切です。コンテンツの質を高めるためには、内容がユーザーにとって有益で、信頼性のあるものでなければなりません。
また質の高いコンテンツの特徴として、独自性も挙げられます。自社ならではの情報を盛り込んだり、経験談を織り交ぜていたりするコンテンツは、オリジナリティが高いと評価されます。
UX・UIを最適化する
コアアップデート対策の際は、UX・UIを最適化するのも大切です。UI(User Interface)とは、ユーザーとサービスをつなぐものを指します。スマホ画面やパソコンのキーボード、マウス、タッチ画面など、ユーザーの目に触れるものはすべてUIに含まれます。
UX(User Experience)とは、ユーザーがサービスや商品を通じて得られる体験のことです。UXを高めるためには、操作しやすくわかりやすいUIを作る必要があります。
たとえばUXを高めるために、モバイルでの使いやすさを考慮するのは効果的です。スマホでサイトを見たときに、テキストや画像が画面からはみ出さずに収まっていれば、モバイルユーザーのUXが高まるので、Googleから評価されやすくなります。
Googleコアアップデートの履歴
Googleは2000年に検索サービスを開始して以来、数多くのコアアップデートを繰り返してきました。Googleアップデートの履歴は、以下のとおりです。
【Googleコアアップデートの履歴】
時期 | アップデート名 |
---|---|
2003年2月 | ボストンアップデート |
2003年4月 | カサンドラアップデート |
2003年5月 | ドミニクアップデート |
2003年6月 | エスメラルダアップデート |
2003年7月 | フリッツアップデート |
2003年11月 | フロリダアップデート |
2004年1月 | オースティンアップデート |
2004年2月 | ブランデーアップデート |
2005年1月 | ノーフォローアップデート |
2005年6月 | パーソナライズド検索開始 |
2005年10月 | グーグルローカル導入 |
2005年12月 | ビッグダディアップデート |
2007年5月 | ユニバーサル検索導入 |
2009年2月 | カノニカルタグアップデート |
2009年12月 | パーソナライズドサーチアップデート |
2010年6月 | カフェインアップデート |
2011年2月 | パンダアップデート |
2011年11月 | フレッシュネスアップデート |
2012年4月 | ペンギンアップデート |
2012年8月 | パイレーツアップデート |
2012年9月 | イグザクトマッチドメインアップデート |
2013年6月 | ペイデイローンアップデート |
2013年9月 | ハミングバードアップデート |
2014年12月 | ベニスアップデート |
2015年3月 | ドアウェイアップデート |
2015年4月 | モバイルフレンドリーアップデート |
2017年2月 | 日本語検索アップデート |
2017年3月 | フレッドアップデート |
2017年4月 | アウルアップデート |
2017年12月 | 医療健康アップデート |
2018年7月 | スピードアップデート |
2019年10月 | BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)アップデート |
2021年6月 | ページエクスペリエンスアップデート |
2021年6月 | スパムアップデート |
2021年6月、7月、11月 | コアアルゴリズムアップデート |
2022年5月、9月 | コアアルゴリズムアップデート |
2023年3月、8月、10月、11月 | コアアルゴリズムアップデート |
とくに注目度の高かったコアアップデートとしては、2011年のパンダアップデートや2012年のペンギンアップデート、また2017年の医療健康アップデートなどが挙げられます。
Googleがこのようなアップデートを繰り返すのは、ユーザーの利便性を高めるためです。視認性の悪いサイトや悪質なサイトを検索上位に表示してしまうと、真に価値のある情報をユーザーに提供できなくなってしまいます。
そうなるとGoogleの信頼度が下がり、利用者数の下落につながりかねません。このような事態を避けるため、ユーザーに役に立つサイトを検索上位に表示できるよう、アルゴリズムの定期的なアップデートを重ねているのです。
【2024年3月】Core Web Vitalsの「FID」が「INP」へ
Googleは2023年5月、「Core Web Vitals」と呼ばれる指標のうち、「FID(First Input Delay)」を2024年3月に新しい指標である「INP(Interaction to Next Paint)」に変更することを発表しました。
Core Web Vitalsは、UXを高めるための評価指標である「Web Vitals」のなかでも、とくに重要な以下の3つを指します。
- LCP(コンテンツの表示までの時間)
- FID(操作の起動時間)
- CLS(ページレイアウト)
上記のうち、Webページの応答性に関わっているFIDが、今回のコアアップデートでINP(Interaction to Next Paint)と呼ばれる別の指標に置き換えられます。FIDは、ユーザーが最初に行った操作が実施されるまでの遅延時間を、計測・評価したものです。
それに対してINPは、操作実施の遅延時間に加えて、その後のコード処理にかかる時間と、実際にブラウザに表示されるまでの時間も含めて計測して評価したものです。FID指標をINPに置き換えることは、GoogleがWebサイト上でのスムーズな操作性を重視していることを意味します。
つまり、Webサイトには、より速い反応速度が求められています。今回のコアアップデートの影響で、サイトによっては順位に変化が生じる可能性もあるので、このタイミングでWebサイトの見直しを行うのがおすすめです。
まとめ
今回は、Googleコアアップデートの概要や影響、とるべき対策などについてご紹介しました。年に数回実施されるコアアップデートは、検索順位の変化によってSEOに大きな影響を与えます。定期的なコアアップデートに対応できるよう、適切な対策を行って、より質の高いWebサイトを目指しましょう。