コンバージョン率最適化(CRO)とは?取り組む上での注意点なども紹介

コンバージョン率最適化(CRO)とは?取り組む上での注意点なども紹介

WEBマーケティングの担当の皆さまの中には、とにかく「コンバージョン率」が大切だと考えている方もいらっしゃるでしょう。

販促効果の実感を伴いづらいWEBマーケティングにおいて、非常に分かりやすく効果が明文化されるコンバージョン率は、誰しもが頭を悩ませる数字だと思います。

当コラムでは、そんなコンバージョン率を最適化するCRO(Conversion Rate Optimization)という考え方について解説します。概要を理解し、自分達が運営しているサイトに足りないものに気付くヒントになれば幸いです。

コンバージョン率最適化は、小手先ではなくサイト全体の方向性に関わる考え方

冒頭でも説明しましたが、CROとは「コンバージョン率最適化」の略です。同じ3アルファベットのSEOなどに比べると知名度は低いですが、WEBマーケティングを行う上で大切な考え方の一つです。

多くの企業で使われる「KPI」に当てはめると、コンバージョン率の上昇に焦点を当てていることとほぼ同義でしょう。

なぜコンバージョンへの導線だけでなく、「コンバージョン率」も気にする必要があるかと言うと、「PPC広告を始めとする優良広告の競争率が高まっているから」の一言に尽きます。

少し前までは「少しでも多くコンバージョンできていれば正義」だった考え方が、「できるだけコストをかけずに少しでも多くコンバージョンすることが正義」に変化しているのです。

CROは、例えばPPC広告のキーワードを変える、LPの文面を変えるなどの小手先の修正では根本的な改善には至りません。

現状が深刻であればあるほど、コンバージョンを達成するまでの導線、ひいてはサイト全体の構造や方向性を見直す必要が出てくるような、トータルを考慮した取り組みが必要になります。

基本的なコンバージョン率は「コンバージョン数/トラフィック総数」で算出可能

ベースとしての式に、「コンバージョン率=コンバージョン数/トラフィック総数」というのが存在します。

非常にシンプルな考え方で、簡単に言えば1トラフィックあたりのユーザーの満足度を高めることでコンバージョン率を上げられるというわけです。

しかし、サイトの構造が複雑・複合的だったり、LP以外のページの影響力も大きかったりする場合は、この式が必ずしも正しい結果に導くわけではありません。そのことを認識した上で指標として活用するようにしましょう。

1トラフィックあたりのユーザーの満足度は、直帰率や離脱率、サイト滞在時間、平均ページビュー数などでざっくりと把握することができます。

サイト構造を見直し、コンバージョンへの快適な導線を引くことが大切なのです。また、離脱率が高いページは、コンバージョンへのネックになっている可能性が高いでしょう。

このように、後述する「コンバージョンへの導線上の弱点を見つける」ことで、コンバージョン率上昇に繋がります。

CROを行う上で大切にしたいこと

サイトの構造や全体像を把握することが第一

1トラフィックあたりのユーザーの満足度を高めるための取り組みは、サイトの構造や全体像が把握できていなければ行うことができません。

サイトやLPの内容がユーザーニーズに訴求しているものなのか、そして訪問したユーザーに何かしらの価値を提供できているかどうかを今一度確認しましょう。これらができていれば、ユーザーは自然とCTA(Call To Action)経由でコンバージョンにたどり着きます。

なお、魅力的なサイト作成を行うポイントは当サイトでも多く解説していますので、ご参照下さい。

競合を調査し、コンテンツ・導線設計をしっかりと行う

各対策キーワードにつき、ベンチマークとして意識している競合サイトが1個以上はあるはずです。

さすがに競合サイトの明確なコンバージョン率まで調べることは難しいですが、多くの人の支持されているサイトはあなたが目標としているCROを達成している可能性が高いでしょう。

純粋な1ユーザーとして競合サイトを訪問し、「サイトにアクセスして問い合わせ・商品購入まで至るルート」を辿ってみて下さい。

競合サイトが訪問からコンバージョンまでどういう導線を引いているかをチェックすることができます。改善できる点は改善し、コンバージョンへの支障だと感じた点は自サイトでは行わないよう注意するなど、学ぶことはたくさんあるはずです。

また、気を付けておきたい点として、「全ての導線はトップページから始まる」というわけではないことです。

ご存知の通り、キーワードによってはトップページよりも下層ページが検索上位に表示されることもあるように、サイトによってはトップページの次にアクセスが多いのが下層コンテンツページの1つの可能性もあります。

どの下層ページからでも快適な導線を作ることを忘れないようにしましょう。

コンバージョンへの導線上の弱点を見つける

思ったようにコンバージョンに繋がっていない場合、導線上に何かしらの弱点が存在している可能性があります。ここでの弱点とは、例えば「魅力的でないページ」であったり、「ユーザーニーズを満たすべき情報にノイズがある」ことだったりします。

まずは弱点を把握するために、以下の点をチェックすることをおすすめします。

・直帰率が高すぎるページがないか

・平均滞在時間が短すぎるページがないか

・クリック数が少ないCTAボタンはないか

・ページ遷移率はどうか

また、ヒートマップなどの各種解析ツールも併用し、明らかに見られていない部分、ユーザーが振り向いていない部分を探しましょう。

原因と思われるものを見つけ出したら、原因の仮説を立て、後述するA/Bテストなどで最適化をしていきましょう。

これらの改善は、弱点の大きさにもよりますが、大抵は影響力のスケールとしては些細なものです。ただし一つ一つの影響力は少なくても、こまめに行うことで結果は大きく変わってくるのです。

細かなABテストを重ね、最適解を探す

「ABテスト」という言葉を聞いたことがあると思います。ABテストはCROの観点でも重要な施行であり、自分達とユーザーの目線の乖離を埋めることができるというメリットもあります。

ファーストビューコンテンツや掲載イメージ、見出しなどとともに、CTAボタンの最適化も図れるため、コンバージョン率にダイレクトに影響を及ぼします。

ただし、ABテストを行う上で注意したいのが、AとBに大幅な導線変更を行わないこと。たとえそれで新旧比較して改善されたとしても、「どこをどう変えたから改善されたのか」というのが分からず、ロジカルに次の改善点を考慮できなくなるからです。

ABテストをするときは、AとBの変更の差を小さく(CTAボタンの色を変える、大見出し1だけ文面とフォントサイズを変えるなど)し、数を重ねて最適解にたどり着く必要があります。

まとめ

少ないトラフィックでコンバージョンできればできるほど、PPC広告の費用対効果が上がります。

コストパフォーマンスが上がれば、これまで無駄になっていた分のコストを別のキーワードで対策することができるなど、サービスのスケールアップが期待できるでしょう。

CROを意識したサイト構築は、意識するタイミングや着手が早ければ早いほど最適解までの距離が短くなります。しかし、既に何年も運営しているサイトであっても遅すぎるということはありませんので、是非すぐにでも取り組んでみてくださいね。

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