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2024.04.01 2024.04.02

SEOポイズニングとは|ユーザー・管理者が被害に遭わないための対策を紹介

SEOポイズニングとは|ユーザー・管理者が被害に遭わないための対策を紹介

SEOポイズニングとは、インターネット利用者が増える中で、ますます巧妙化しているサイバー攻撃手法の1つです。ユーザーとサイト管理者の双方がこの脅威の実態を理解し、適切な予防策を講じることが、現在のインターネット環境になくてはならないものになっています。

この記事では、SEOポイズニングの概要から、具体的な対策方法までを詳細に解説します。インターネットの安全を守るために、私たちが取るべき予防策について詳しく見ていきましょう。

 

SEOポイズニングとは

パソコンで作業する手元と3つのはてなマーク
SEOポイズニングとは、攻撃者が検索エンジンのアルゴリズムを悪用し、作成した悪意あるウェブサイトを検索結果の上位に表示させ、本物のサイトに見せかけてクリックさせることでユーザーを攻撃する技術です。

ユーザーは、知らず知らずのうちにマルウェアに感染したり、フィッシングサイトで個人情報を盗まれたりするリスクにさらされます。特に、人気のキーワードやトレンドに乗じてこの手口が用いられるため、インターネットユーザーなら誰でもが潜在的な被害者になり得ます。

 

SEOポイズニングの事例

ウイルス対策ソフトを販売しているトレンドマイクロの記事では、SEOポイズニングを以下のように定義しています。

SEOポイズニングは、脅威アクターが悪意あるウェブサイトの検索順位を人為的に高めることで、消費者にとって信頼できるように見せかける手法です。

これらは、人々が最上位の検索結果を最も信頼するという心理を利用し、検索結果を十分に検討しない場合に特に効果的です。結果として、認証情報の盗難、マルウェア感染、経済的損失につながるリスクがあります。

悪意のあるアクターとは、ユーザーがタイプミスをしたURLを入力した際に、そのミスを利用して偽のウェブサイトに誘導することです。

たとえば、多くの人が利用する「スニーカー 安い」のような一般的な検索で、SEOポイズニングによって正規の販売サイトではなく、悪意のあるサイトに誘導される場合があります。

公式サイトよりも、安い価格で商品を提供する怪しいショッピングサイトで商品を購入しようとすると、クレジットカード情報などの個人情報が盗まれるリスクがあり、十分な警戒が必要です。

出典:SEOポイズニングとは?

 

SEOポイズニングの主な手口

虫眼鏡とSEOの文字
SEOポイズニングの主な手口には、ユーザーを悪意あるサイトへリダイレクトするものや、メモリ上でのみ存在するマルウェアを、ウェブサイト訪問者のデバイスに直接インストールするものがあります。

リダイレクトによる攻撃は、ユーザーが信頼できると思われるリンクをクリックした後、まったく関係のない悪質なウェブサイトに転送される形で発生します。また、メモリ上のマルウェアは、ウェブサイトを閲覧するだけで気づかないうちにユーザーのデバイスに侵入し、情報を盗み出すことが可能です。

これらの手口は、見た目では正規のウェブサイトと区別がつかないため、ユーザーが自衛することが極めて重要です。

 

SEOポイズニングの被害

パソコンとスマホを見る人の手元
SEOポイズニングの被害は、手法の巧妙さによって日々進化しています。

攻撃の直接的な被害は、主に個人情報の窃取です。ユーザーが悪意あるサイトに誘導された際に、知らず知らずのうちに名前、住所、電話番号、クレジットカード情報など、貴重な個人情報を提供してしまうことがあります。

さらに、この情報が悪用されることで、不正アクセスや身代金要求、不正な取引などの二次被害につながるケースも少なくありません。不正利用の一例として、盗まれたクレジットカード情報が、オンラインショッピングサイトで使用されることがあげられます。

実際のカード所有者に無関係な購入による経済的な損失や、個人情報が第三者に売却された結果、スパムメールやフィッシング詐欺のターゲットになる可能性もあります。

さらに、企業や組織がこの種の攻撃に遭った場合、顧客データの漏洩により信用失墜や法的責任を問われることも考えられるため、個人や組織はインターネットを利用するうえで警戒が必要です。

 

【ユーザー向け】SEOポイズニングの対策

パソコンと南京錠
インターネット上の安全を確保するには、日々のウェブ利用習慣に注意を払う必要があります。以下では、ユーザーが取り組むべきSEOポイズニング対策を紹介します。

 

【ユーザー】セキュリティソフトを導入する

ウェブサイト閲覧時の最初の対策として、信頼性の高いセキュリティソフトを導入しましょう。セキュリティソフトは、不審なウェブサイトへのアクセスをブロックし、マルウェアやスパイウェアの侵入を防げます。

定期的なアップデートを行うことで、新しい脅威にも対応可能になるため、お手軽にセキュリティ対策が可能です。

 

【ユーザー】怪しいサイトが出てきたらブラウザバック

怪しいと感じたサイトに遭遇した場合、すぐにブラウザの戻るボタンを使用しましょう。怪しいサイトを見分けるポイントは、以下のとおりです。

<怪しいサイトを見分けるポイント>

  • URLが正規のドメイン名から逸脱していないか
  • サイトのデザインが不自然でないか
  • 過剰なポップアップや広告が表示されていないか
  • HTTPSではなくHTTPを使用していないか

 

【ユーザー】ブックマークからアクセスする

よく訪れるウェブサイトや信頼できるサイトは、ブックマーク機能を利用して直接アクセスしましょう。これによって、偽のウェブサイトに誘導されるリスクを減らせます。

特に、オンラインバンキングやショッピングサイトなど、個人情報を入力するサイトは、ブックマークからのアクセスがおすすめです。

 

【ユーザー】クリック前にURLを確認する

リンクをクリックする前には、必ずURLを確認しましょう。

マウスカーソルをリンク上に置くと、ブラウザの左下などに実際のURLが表示されます。URLが予期しないウェブサイトを指している場合は、クリックせずにそのページを閉じることが賢明です。

特に、短縮URLの使用が増えている現在では、短縮されたURLを介して不正なサイトに誘導されるケースもありますので、注意しましょう。

 

【管理者向け】SEOポイズニングの対策

パソコンで作業するビジネスマンとセキュリティーマーク
SEOポイズニングは、検索結果を経由して、不正プログラムやマルウェアを仕込んだページにアクセスさせるサイバー攻撃です。

以下では、サイト管理者が取り組むべきSEOポイズニング対策を3つ紹介します。

 

【管理者】管理IDやパスワードの漏洩に注意する

サイト内に改ざんされた箇所がないか、定期的に確認しましょう。特に、普段あまり触れないディレクトリは、乗っ取りの対象となりやすいため、注意が必要です。改ざんされた箇所が見つかった場合は、速やかに修正しましょう。

 

【管理者】二段階認証を導入する

IDやパスワードの変更に加え、二要素認証の導入もおすすめです。アクセスする際に2ステップが必要になるため、よりセキュリティを高められます。

 

【管理者】定期的にセキュリティチェックをする

不正アクセスの原因の一つに、管理者ページへの不正アクセスがあります。IDやパスワードが漏えいしている可能性があるため、定期的に変更し、複雑なものにすることでセキュリティを強化しましょう。

 

【ユーザー向け】SEOポイズニングの被害に遭った際の対処法

パソコンで作業する女性
インターネットの便利さを享受する一方で、SEOポイズニングのような脅威に遭遇することもあります。もし被害に遭ったと感じたら、落ち着いて迅速に対処しましょう。ここから紹介する対処法を参考にしてみてください。

 

【ユーザー】ウイルスチェック・駆除ソフトを起動する

SEOポイズニングに遭遇した疑いがある場合、最初に行うべきはウイルスチェックです。信頼できるセキュリティソフトを使用して、全体のスキャンを行いましょう。

特に以下のような状況の場合は、スキャンをおすすめします。

<スキャンが必要な状態>

  • 怪しいサイトを訪問した後、パソコンの動作が遅くなった、または不安定になった。
  • 不審なポップアップや警告が頻繁に表示されるようになった。
  • ブラウザのホームページや検索エンジンが勝手に変更された。

これらの症状が現れた場合は、マルウェアやウイルスが原因の可能性があります。ウイルスチェックを行い、検出された脅威はすぐに駆除してください。

不安に感じているユーザーも、スキャンしておくことで安心できますよ。

 

【ユーザー】パスワードを変更する

SEOポイズニングの一環として、フィッシングサイトを通じてログイン情報が盗まれることもあります。そこで、疑わしいサイトにアクセスしてしまった場合は、使用しているサービスのパスワードを変更することが大切です。特に、以下のアカウントのパスワード変更を優先しましょう。

<優先的に変更するパスワード>

  • 銀行やクレジットカード会社のオンラインアカウント
  • メールアカウント
  • ソーシャルメディアアカウント

パスワードを変更する際は、以前のパスワードとはまったく異なる、強度の高いものに設定してください。また、可能であれば二段階認証を設定することで、さらなるセキュリティを強化できます。これらの対策を通じて、安心してインターネットを活用しましょう。

 

【管理者向け】SEOポイズニングの被害に遭った際の対処法

パソコンで作業するビジネスマン
ウェブサイトの管理者として、SEOポイズニングの被害に遭った場合、迅速かつ効果的な対応が必要です。以下では、具体的な対処法を解説します。

 

【管理者】複製サイトはGoogleに報告する

SEOポイズニングの一環として、攻撃者は場合によって正規のウェブサイトの複製を作成します。これらの偽サイトは、SEOランキングを乗っ取り、ユーザーから情報を盗むために用いられます。このような複製サイトを発見した場合、すぐにGoogleに報告しましょう。

Google Search Consoleの「スパム報告ツール」や「著作権侵害の通報」機能を利用し、詳細な情報を提供してください。これにより、不正なサイトの検索結果からの除去が促進され、被害の拡大を防げます。

 

【管理者】パスワードを変更する

ウェブサイトの管理パネルやサーバーへのアクセス情報が盗まれるリスクもあります。攻撃者によって管理者アカウントが乗っ取られた場合、迅速にパスワードを変更しましょう。

パスワード変更時には、以前のものとはまったく異なる、十分に複雑で推測されにくい新しいパスワードを設定してください。また、アクセス権を持つすべてのユーザーに対してもパスワードの変更を促し、二段階認証の設定をしてもらうことが望ましいです。

 

【管理者】不正ファイルを削除する

SEOポイズニングによって、サイトに不正なファイルが追加されたり、既存のファイルが改ざんされたりすることがあります。サイト内を徹底的に調査し、怪しいファイルやコードの断片を発見したら、すぐに削除または修正してください。

不正ファイルの特定と削除には、セキュリティプラグインやマルウェアスキャナーが有効です。また、サイトの完全なバックアップを取得しておくことで、攻撃前の状態に復旧することが可能になります。

被害に遭った際の対処法を適切に実行することで、信頼性の高いウェブサイトの運営を継続し、攻撃者からユーザーを守りましょう。

 

まとめ

SEOポイズニングは、悪意あるウェブサイトを検索結果の上位に表示させることで、ユーザーやサイト管理者にさまざまな被害をもたらすサイバー攻撃のことです。この攻撃から身を守るためには、ユーザーとサイト管理者それぞれに適した対策が必要です。

ユーザーは、セキュリティソフトの導入、怪しいサイトへのアクセスを避ける、ブックマークを活用した安全なサイトへのアクセス、URLの確認などの対策を講じることで、被害を防げます。万が一、被害に遭った場合も、ウイルスチェックと駆除、パスワードの変更などで冷静に対応しましょう。

サイト管理者の場合は、複製サイトの発見と報告、パスワードの変更、不正ファイルの削除が主な対応策です。これらにより、サイトのセキュリティを保ち、ユーザーの安全を守りましょう。

SEOポイズニングの脅威は、日々進化しています。そのため、最新のセキュリティ対策に常に注意を払い、定期的に知識を更新することが重要です。

 

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