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2024.08.01 

テクニカルSEOとは|コンテンツSEOとの違いやサイト作りの施策を解説

テクニカルSEOとは|コンテンツSEOとの違いやサイト作りの施策を解説

「テクニカルSEOに取り組みたいが、どのように行えばいいかわからない」と悩んでいる人も多いでしょう。

今回は、テクニカルSEOの概要や種類、具体的な施策やメリット・デメリット、おすすめのツールなどについて解説します。この記事を読むことで、テクニカルSEOの具体的な取り組み方を押さえ、実務に活かしてみてください。

 

テクニカルSEOとは

パソコンで作業する手元
テクニカルSEOとは、検索エンジンに向けて行う施策のことです。検索エンジンが正しくWebサイトを読み取れるよう施策を実施することで、検索結果の上位に表示されやすくなり、たくさんのユーザーがWebサイトへ訪れることを促せます。

 

コンテンツSEOとの違い

コンテンツSEOとの主な違いは、どこに向けて施策を行うかにあります。テクニカルSEOは検索エンジンに向けて施策を実施するのに対し、コンテンツSEOは「ユーザーにとって有益な記事を増やす」など、ユーザーをターゲットにした施策を行います。

どちらか一方だけが、大切なわけではありません。質の高いWebサイト作りを行うためには、コンテンツSEOとテクニカルSEOの双方をうまく行い、両方の面からSEO評価を高めていくことが重要となります。

 

テクニカルSEOの種類

カラフルなSEOのブロック
一口にテクニカルSEOといっても、施策の種類は複数存在します。具体的には、以下のような施策が挙げられます。

テクニカルSEOの種類

それぞれを解説していきます。

 

クローラー向け施策

クローラーとは、検索エンジンが検索結果における順位を決定するための要素を、Webサイトから集めてくるロボットのことです。クローラー向け施策を行うことで、クローラーが効率よくWebサイトの中を巡回できるようになり、検索エンジンから高い評価を受けやすくなります。

 

インデックス向け施策

インデックスとは、検索エンジンに、Webページのデータが登録されることを指します。インデックス向け施策を行うことで、検索エンジンにWebサイト内のページの内容を正しく伝えられるようになるでしょう。

 

【テクニカルSEO】クローラー向け施策まとめ

SEO AUDIT
クローラー向け施策の例としては、以下のようなものが挙げられます。

【テクニカルSEO】クローラー向け施策まとめ

それぞれを具体的に見ていきましょう。

 

➀表示速度を高速化する

ページの表示速度が遅く、いつまで経ってもページが表示されないと、ユーザーが開くのを面倒に感じて離脱する可能性が高まります。そのため、表示速度の速さは、Webサイトにおいて重要な要素です。

ページ内にあるデータの情報量が多いと、表示速度が遅くなりやすくなる傾向にあります。表示速度を速くするためには、データの情報量を減少させることが大切です。具体的には、画像や動画のファイルサイズを減らしたり、サーバーでファイル圧縮したりするのがよいでしょう。

そのほか、画面のスクロールに応じて、画像が読み込まれる仕組みにするのも効果的です。画像はWebサイトにおける情報量の多くを占めるため、使用している画像に対して施策を行うことで、表示速度を効率的に高速化しやすくなります。

 

➁クロールエラーを解消する

クロールエラーとは、検索エンジンのクローラーが、Webサイトの中を巡回している際に問題が起き、ページがインデックスされなくなる現象のことです。クロールエラーが発生することで、作成したページが正しく検索エンジンに認識してもらえなくなります。

Googleが提供しているツール「Google Search Console」を用いることで、クロールエラーが起きているページを確認することが可能です。

 

➂サイト内構造を整える

サイト内構造を整えることで、ユーザーは自分が見たいページをすぐに発見し、開けるようになります。またクローラーも、目的のページへすぐに辿り着けるようになります。ユーザーとクローラーの双方がサイトの中を巡回しやすいよう、サイト内の構造を単純化しましょう。

Googleは、2クリック以内に、目的のページへ到達できるサイトにすることをすすめています。深い階層にページがいくつもあるサイトは見にくいため、自社のサイトが2クリックで行きたいページへ辿り着ける状態になっているかを確認してみましょう。

 

④XMLサイトマップを導入する

XMLサイトマップとは、Webサイトにあるページの内容すべてを、検索エンジンに知らせるために使われるものです。

XMLサイトマップを導入すると、検索エンジンはXMLサイトマップにあるデータを参考にして、Webサイトの中を巡回するようになります。Webサイトにあるページ同士の関係性や、全体の構成を効率よくクローラーに伝達できるようになるため、インデックスを促しやすくなるでしょう。

 

⑤robots.txtを設定する

robots.txtとは、重要度の低いページをクローラーから外し、Webサイト全体の巡回速度を高める施策のことです。

重要度が低いページの例として、ECサイトの複雑な検索結果が挙げられます。「1,500〜3,000円で買える、レビューが星3以上のMサイズのTシャツ」といった複雑な検索結果のページは、インデックスに登録させなくても問題ありません。

このようなページまで登録させると、数が膨大すぎるあまり、クローラーがサイト全体を巡回するのに時間がかかることになります。その結果「新しく作成した重要なページがインデックスされるのが遅くなる」というリスクを招くでしょう。

robots.txtを通して、重要度の低いページは巡回されないようにすることで、クローラーが重要なページを優先的に巡回してくれるようになります。

 

⑥モバイル対応をする

スマホの画面に対応できるよう設定し、スマホから閲覧するユーザーにとっても見やすいWebサイト作りを行うことも大切です。スマホ対応をしていないサイトは、Googleにおいて検索順位が下がりやすくなります。モバイル対応を行うことで、検索順位をアップできる可能性が高まるでしょう。

モバイル対応を行ううえで意識すべきポイントの例としては、以下のようなものが挙げられます。

<モバイル対応を行ううえで意識すべきポイント>

  • 縦スクロールで閲覧できる構造にする
  • モバイルでも読みやすい文字の大きさにする
  • ボタンをスマホからでもタップしやすい大きさにする
  • パソコンでもスマホでも同じコンテンツを閲覧できるようにする

 

【テクニカルSEO】インデックス向け施策まとめ

INDEXのブロック
インデックス向け施策の具体例としては、下記の3つが挙げられます。

【テクニカルSEO】インデックス向け施策まとめ

それぞれを具体的に見ていきましょう。

 

➀重複コンテンツを削除する

サイトの中に重複したコンテンツがあると、コピーコンテンツとみなされてインデックスが阻害されたり、検索順位を下げられたりする原因となります。自社のサイト内だけでなく、他社サイトのコンテンツに似たコンテンツがある場合も、重複コンテンツとなります。

コピペチェックツールを使ったり、検索を行ったりすることで、重複コンテンツの有無を確認することが可能です。

 

➁タイトルや見出しを改善する

タイトルや見出しなどの情報は「どういった内容を掲載しているのか」を検索エンジンに伝えるうえで重要な項目となるため、適切な形に設定しなければなりません。

以下からは、要素ごとに詳しく解説します。

 

タイトル

タイトルは、狙いたいキーワードをできる限り、文の最初のほうに設定することが重要です。全体の長さは、30文字以内にしましょう。

 

ディスクリプション

ディスクリプションとは、ページの内容を要約した文章のことです。ディスクリプションにもキーワードを挿入し、文字数は100文字程度とすることをおすすめします。検索結果で、タイトルの下に表示される文章であるため、ユーザーの興味を引く内容にすることも重要です。

 

見出し

見出しは文章の構造に合わせて、適切な形で設定しましょう。見出しの中にも、タイトルと同様にキーワードを含めることをおすすめします。見出しを設定することで、ページ内の情報をユーザーにもクローラーにもわかりやすく伝えられるようになります。

 

画像

貼り付ける画像には、alt属性を設定しましょう。alt属性とは、画像の代わりとなるテキスト情報です。例えば、犬の画像を貼る場合は「3匹の白いチワワ」といった形で、画像の内容を説明する文章を記載します。

alt属性を設定することで、クローラーが画像の意味を理解でき、検索順位の向上につながりやすくなります。狙っているキーワードと関連のある画像であることをクローラーに伝えられるよう、alt属性にはキーワードを挿入しましょう。

そのほか、画像のファイルサイズを小さくして表示速度を高速化したり、本文と関係のある画像を掲載したりすることも重要です。

 

➂リンク設置方法が正しいか確認する

リンクの設置方法が不適切であると、SEOに悪影響を与えやすくなるため、適切な形になっているか確認しましょう。

例として、アンカーテキスト(リンク内容を示すテキスト)は単に「こちら」「ここをクリック」といった形にはせず、キーワードを含めることが重要です。キーワードが入っていることで、クローラーはリンク先のページ内容を理解できるようになります。

また、関連性の高いページは内部リンクでつなぐことで、より見やすいサイトになり、SEO評価も高まりやすくなります。パンくずリストやサイドバーなどを利用し、内部リンクを通してページ同士の行き来がしやすくなるよう、工夫を行ってみてください。

 

テクニカルSEOのメリットとデメリット

メリットデメリットとペン
テクニカルSEOには、さまざまなメリットとデメリットがあります。

テクニカルSEOのメリットとデメリット

以下からは、コンテンツSEOと比較しながら解説します。

 

テクニカルSEOのメリット

テクニカルSEOのメリットは、以下のとおりです。

作業を定型化しやすい

テクニカルSEOは、コンテンツSEOに比べて、作業が定型化しやすい傾向にあります。GoogleからテクニカルSEOの手法が公開されており、「どうすればクローラーの巡回やインデックスを促しやすくなるか」がはっきりとわかっているためです。

コンテンツSEOは、評価の指標が比較的不明確なため、どこを改善すべきかがはっきりしているテクニカルSEOのほうが、取り組みやすいといえます。

アルゴリズムに左右されにくい

コンテンツSEOは、Googleにおけるアルゴリズムのアップデートに、検索順位を左右されやすい傾向にあります。現在のアルゴリズムで評価されやすい記事をたくさん作ったにも関わらず、突然のアップデートによって、それらの記事が検索結果の下位に落とされるケースも少なくありません。

対してテクニカルSEOは、アルゴリズムに左右されにくく、施策を行った効果がアップデート後も持続しやすいという特徴があります。

 

テクニカルSEOのデメリット

テクニカルSEOを行う際は、以下のデメリットについても知っておきましょう。

難易度がやや高めである

テクニカルSEOは、コンテンツSEOに比べて、難易度がやや高い傾向にあります。その理由は、専門知識が必要になりやすい点です。

テクニカルSEOでは、HTMLやサーバーといった裏側をいじったり、専用のファイルを作ったりします。「有益な記事の作成」といった表側の施策を中心に行ってきた人にとっては、取り組み方がよくわからないと感じられることも少なくありません。

技術者を雇うコストがかかる

テクニカルSEOを行ううえでは、プログラムに触れる場面もあるため、エンジニアなどの専門的な技術を有する技術者に任せなければならないシーンもあります。技術者に任せるとなると、外部に依頼するためのコストがかかる点にも、注意しなければなりません。

 

テクニカルSEO施策に活用できるおすすめのツール4選

パソコンを覗き込む数人のビジネスパーソン
ツールを利用することで、テクニカルSEO施策をより効率よく効果的に行いやすくなります。。特におすすめのツールは、以下の4つです。

テクニカルSEO施策に活用できるおすすめのツール4選

それぞれを具体的に見ていきましょう。

 

【無料】Google Search Console

Google Search Consoleとは、Webサイトの中で発生した問題やエラーなどのチェックが行えるツールです。

【Google Search Consolの概要】

ツール名 Google Search Console
料金 無料
できることの例 ・インデックスされているかのチェック
・クローラーが来ているかのチェック
・サイトマップの送信
URL https://search.google.com/search-console/welcome

ページがインデックスされているか、クローラーが来ているかのチェックが行えるため、テクニカルSEOの効果がしっかりと出ているかを確認できます。

また、サイトマップの送信を行うことで、クローラーがWebサイトの中を巡回しやすくなる効果も期待できます。無料であり、気軽に使用しやすい点もポイントです。

 

【有料】TACT SEO

TACT SEOは、SEO課題の抽出や業務の効率化を実現するSEOツールです。

【TACT SEOの概要】

ツール名 TACT SEO
料金 ・初期費用:110,000円~(税込)
・月額利用料金:99,000円~(税込)
できることの例 ・SEO課題の抽出
・記事作成業務のアシスト
URL https://tact-seo.com/

TACT SEOは、自社サイトを競合サイトと比較し、SEO施策における課題点を洗い出してくれます。どこに力を入れるべきかがすぐにわかるので、有効なテクニカルSEOを行いやすくなるでしょう。

また、記事作成の際は、そのキーワードで検索上位になっているページのタイトル・本文・見出しの傾向を分析してくれるため、クローラーとユーザーの双方が見やすいタイトルなどを作成しやすくなります。

 

【有料】Ahrefs

Ahrefsは、独自のクローラーによって集めたたくさんの被リンクデータをベースに、質の高い被リンク分析を行ってくれるツールです。

【Ahrefsの概要】

ツール名 Ahrefs
料金 月額21,890円〜(税込) 
できることの例 ・人気が高い競合サイトのページを分析
・サイトの順位変動のチェック
・流入しやすいキーワードの発見
・悪質な被リンクの発見
・ソーシャルメディアで拡散されやすいページの分析
URL https://ahrefs.jp/

Ahrefsを使うことで、競合サイトにおける流入が多いページをチェックしたり、流入しやすいキーワードを発見したりできるため、新たなコンテンツ作成に役立ちます。また、ページ評価を低下させることにつながる、悪質な被リンクをチェックできる点もポイントです。

 

【有料】Lumar(旧:Deepcrawl)

Lumar(旧:Deepcrawl)は、自社サイトが抱える問題点を分析してくれるツールです。

【Lumar(旧:Deepcrawl)の概要】

ツール名 Lumar(旧:Deepcrawl)
料金 要問い合わせ 
できることの例 ・テクニカルSEOに関する課題の発見
・Google Search Consoleとの連携
・サイト構造の改善
URL https://www.lumar.io/ja/

独自のクローラーがWebサイトの中を巡回し、テクニカルSEOに関する課題を見つけ出します。これにより、今行うべき施策が明確化され、効率よく取り組めるようになるでしょう。

また、Google Search Consoleと連携し、分析して問題点を見つけ出す機能もあります。そのほか、サイトを見やすくするためのサイト構造の改善も可能です。

 

まとめ

テクニカルSEOとは、検索エンジンをターゲットにして行う施策のことです。テクニカルSEOは、クローラー向け施策・インデックス向け施策の2つに分けられます。

クローラー向け施策は、表示速度を高速化したり、サイト内構造を整えたりする施策が挙げられます。インデックス向け施策の例は、重複コンテンツの削除やタイトルの改善などです。テクニカルSEOは作業が定型化しやすく、アルゴリズムに左右されにくいというメリットを持っています。

 

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