キャリアビジョンは、最近の就職面接の際に応募者が聞かれるようになって注目されている言葉です。
会社は人材育成の観点からどのようなキャリアで人を育てていくかに関心があり、人事部では会社内のモデルとなる人のキャリアパスをつくることなども行っています。
会社内でキャリアを構築する以前の入社の時点で応募者の生きていく価値観や仕事に対する欲求を確認することで、魅力ある仕事で考え方や希望を実現できる可能性が高まることが考えられます。
キャリアビジョンとは
キャリアビジョンに明確な定義はありませんが、自分が理想とする人生のあり方や仕事上で希望する数年先の姿を描くことを意味すると考えられます。
最近採用面接でキャリアビジョンを聞かれることが多くなり注目されている言葉です。
会社がキャリアビジョンを聞くのはキャリアビジョンに応募者の価値観や仕事に取り組む姿勢などがあらわれるからだと思われますが、キャリアビジョンを作成することは自分自身の将来に対する考え方を整理する意味もあると思われます。
新卒の就職や就職者の転職は、採用面接に備えるため今までの自分を振り返り自分の強みや弱みを考える機会になることや、今後どんな仕事をしたいのかどんな姿になっていることを望むのかを考える機会になると思います。
これまでの自分のキャリアは、新卒であれば学歴を中心に履歴書を作成します。転職の場合は学歴に職歴が加わり、別に職務経歴書も作成します。キャリアビジョンは、新卒でも中途入社でも入社の数年後に希望する姿を書きます。
キャリアビジョンとキャリアプランの違い
キャリアビジョンとキャリアプランの違いは、キャリアビジョンが中長期的な願望であるのに対してキャリアプランは短期的な計画の違いがあります。
キャリアビジョンは必ずしも実現しない理想ですが、キャリアプランは実現性の高い計画になります。
キャリアビジョンは自分の将来に対する願望と考えられ根底に自分の価値観や考え方がありますので、現在の自分だけでなく過去の自分を見つめ直すことがなければ作成できない要素があると思われます。
キャリアビジョンに対してキャリアプランは現実的な短期間の目標というような内容であり、実現をするために計画を立てることになります。キャリアプランは、比較的近い目標設定をして目標を達成することを目指します。
キャリアビジョンで大きな目標を定めた上で、キャリアプランで小さな目標を設定することが効果的だと思われます。
キャリアビジョンによる長期的戦略的な目標をキャリアプランによる短期的戦術的な目標でクリアしていくと考えることもできます。
キャリアビジョンの期間
キャリアビジョンは中長期的な目標を考えることやあるべき姿を描くことですが、変化の激しい現代において20年先や30年先のビジョンは現実的ではないと思われます。
しかし2、3年先では短すぎるのでキャリアビジョンというよりキャリアプランになります。
キャリアビジョンの期間は個人差があると思われますが、長すぎると先が読みづらく短すぎるとビジョンとは言えなくなります。
5年以上から10年ほどが通常のキャリアビジョンの期間で、個人の考え方や状況で期間が決まると考えられます。
5年から10年ほど先の自分の理想とする姿を思い描き、そのキャリアビジョンを達成するために5年以内の短期間のキャリアプランを立てて、目標を実現していくことが現実的な方法だと思われます。
具体的には1年や2年ごとの短期間にキャリアプランを立てて目標を達成したかどうかをチェックしていくことです。短期間の目標を達成していけば、確実にキャリアビジョンの大きな目標達成に近づくことになります。
キャリアビジョンの必要性
キャリアビジョンは、採用をする企業にとって応募者の価値観や考え方が企業の求める内容と大きく異なっていないかチェックすることができるので必要です。採用後の定着率を良くするには企業と応募者の相性が重要になります。
企業が採用試験で能力検査などよりも面接を重視するのは、応募者の人間性やコミュニケーション能力を面接で把握する意味がありますが、キャリアビジョンの作成で応募者の価値観や考え方を知ることで面接を補完することができます。
応募者にとってもキャリアビジョンは重要な意味があります。ひとつはキャリアビジョンを作成することで就職をする際の自分の強みや弱みを認識することができることです。新卒者も転職者も自分のキャリアの棚卸の機会になります。
また今までのキャリアを踏まえてキャリアビジョンを作成することで、自分が本当にやりたいことやすべきことを考えることができ、今後の人生で個人的にやりたいことや仕事をする上で希望することを熟慮する契機になります。
意義のあるキャリアビジョンを描くために
最近の企業の採用ではキャリアビジョンの作成を求められることが多くなっています。企業は応募者の目指す方向性を確認する意味もあり、応募者の価値観や仕事の考え方があらわれるキャリアビジョンの作成を採用に取り入れていると考えられます。
応募者にとっても今後の人生や魅力ある仕事を実現する上でキャリアビジョンは意義があります。自分が望む生き方や挑戦したい仕事のビジョンを描くことで充実した人生を実現することが可能になると思われます。
