サイト運営に携わる方は、競合サイトを参考にコンテンツを作成したり、外注ライターに執筆を依頼したりする機会が多いでしょう。しかし、せっかくコンテンツを作成してもGoogleからコピーコンテンツ(パクリ記事)と判断されてしまうと、ペナルティを受けることになるので、注意しなくてはいけません。
そこで今回は、コピーコンテンツがどのようなものなのか、コピペ判定されないための対策について解説します。
目次
コピーコンテンツ(パクリ記事)とは?
コピーコンテンツ(パクリ記事)とは、既に存在するコンテンツと内容が同じ、もしくは似通っているコンテンツのことを指します。他社サイトだけでなく、自社サイトの中に重複・類似コンテンツがある場合にも、コピーコンテンツと判断されてしまうので注意が必要です。
なお、Googleの検索エンジンにはコピーコンテンツを発見するだけでなく、検索結果から削除するシステムも組み込まれています。そのため、SEOを成功させるためには、Googleからコピペ判定されないコンテンツを作る必要があります。
コピーコンテンツの種類
一般的に、コピーコンテンツと呼ばれるものとして次の3種類が挙げられます。
以下では、それぞれの具体例や対処法について解説していきます。
不注意により自社サイト内・自社管理サイト同士で重複してしまう
自社が運営するサイトの中でコンテンツが重複してしまうと、コピーコンテンツとみなされることがあります。Googleの検索エンジンは、既存コンテンツの情報を収集してコピペ判定を行うため、自社サイトの中であってもパクリ記事と判断されてしまう場合があるので注意しなくてはいけません。
よくあるケースとして、ドメインの「www」の有無によるコンテンツの重複や、別々のURLで同一コンテンツの公開などが挙げられます。これらの問題については、canonicalタグの設定や記事のリライトを行うことで対処できます。
不注意により他社サイトと重複してしまう
上位表示されている記事を参考にしてコンテンツを作成した結果、不注意により他社サイトのコンテンツと重複してしまうことがあります。Googleからコピーコンテンツと判断されてしまうと、ペナルティを受けることになるので注意しましょう。
例えば、ECサイトで他社サイトと同じ商品を掲載し、似通ったコンテンツができてしまうケースはよくあります。しかし、事前にコンテンツが似通ってしまうことを分かっていれば、他のコンテンツにない情報を追加したり、文章の表現を変えたりすることでコピペ判定を回避することが可能です。
故意で他社サイトをコピーする
検索上位を狙うために、競合サイトを参考にコンテンツを作成することは定石です。しかし、他社サイトの内容をコピーして転用すると、悪質なコピーコンテンツと判断され、ペナルティを課せられることがあります。
文章の語尾を変えただけのような類似コンテンツも、Googleからコピペ判定を受けやすいです。最悪の場合、著作権侵害として訴えられる可能性もあるので、既存コンテンツのコピーは行わないようにしましょう。
SEOライティングとパクリの違いとは?
本記事を読んでいる方の中には、「SEOライティングとパクリは同じなのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、SEOライティングとパクリはまったくの別物です。具体的な違いをまとめると、以下の内容になります。
- SEOライティング:ユーザーニーズを分析し、他社よりも有益なコンテンツを作成すること
- パクリ:既存コンテンツをコピーすること(劣化コピーを作成すること)
どちらも上位表示コンテンツを参考にするという点は共通していますが、大きな違いは目的です。
SEOライティングは、他社サイトを参考にしつつ、ユーザーにとってより有益なコンテンツ作成を目的とします。ユーザーニーズを満たすことで検索順位の上昇につながるため、安定した集客やCVR(コンバージョン率)の向上を期待しています。
一方で、パクリは上位表示コンテンツを複製することが目的であり、ユーザーニーズを満たすことは考えていません。既存コンテンツの真似をした劣化コピーは、Googleから良質なコンテンツと判断されにくく、SEOで失敗する要因となりやすいです。
コピーコンテンツがすべてNGというわけではない
一般的に、コピーコンテンツは悪質なものと認知されていますが、すべてのものがNGというわけではありません。その理由は、インターネットの仕組み上、コピーコンテンツが生まれるケースがあるからです。
例えば、洋服を販売するECサイトの場合、色や型番の違いで似たような商品紹介ページができてしまうことはよくあります。この場合、コピーコンテンツが生まれるのは当然であるため、Googleからペナルティを受けることはありません。
コピーコンテンツと判断されたときに負うリスクとは?
Googleからコピーコンテンツ(パクリ記事)と判断されると、次のようなリスクを負うことになります。
それでは、紹介した4つのリスクについて詳しく見ていきましょう。
検索順位が下がる
コピーコンテンツはGoogleからの評価を下げてしまうため、その影響により検索順位が下がります。自社コンテンツがオリジナルの場合にも、他社が内容をコピーしてオリジナルよりも上位表示される可能性があります。
そのため、既存コンテンツと重複・類似しないよう注意するだけでなく、定期的なリライトによる情報の更新も必要です。
検索結果に表示されなくなる
Googleは検索ユーザーに多くの情報を届けるために、似通ったコンテンツを同時に表示させないようにしています。つまり、Googleからコピーコンテンツと判断されると、検索結果に表示されなくなってしまうのです。
検索結果に表示されなくなるとユーザーにコンテンツを見てもらえないため、集客数の増加やCVRの向上を期待できません。
コピー元からクレームが入る
SEOを成功させるためには、上位表示コンテンツをリサーチし、検索ユーザーが求める情報を提供する必要があります。しかし、他社サイトの真似をして記事を作成してしまうと、コピー元からクレームが入る可能性が高いです。
単に内容が似ているだけであれば容認されるかもしれませんが、あまりにも酷似していると指摘されたり、削除を求められたりするでしょう。クレームを受けた場合は、該当するコンテンツを確認し、記事の修正・削除を行うなど迅速に対応するようにしてください。
Googleからペナルティを受ける
悪質なコピーコンテンツと判断されると、Googleからペナルティを受ける場合があります。具体的には、検索順位が急落したり、インデックスから削除されたりするため、サイト運営者にとって大きな痛手になるでしょう。
ペナルティを回避するためには、他社サイトにない情報を掲載するなど独自性のあるコンテンツの作成が必要です。
Googleにコピーコンテンツと判断されてしまう原因・基準
前提として、「〇〇をしたらGoogleにコピーコンテンツと判断される」という明確な基準はありません。しかし、次の4つのことに該当するコンテンツは、Googleからコピペ判定されやすくなります。
ここからは、コピーコンテンツによるリスクを避けるために、具体的な原因・基準について解説します。
丸パクリ(長文のコピー&ペースト)
既存コンテンツの丸パクリ(長文のコピー&ペースト)は、Googleから悪質なコピーコンテンツと判断されやすいです。なぜなら、コンテンツの評価はWeb上のロボットが行っており、盗用しているかどうかがすぐに分かるからです。
したがって丸パクリをしている場合、Googleからペナルティを課せられて、検索結果から削除される可能性があります。また、著作権侵害として訴えられる可能性もあるので、他社とは違う切り口でコンテンツを作成するように気をつけましょう。
大部分の引用
引用ばかりのコンテンツは独自性に欠けることから、コピーコンテンツとみなされやすいです。
Googleの場合、Webページを巡回するプログラム(クローラー)が引用した文章を認識するため、大部分の引用はすぐにバレてしまいます。引用すること自体は問題ありませんが、コピペ判定を回避するためにはオリジナルの文章をメインとしたコンテンツ作成が必須です。
やむを得ず他社サイトの内容を利用する場合は、必ず引用元のURLを表記しましょう。
似たような表現・言い回し
他社サイトを参考に記事を作成していると、文章の表現や言い回しが似通ってしまうことがあります。似たような表現や言い回しが多いコンテンツは、Googleからコピーコンテンツと判断されることがあるので、注意しなくてはいけません。
Googleは検索ユーザーに多くの情報を届けるために、コピーの疑いがある記事を表示させないようにしています。そのため、他のコンテンツと類似する文章表現は避けるようにしましょう。
同じ商品を紹介している
既に掲載されている商品を紹介することで、コピーコンテンツとみなされるケースもあります。商品情報は共通なので、単に料金や特徴を紹介するだけでは、Googleからコピペ判定されてしまいます。
そのため、ユーザーの口コミや商品に関するよくある質問など、他のコンテンツにない要素を取り入れることが大切です。
コピーコンテンツを作らないための対策
コピーコンテンツ(パクリ記事)にはさまざまなリスクがあるため、サイト運営に携わるのであれば対策を把握しておく必要があります。以下の4つの対策を行えば、コピーコンテンツになる可能性を最小限に抑えることが可能です。
上記の対策は、SEOを成功させるためのポイントにもなるので、詳しく解説していきます。
コピペチェックツールを使う
コピペチェックツールを使えば、既存コンテンツとの類似度を確認することができます。
例えば、無料で使える「CopyContentDetector」では、コンテンツの類似度や一致率を「良好」「要注意」「コピーの疑い」と表示してくれるので分かりやすいです。使用回数の制限がなく、1度に4,000文字(有料版は8,000文字)までチェックできます 。
コピペチェックツールを使うことで、記事の重複・類似を回避できるので、利用するメリットは非常に大きいです。
ユーザーニーズに応えるコンテンツ作成を徹底する
SEO対策として競合サイトを参考にするのは定石ですが、ただ真似をするだけではコピーコンテンツとなってしまいます。そのため、ユーザーニーズを分析し、読者にとって有益なコンテンツを作成することが大切です。
なお、検索ニーズに合ったコンテンツほどGoogleから評価されやすく、検索順位が上がることで購入率の向上が期待できます。SEOを成功させるためには、ユーザーニーズを意識したコンテンツ作成が必須です。
上位表示コンテンツにない要素をプラスする
上位表示コンテンツにない要素をプラスして差別化を図れば、Googleからコピーコンテンツと疑われにくくなります。例えば、ご自身の体験談はコピーコンテンツになりようがなく、ユーザーにとって有益な情報になるのでおすすめです。
また、SNSを調査して口コミを掲載したり、読者が気になるであろうQ&Aを記載したりするのもよいでしょう。このように、コンテンツに付加価値を加えれば、Googleからの評価が高まり、検索上位を獲得しやすくなります。
リスクの高い記事を削除するか、評価対象から外す
Googleからコピペ判定されそうなリスクが高い記事は、思い切って削除するのもおすすめです。重要なコンテンツで削除できない場合は、「noindexタグ」を設定することで検索結果に表示されなくなり、コピーコンテンツによるリスクを回避できます。
また、自社サイトの中に似ている記事がある場合は、重複したURLを統一できる「canonicalタグ」の設定が有効です。タグの設定は、コピーコンテンツのリスクヘッジとして大いに役立つので、この機会にチェックしてみてください。
コピーコンテンツの被害に遭った場合は?
ここまでコピーコンテンツを作ってしまうケースについて解説してきましたが、自社コンテンツが他社にコピーされることも珍しくはありません。あまりにも悪質な盗用である場合は、「DMCA(デジタルミレニアム著作権法)」を申請し、Googleに対処してもらいましょう。
この申請により「悪質な行為をしている」とみなされた他社サイトは、Googleの検索結果から削除されます。ただし、DMCAの申請は法的に訴える手段であり、憶測だけで利用すると虚偽申請と判断されるリスクもあるので注意が必要です。
申請のハードルが高く感じる場合は、サイト運営者に記事の修正・削除を依頼するなど他の方法を検討してみましょう。
まとめ
今回は、コピーコンテンツ(パクリ記事)の内容や対策について解説しました。コピーコンテンツには、検索順位の下落やコピー元からクレームが入るなどのリスクがあるため、できるだけ作成しないようにする工夫が必要です。
また、自社サイトの中に似通ったコンテンツが存在すると、コピペ判定される場合があるので注意しなければなりません。安心かつ健全なサイト運営を行うために、本記事が少しでも参考になれば幸いです。