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2024.01.09 

インハウスSEOとは?内製化を成功させる手順とメリット・注意点とは?

インハウスSEOとは?内製化を成功させる手順とメリット・注意点とは?

自社Webサイトを運用するには、SEO施策が欠かせません。SEO施策は専門のSEO会社に任せる方法のほか、自社で完結させるインハウスSEOという方法があります。インハウスSEOが実現できれば、外注費のコストを抑えたり、SEOのノウハウを自社に蓄積したりすることが可能です。

この記事では、インハウスSEOを成功させる手順やメリット、注意点についてお伝えします。自社内でSEO施策を進めたいと考えている企業は、ぜひ参考にしてみてください。

 

インハウスSEOとは

SEO 検索マークのブロック
インハウスSEOとは、SEO対策を外部のコンサルティングに委託せず、自社でSEO対策を内製化させることです。

そもそもSEOとは「Search Engine Optimization」を略したもので、検索エンジン最適化を意味します。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで読み込まれやすいようにWebサイトを最適化し、上位に表示させやすくさせるための施策です。

ユーザーは特定のキーワードで検索する際に、検索結果の上から順番に見ていく傾向があります。そのため、Web集客を増やすためには自社WebサイトのSEO対策を行う必要があるのです。

インハウスとは、企業内や内製化という意味です。集客や購入を促すために不可欠なSEO対策を外注に任せず、企業内の専任SEOスタッフやマーケティングチームがSEO戦略を立案し、実施することをインハウスSEOといいます。

 

インハウスSEOに向いている企業の特徴

3人のビジネスマン
インハウスSEOに向いているのは、以下の2つの特徴をもつ企業です。

インハウスSEOに向いている企業の特徴

 

専属のSEO担当者や知識を有している人がいる

1つ目は、社内に専属のSEO担当者やSEOの知識をもつ人がいる企業です。

SEOは検索エンジンに評価されるコンテンツ作りが必要です。キーワード選定やWebサイトの最適化など、自社のWebサイトの運営全般を担います。しかし、SEO対策はすぐに結果が出るわけではありません。成果をモニタリングし、最適化するまでには時間と労力が必要です。

SEO担当者が他の業務と兼任の場合、SEO対策が疎かになったり優先度が低くなったりするため、専属のSEO担当者を配置できる企業はインハウスSEOに向いています。

 

社内全体がSEOの重要性を認知している

2つ目は、SEOの重要性を社内全体が認知している企業です。先述したように、SEOは時間がかかる長期的な施策です。Googleでは、SEO施策の成果を感じられるまでに4ヶ月〜1年かかるとしています。

”成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は4 ヶ月から 1 年かかります。”
(引用:Google検索セントラル)

SEOの重要性を理解していない企業の場合、SEO施策は時間と費用がかかるものと捉えてしまい、施策が中断される可能性があります。しかし、SEOで得られるメリットを社内全体が認知していれば、予算の確保やプラン設計がしやすくなります。

SEO施策は各部署との連携が必要です。社内全体がSEOの重要性を共有できていれば、部署間との連携がスムーズになり、SEO施策にも積極的に取り組めます。

 

インハウスSEOに向いていない企業の特徴

忙しそうな働く女性
一方で、インハウスSEOに向いていない企業は、以下の2つの特徴がある企業です。

インハウスSEOに向いていない企業の特徴

 

予算や時間、工数に余裕がない

予算や時間、工数に余裕がない企業は、インハウスSEOに向いていません。インハウスSEOは長期的な施策であり、専門的な知識を必要とする施策です。そのため、予算や時間、人材を確保できる余裕がない企業は、他の施策に取り組むほうが良い結果を得られるでしょう。

 

ITリテラシーが低い

ITリテラシーが低い企業も、インハウスSEOに向いていない企業といえます。ITリテラシーは、コンピュータやデジタルデバイスなどの情報技術を理解し、使用する能力のことです。ITリテラシーが低いと、Webサイトのセキュリティ対策ができずに情報漏洩をしたり、新しいツールを取り込めずにSEO戦略をアップデートできなかったりする可能性があります。

Webマーケティングに疎い企業も、インハウスSEOに向いていません。HPをもっていない、活用できていないなど、そもそもWebマーケティングを主流にしていない企業がインハウスSEOを行うのは難しいでしょう。

 

インハウスSEOを成功するためのステップ・手順

タブレットで作業をする手元
インハウスSEOを成功させるステップは以下の3つです。

ステップ・手順

インハウスSEOを成功に導くポイントを順番に見ていきましょう。

 

STEP1. SEOコンサルタントの会社を選ぶ

最初のステップは、SEOコンサルタント会社を選ぶことです。SEO知識がゼロの状態でいきなりSEOを内製化させるのは難しいものです。

最初はSEO対策専門の業者の力に頼り、SEOに関するアドバイスや施策を依頼しましょう。SEOの専門業者は、自社と関連した事業の実績があるとより効果を期待できます。インハウスSEOを支援しているコンサルタント会社なら、SEO担当者の人材育成やインハウスSEO実現までのサポートも行ってくれます。

はじめからSEOの内製化を目指すよりは、プロの力を借りてインハウスSEOにシフトするほうがスムーズです。

 

STEP2. SEOに関するノウハウを蓄積する

2つ目の手順は、SEOに関するノウハウの蓄積です。SEOコンサルタント会社にSEO対策を丸投げするのではなく、自社の担当者がコンサルタント会社のアドバイスに沿ってSEO対策を行っていくことが重要です。

SEO施策の再現性を意識しながら自社のSEO知識を蓄積し、インハウスSEOに移行していきましょう。

 

STEP3. 自社のSEOを確立させ、実際に運用していく

SEOに関するノウハウが蓄積できたら、実際に自社で運用していきます。これまでのノウハウを活かしながら、SEO施策に取り組んでいきましょう。インハウスSEOに移行した後も、引き続き一部のSEO施策をコンサルタント会社に依頼したり、アドバイスを受けたりすることは可能です。

 

インハウスSEOのメリット

メリット
SEOはWeb集客において重要な施策です。SEO施策のなかでも、SEOを自社で行うインハウスSEOにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

インハウスSEOのメリットは、3つです。

インハウスSEOのメリット

それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。

 

SEOノウハウを蓄積しやすくなる

1つ目のメリットは、SEOノウハウを社内で蓄積しやすくなる点です。SEOを専門業者にすべて任せてしまうと、ノウハウは社内ではなく委託先に蓄積されます。知識という財産が自社ではなく、委託先のものとなってしまいますが、SEOを内製化させれば知識は自社の財産となります。

SEO施策のマニュアルが社内にあれば、担当者が変わっても外注することなく、引き続き自社でSEO施策に取り組むことが可能です。

 

外注費の削減ができる

2つ目のメリットは、外注費の削減をできるところです。SEO施策を専門業者へ依頼すれば、当然ながら外注費がかかります。外注費は初期費用だけでなく、運用するための継続的な費用も必要です。さらに、委託先のレベルに応じて外注費も高くなります。

しかし、SEOをインハウス化できれば、社内の人件費はかかるものの、外注費の削減が可能です。

 

スピード感をもって取り掛かれる

3つ目のメリットは、スピード感をもってSEO施策に取り掛かれることです。SEO施策を外注すると、委託先とのやり取りに時間がかかったり、指示待ちによってすぐに施策に取り組めなかったりします。

その点、インハウスSEOは社内で行うためコミュニケーションを取りやすく、業務にスピード感が生まれます。また、自社商品や業界を熟知しているため、トレンドに合った施策を素早く打ち出すことができ、競合と差別化を図れる点もメリットです。

 

インハウスSEOの注意点

パソコンとpoint
ここからは、インハウスSEOの注意点について解説します。

インハウスSEOを行うためには、専属の担当者や知識を有している人が必要になります。なぜなら、SEOの評価は日々変化しており、インターネット上にあるSEOの知識だけでは最新の動向を得られ難く、的外れな施策を打ち出してしまう可能性があるからです。

SEOは常に進化しているため、最新のトレンドをチェックしたり検索エンジンのアルゴリズムの変更に対応したりと、業務は多岐に亘ります。しかし、担当者のSEOの知見が乏しかったり他の業務と兼任したりしていると、SEOの最新情報を逃しやすく、検索結果の上位表示を狙い難くなってしまうのです。

社内にSEOの知識を有する人がいない場合、社内でSEO教育を行うか、SEO知識のある人材を採用する必要があります。社内でSEO担当者を育成する場合は、SEO知識を学び、実際に運用して成果を出すまでに時間がかかります。

したがって、インハウスSEOを実行・運用するまでには、人件費と時間がかかることを覚えておきましょう。

 

インハウスSEOの主な業務

ミーティングする人の手元
インハウスSEOを運用する際には、主に以下の6つの業務が発生します。

インハウスSEOの主な業務

 

達成したい目標を決める

まずは、SEO戦略の目標と目的を明確にするために、SEO施策で達成したいKPIやKGIを設定します。KPIとは「Key Performance Indicator」を省略しており、目標の達成度を評価するためにしようされる、中間目標を数値化したものです。また、KGIとは「Key Goal Indicator」のことで、組織や企業の最終的な目標を数値化したものです。

インハウスSEOの成果は、最終的な目標値としてKGIを設定し、KGIを達成するための指標として各プロセスのKPIを設定しておくことで、評価がしやすくなります。

SEO施策のKPIには、コンバージョン率や滞在時間などがあります。SEOの成果が出るまでに時間がかかるため、中長期的な目標を設定して施策の内容を最適化していくことが大切です。

ただし、目標は企業の全体的なマーケティング戦略と整合性をもたせる必要があることを覚えておきましょう。

 

必要なコスト・予算を確保する

目標設定の次は、必要なコスト・予算の確保です。インハウスSEOは外注費を削減できますが、人件費や改修費用、ツール利用料などの費用がかかります。そのため、成果が出るまでに見込まれる期間と必要コストを算出し、予算を確保しておきましょう。

 

Webサイトの改善を行う

SEOの効果を出すためには、Webサイトの改善が必要です。Webサイトの改善とは、主に以下のようなものがあります。

  • ページ速度の最適化
  • 内部リンクの最適化
  • 重複コンテンツの確認
  • モバイル専用デザインの実装

など

Webサイトの改善はページの評価につながる大切な業務です。

 

コンテンツ制作を行う

コンテンツ制作もインハウスSEOに必要な業務です。コンテンツは検索エンジンのランキングだけでなく、ユーザーの関与やコンバージョンにも影響を与えます。ユーザーの検索意図を意識したコンテンツを制作し、ユーザーに価値のある情報を提供することで、検索エンジンの評価を高められます。

 

コンバージョンの最適化(CRO)を行う

コンバージョンの最適化もインハウスSEOの業務です。コンバージョンの最適化とは、Webサイトの訪問者が購入や登録、問い合わせなどを起こすように、Webサイトの導線や構造を改善することです。ユーザーの行動を分析しながら、コンバージョンの最適化を行いましょう。

 

外部SEOの施策を行う

被リンクやサイテーションといった外部SEO施策も、インハウスSEO業務に含まれます。被リンクは、他のWebサイトから自社Webサイトに向けられたリンクのことで、サイテーションは自社のサイト名や企業名が、他のWebサイトやSNSに掲載されることです。

いずれも自社Webサイトの質を高めることになり、検索エンジンランキングの向上につながります。

 

インハウスSEOと一緒に確認したいSEO対策

検索 SEO
インハウスSEOのほかに、以下の2つのSEO対策もあります。

インハウスSEOと一緒に確認したいSEO対策

それぞれの違いを解説しますので、企業の状況にあったSEO対策をしていきましょう。

 

セミインハウスSEO

セミインハウスSEOは、SEO対策をすべて自社で担わず、一部を外注に委ねることです。たとえば、業務量に対して自社SEO担当者が少ない場合は、一部のSEO施策を外部のSEO業者に任せます。

セミインハウスは自社でSEO施策を行いつつ外部の力も借りるため、ノウハウを蓄積しながら不足しているスキルやリソースを補完できる点がメリットです。

 

アウトソースSEO

アウトソースSEOは、SEO施策をすべて外部のSEO会社に任せることです。SEO担当者の人材確保が難しい場合や、SEOに専念するために必要なスキルやリソースをもっていない場合は、アウトソースSEOが有効です。

外部のSEO会社に委ねることで、企業は他の業務やプロジェクトに集中できますし、新しいアルゴリズムの変更やトレンドにも迅速に対応できます。

 

まとめ

インハウスSEOは自社にSEOの知識が蓄積され、外注するよりもスムーズかつ柔軟にSEO施策を打ち出せるというメリットがあります。しかし成果を出すためには、人材や予算の確保、社内の理解を得るなど、企業側に大きな負担がかかります。

したがって、自社の状況をふまえてインハウスSEOを検討することが大切です。

 

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