「第二新卒」という言葉が浸透したのは2008年の世界恐慌の引き金ともなったリーマンショックのあとの2008年度の新卒採用の時期だと思われます。
この時期は大学や専門学校を卒業していても就職率が5割に達していなかったという超就職氷河期とも言われた年代でした。
その年代には多くの第二新卒者が発生したとされていますが、近年になって第二新卒の解釈が変化したことによって、また多くの第二新卒者が発生しています。
こちらでは、第二新卒の求められるスキルや第二新卒の定義について詳しく紹介していきます。
第二新卒の定義について
まずは第二新卒の定義から紹介していきますが、元々「第二新卒」というのは「大学や専門学校、高校を卒業後に就職しないままに数年間経過した人」を指した言葉でした。
簡単に言えば、一昔前までは就職浪人と呼ばれていた人たちが第二新卒の定義だったということです。
しかし、近年では第二新卒の解釈が大きく変化していて、「新卒採用で就職後、2~3年以内に退職して転職活動をしている人」を指す言葉になってきました。
この2つの大きな違いというのは、「一度でも社会人経験があるのかどうか」というポイントになっていて、第二新卒の採用を受けるためには就職をした経験があることが条件となっているケースが多いです。
ほんの10年~15年ほど前までは、1つの会社に3年以上在籍していないと転職先がないと言われていましたが、最近では新卒の社会人が3年以内に退職する割合が3割以上とされていて、転職市場でも第二新卒者を積極的に採用する企業が増えてきています。
そのため、近年増加しているというブラック企業や自分に合わない企業に就職してしまったために憂鬱な気分になってしまったり、最悪な事態を引き起こしてしまったりする前に転職をすることによって、第二新卒というカードを使うことが出来ることを知っておいてください。
第二新卒が転職する際に求められるスキルとは
2018年現在、日本の就活事情において、最も効果的なカードというのは「新卒採用」というカードです。
近年は就活状況も良くなってきたとされていますが、ほんの数年前までは新卒で就職できなければ非正規雇用しかないと言われていた時代もありました。
それは第二新卒についても同じことになっていて、第二新卒の状態でも転職することが比較的容易になったのは最近になってからだとされています。
第二新卒が転職をする際に企業から求められるスキルについては、主に下記の3点が挙げられます。
・入社意欲の高さ
・志望動機
・人間性や性格
これらの要素となっていて、技術的な能力については多くを求められないことが特徴的です。
第二新卒というのは上記でも紹介したように、就職してから2年~3年以内に退職してしまった人のことを指しますので、同業他社に転職をしたというような場合でも高いスキルを身に付けるには時間が足りません。
その辺りのことについては採用する企業側も理解していますので、特別な経験やスキルを身に付けていることを求められることはありませんが、社会人として基本的なビジネスマナーについては身に付けていることが求められますので注意が必要です。
企業が第二新卒を求める理由の一つに、基本的なビジネスマナーを身に着けているために指導する手間や費用が少なくて済み、社会経験が少ないために凝り固まった思考をしていないというものがあります。
これは、言い換えれば程良く育った人材を採用することが出来るチャンスだと言うことも出来ますので、企業側も第二新卒を採用することに積極的な理由となります。
第二新卒の転職で気をつけなければいけないポイントとは
第二新卒になった際の弱点については、前の職場を短期間で辞めてしまったということです。
辞めた理由については様々なことが考えられますが、第二新卒を採用する企業側としては、「採用してもすぐにまた辞めてしまうのではないか」という不安があることは否めません。
そのため、何も考えないでそのまま転職活動をしたとしても以前と変わったということを示すことが出来なければマイナス要素を払拭することが出来ずに上手く転職活動をすることが出来なくなります。
しかし、退職理由や自分の弱みとキチンと向き合って、原因を追求し、改善点や成長ポイントをアピールすることが出来れば退職したことをマイナスの要素ではなくプラスの要素に切り替えることも出来ます。
注意するポイントとしては、以前の職場を悪く言って自分の評価を上げようとするのは間違いです。
前の職場がブラック企業に代表されるような明らかに法律を破っていたというような場合は別ですが、前の職場の悪口を言う人は信用度が低く見られる傾向にありますので注意してください。
まとめ文
いかがだったでしょうか?
第二新卒というと、マイナスというイメージを持つ人も多いかもしれませんが、近年の転職市場では優遇されるカードでもあります。
上手く活用すれば現在の職場から転職をする際に有効なポイントにもなりますので、第二新卒に求められるスキルと、注意しなければならないポイントをキチンと理解して転職活動に挑むようにしてください。