ホームページやブログなどをはじめとするWebコンテンツでは、どのような「タイトル」を付けるかによって、アクセス数などが大きく変わります。
今回は、Webコンテンツにおけるタイトルの重要性やSEOに強いタイトルの付け方について解説します。既存ページのタイトルを変えるタイミングなど、実践に役立つ知識もお伝えしますので、この記事を参考に効率的にクリック数を増やしてみてください。
目次
タイトル(titleタグ)とは
「タイトル」とは、ユーザーがキーワードを用いて知りたい情報を検索したときに、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンの検索結果欄に表示されるタイトルのことです。
ユーザーは各タイトルから、自分のニーズに合っていると予想されるサイトを選んでクリックします。この検索結果欄にタイトルを表示させるために記載するのが、「titleタグ」です。
ネットサイトはHTMLというコンピュータ言語を使って作られています。そのため、ページのタイトルを指定するときには、以下のような“titleタグ”と呼ばれるタグでタイトルを挟まなくてはいけません。
タイトルタグ内(上記でいう〇〇〇)に置かれるタイトルは、ネットサイトへの訪問者や検索ユーザーにページのトピックや内容を伝えるという大切な役目を担っています。
SEOにおけるタイトルの重要性
SEOの観点から、Webページのタイトルが大きく影響を与えるのは、具体的に次の3つです。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
➀ページの検索順位に影響を与える
ページのタイトルには「検索エンジンにページの内容を伝える」という役割があります。SEO対策が施されたタイトルを付けたページは、検索エンジン側がページのコンテンツを適切に把握しやすくなるため、検索順位が上位に表示される可能性が高くなります。
逆にSEO対策が行われていないタイトルの場合は、検索エンジン側がページのコンテンツを上手くつかめないため、ページの内容がすばらしいものであっても検索順位が上がりにくいです。必要なキーワードをタイトルに明記して検索意図が分かるようにするなど、SEOを意識したタイトルを付けることは、ページの検索順位に大きな影響を与えます。
②クリック率に影響を与える
検索エンジンで上位に表示されるページは、クリック率が高くなります。
実際にご自身が検索エンジンを利用して検索したときのことを思い出してみてください。上位に表示されたページから順番にクリックして、知りたい内容が記載されているかチェックしていくのではないでしょうか?
表示されたページを確認してみると、「自分が求める内容が書かれているページが、検索結果の一番上に表示されたページではなかった」というケースは少なくありません。そのため、検索結果が1位ではなく2位や3位であっても、魅力的なタイトルであれば、クリック率を上げられる可能性があります。
たとえば、時間や手間を節約したい検索ユーザーの場合、タイトルに「簡単」「時間節約」「気軽に」といったワードが含まれていると、クリックしたい気持ちになるものです。
➂獲得キーワード数に影響を与える
検索エンジンで上位表示を狙うためには、獲得キーワード数を上げることが重要です。
SEO対策でサイトの製作者が意識すべきキーワードには、「ビッグキーワード(多く検索されるキーワード)」や「テールキーワード(検索結果を絞り込む際に使うキーワード)」といったものがあります。これらを意識してSEO対策をしたタイトルに変更することで、キーワードの獲得数が格段に上昇する可能性が高いです。
キーワードの獲得数の上昇は、クリック数の増加につながります。検索ユーザーが検索時に使用したキーワードの獲得数を確認したい方は、Google検索結果の掲載順位などを監視したり改善させたりできる無料サービス、「Google Search Console」を導入してみましょう。
【基本編】SEOに強いタイトルの付け方
SEO対策に対応させたタイトルの付け方について、基本的なポイントをご紹介していきます。まずは基本的な4つのポイントをしっかりと忠実に反映させましょう。
対策キーワードを入れる
ページタイトルには、検索結果で上位を狙いたいビッグワードに加え、ユーザーが結果を絞り込む際に使用すると予想されるテールワードを必ず入れる必要があります。SEOの対策キーワードが入っていないと、検索結果で上位に表示される可能性が低くなります。
ページタイトルに対策キーワードを入れるときには、単語を並べるだけではなく、読みやすい文章にすること大切です。SEOの対策キーワードがタイトルにしっかり入っていて上位に表示されたとしても、キーワードが羅列されているだけでは内容が分かりにくいため、クリック率は上がりません。
ページの内容を端的に表したタイトルを付ける
検索結果としてユーザーの目に最初に触れるのが、ページのタイトルです。したがって、ユーザーにクリックしてもらうためには、ひと目でページの内容が把握できるシンプルなタイトルにしておくことがポイントになります。
タイトルが独り歩きしないように、タイトルはコンテンツと合致したものを付けるのが原則です。検索エンジンは、ユーザーが入力した検索ワードからニーズを推測し、ユーザーのニーズを叶えると予想されるページを優先的に表示します。そのため、タイトルを盛り過ぎてコンテンツの内容と合っていない場合には、上位表示は望めなくなってしまいます。
同じキーワードを複数入れない
1ページ分のタイトルに同じキーワードを何度も繰り返して入れても、検索順位の上昇にはつながりにくいです。また、スパムページとして認識されてしまう可能性があるので、できるだけ同じキーワードを繰り返さないようにしましょう。
ただし、文章全体が不自然になるため、1タイトル内でキーワードを何回か繰り返さなければならないケースもあります。たとえば、以下のような場合です。
- 修正前:【猫あるある】猫に多い5つの病気と対策をご紹介
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上記のケースでは「猫」というワードを省略するために修正したところ、文章が少し不自然になってしまいました。このような場合には、同じキーワードの繰り返しは「2回まで」にとどめ、自然な文章になるように再修正しましょう。
サイト内の複数のページに同じタイトルを付けない
サイト内にはトップページとなる「index.html」、コンテンツページである「contents.html」、リンク先を紹介する「link.html」など複数のページが存在します。これらのページで同じタイトルを付けてしまうと、ページ同士が競合してしまうことになるので注意してください。
タイトルが重複していると検索順位が上がりにくくなってしまいますので、同じタイトルが付いていることに気づいたときは、どちらか一方のタイトルを変更しましょう。
【応用編】クリック率を高めるタイトルの付け方
『【基本編】SEOに強いタイトルの付け方』を把握したら、次は応用編です。クリック率を高めるためのタイトルの付け方として、以下の7つのポイントをおさえておきましょう。
対策キーワードをなるべく前(左側)に入れる
検索エンジンはタイトルの前方(左側)に入っているキーワードから順に評価していきます。ユーザーも検索結果を目視で確認する際には、視線を左から右へ動かします。そのため、SEO対策として重要度が高いキーワードは可能な限りタイトルの前方に入れるようにしてください。
タイトルが長い場合、検索結果に表示される際にタイトルの後半部分が省略されてしまうことからも、重要なキーワードはタイトルの前方に入れるべきだといえます。
サジェストキーワードを入れる
SEO対策でサイトの製作者が意識すべきキーワードには、前述したビッグキーワードやテールキーワードの他に「サジェストキーワード」というものがあります。
これは、検索窓に検索したい主要なキーワードを入力したときに、自動的に示される候補キーワードのことです。この候補キーワードは、多くのユーザーが実際に検索時に入力しているキーワード、ということになります。
オートコンプリート機能と呼ばれることもあり、Google Chromeなどの検索窓でユーザーが入力すると、予想される候補キーワードを提案してくれる機能です。サジェストワードを確認するには、検索エンジンの検索窓にビッグキーワードを入れるだけでチェックできます。
タイトルにサジェストキーワードを盛り込むことで、ユーザーがキーワードを絞り込んで検索したときに表示されやすくなります。
文字数は30字以内がおすすめ
タイトルは省略されないほうが、ユーザーが内容を把握しやすくなります。タイトルの文字数は30字以内が推奨されています。なぜなら、パソコンやスマホで検索をした際に、省略されずに表示される最大文字数が以下のようになっているからです。
検索結果が省略されない可能性が高い最大文字数(Google) | |
---|---|
パソコン | 28~30文字 |
スマホ | 33~36文字 |
上記の最大文字数はデバイスの種類や入力システムによって多少変動するため、おおよその目安と考えてください。
短過ぎるタイトルの場合、タイトルが省略されることはありませんが、検索結果にサイト名が追加されるなど、いわゆる「タイトルの書き替え」が発生することもあるので注意しましょう。
数字・地域など具体的な情報を入れる
コンテンツに数字や具体的な地名が含まれている場合には、タイトルにもその情報を含めましょう。
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検索結果でタイトルに数字や具体的な地名が表示されると、ユーザーがコンテンツをイメージしやすくなるので、クリック率の上昇につながります。
カッコや記号を活用する
検索結果にさまざまなタイトルが並んでいる中でひと際目立つためには、【】(カッコ)や!(記号)などを利用してみましょう。
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ただし、【】や!などを利用することで、文字数が増えることもあるので、注意してください。
検索クエリからタイトルを考える
検索クエリとは、ユーザーによって実際に検索窓に入力された語句(単語・フレーズ)のことを指します。
前述したサジェストキーワードは、検索クエリの中でも検索数が多く、需要の高い現実的なキーワードです。これに対して検索クエリは、内容的には同じですが、Google検索の検索結果を分析するサーチコンソール側で使われている呼び名です。
検索クエリは、ユーザーの検索意図の違いにより、次の3種類に分けられます。
種類 | 検索例 |
---|---|
トランザクショナルクエリ (Doクエリ、取引・行動型) |
「〇〇の方法」「〇〇の手順」「〇〇 ダウンロード」「〇〇 通販」 |
ナビゲーショナルクエリ (Goクエリ、案内型) |
「中野区(具体的な地域名)」「Amazon(具体的なサイト名)」 |
インフォメーショナルクエリ (Knowクエリ、情報収集型) |
「△△とは」「△△について」 |
検索クエリのタイプを判断するためには勉強と経験が必要ですが、上位に表示されているページのタイトルの傾向を分析から始めてみるとよいでしょう。
競合よりキャッチーなタイトルになっているか確認する
競合サイトよりもキャッチーなタイトルにする方法の1つに、「ポジティブワードを入れる」というアイディアがあります。主要なビッグキーワードを飾る前向きな単語を付け加えることで、ユーザーがクリックしたくなるタイトルになります。
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「15分で完成!」「やわらかい」などの単語が、ポジティブワードです。修正後のほうがクリックしたくなるタイトルになっていますね。
既存ページのタイトルを変更すべきタイミングは?
すでに公開しているページのタイトルを変更したほうがよいケースを3つご紹介します。既存ページが以下の項目に当てはまっている場合は、タイトルを変更してみてください。
タイトルが内容と合っていない場合
タイトルとコンテンツの内容が一致していない場合、クリック率を上昇させたり維持したりすることは難しいです。気が付いたら、できるだけ早めに内容に合ったタイトルへ変更しましょう。
上位表示されているにも関わらずクリック率が低い場合
検索結果で上位に位置していても、クリック数がそれほど増えないこともあります。このようなときには、既存ページのタイトルを見直すタイミングです。コンテンツの内容と一致しているだけではなく、キャッチーな単語を追加したタイトルに修正してみましょう。
ページ自体をリライトした場合
既存ページをリライトした際には、リライト後の内容に合わせてページタイトルも変更しましょう。ページ数の多いサイトの場合、すべてのページのタイトルを変更していくのは大変な作業です。リライトをするときにタイトルも一緒にチェックしておけば、徐々にクリック率を上げていけるでしょう。
SEOに強いタイトルを付ける際の2つの注意点
ページタイトルでSEO対策を行う際には、次の2点に注意しましょう。
タイトルは自動的に変更されることがある
短過ぎるタイトルの場合、検索結果にサイト名やh1タグ(そのページの最上位の見出し)の内容が追加されてしまい、タイトルが自動的に変更されてしまうことがあります(タイトルの書き替え)。これは、Googleなど検索エンジンがコンテンツを適切に表すタイトルとする機能を持っているからです。
タイトル変更で順位・クリック率が下がるリスクもある
相手は精密な機械ですので、タイトルのちょっとした変更にも敏感に反応します。そのため、よい方向に行くだけでなく、悪い方向に行ってしまう可能性もゼロではありません。タイトル変更で順位やクリック率が下がってしまった場合には、タイトルを再変更するとよいでしょう。
まとめ
ページタイトルは、検索結果に表示される重要なものです。今回の記事でご紹介したようなポイントをしっかり0さえて、ページの内容をシンプルに理解できるような、SEO対策に強いタイトルを付けましょう。
そして、検索順位やクリック率を小まめにチェックしながら、改善していくことも大切です。重要とされるタイトル付けでしっかりSEO対策をして、クリック率を上げてみてくださいね。