Webを利用したマーケティングが大きく普及したことにより、近年ではSNSを使ったマーケティングも成長を遂げています。たとえば企業やブランドの公式SNSアカウントなどを利用して広告を出すといった方法です。このようなSNSを使った広告について、SEOはどの程度影響を与えるのでしょうか。
そこで今回は、SNSに期待できるSEOの効果やシェアされるためのポイントについて、解説します。これからSNSを使ったマーケティングに力を入れようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
SNS・SEOとは
まずは「SNS」と「SEO」がどういったものなのか、詳しく説明しましょう。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)
SNSとは「Social Networking Service」を略した呼び名であり、登録制の交流Webサイトの総称です。SNSとして特に有名なものに、Twitter・Facebook・Instagramなどがあります。 SNSでは、知り合い同士や趣味のつながりで集まった人々が、特定の世界での交流を無料で行えるところがメリットです。コンテンツの公開範囲を制限できるものが多く、仲間内で情報やファイルを共有できるなど、SNSによりさまざまな機能を持っています。
SEO(サーチエンジンオプティマイゼーション)
SEOは「Search Engine Optimization」を略したもので、「検索エンジンの最適化」を表します。わかりやすくいえば、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンで、検索をしたときに上位に表示されるよう、Webページのコンテンツやキーワードを最適化するための施策のことです。
SEOと似たものに「SEM(検索エンジンマーケティング:Search Engine Marketing)」というものがあります。SEMは、検索エンジンについてのマーケティング施策全般の総称です。
つまり、SEOはSEMの中の1つの施策となっています。SEMにはSEOのほかに、検索連動型広告といったものもあります。
SNSには被リンクなどの、SEOに対する直接的な効果はない
Web上でコンテンツを公開するときに、特定のキーワードを入れるなど、SEO対策をすることで検索された際の表示順位を上げることが可能です。 自分のコンテンツが他の人にシェアされることを「被リンク」といいます。つまり、外部のサイトから自分のサイトへリンクが向けられる「被リンク」を多く獲得することは、検索順位に大きな影響を与えることが可能です。
ところが、SNS上で他人のコンテンツをシェアしてもSEOへ直接影響が及ぶということはありません。なぜならSNSリンクには自動的に、nofollow属性(リンク評価の受け渡しを無効化する)というタグが付加されるからです。
SNSは利用者数が巨大なため、日々作り出されるリンクの数も膨大です。それらを検索エンジンが1つずつ確認して評価していると、ページ評価の基準が崩れてしまう恐れがあります。また、SEO目的でbotを利用した機械的なリンク作成を行う悪徳業者も存在します。
このような状況から、検索エンジンのクローラー(検索順位を決める要素を回収するbot)が適切な評価を行えるように、SNSに関与しないようにする必要がありました。そのためSNS上でのシェアリンクにはnofollow属性が自動的に付与されるようになっているのです。
SNSに期待できるSEOへの間接的な効果
前述の通り、SNSでのシェアリンクはSEOに直接効果を与えることはありませんが、間接的には次のような効果を得られる可能性があります。
サイテーションを獲得できる
サイテーションとは、被リンクという形ではなく、Web上でサイト名・企業名・商品名・サービス名などの名詞が他者に引用されたり、言及されたりすることです。 たとえばあるブランド名がTwitterやブログ上で拡散されると、多くのフォロワーの目に触れることになり、認知度が高まります。
認知度の高い名詞は、Googleなどの検索エンジンによって高く評価されます。 SNSでのシェアリンクはこのような形でサイテーションを獲得できるため、間接的にSEOによい影響を与えることが可能です。
被リンクの獲得につながる
サイテーションを獲得したSNSコンテンツは、さらに多くの人の目に触れることになります。最近では話題の投稿をピックアップして掲載するニュースサイトも多く、そこで取り上げられた場合には、その記事内でリンクを張ってもらえる可能性が出てきます。なお、記事内のリンクは「被リンク」として有効です。 このように、SNSでのシェアリンクは間接的に被リンクの獲得につながります。
サイトへの流入増加につながる
サイテーションの獲得により被リンクを多く獲得できるようになったコンテンツは、サイトへの流入増加を望めるようになります。 実際にFacebookなどのSNSでシェアされたコンテンツでも、コンテンツに含まれるブランド名などの名詞が高い認知度を得ることがあります。その結果、外部サイトからの被リンクを得やすくなり、それを目にした多くのユーザーからのアクセス獲得を期待できるのです。
SNSでサイテーションを獲得するための4つのポイント
SNSで間接的にSEO効果を高めるためにも、次のような方法でサイテーションを増やしていきましょう。
①SNSのフォロワーを増やす
自身のサイトの主要テーマに関連するフォロワーを増やすことが大切です。少しでも早めにSEO効果を得られるようにするためには、コンテンツの内容についても多くの人に刺さるものを作成し、投稿するようにしましょう。
②SNS&自社サイトで良質なコンテンツを継続的に投稿する
多くのフォロワーを獲得したいからといって、とにかく数を増やせばよいというものではありません。コンテンツの価値を上げるためには、必ず内容を精査して良質なものだけを継続的に投稿し続けることが大切です。
➂SNS&自社サイトでシェアしたくなるコンテンツを投稿する
広く拡散されるコンテンツには、「おもしろい」「ためになる」「癒し系」「感動系」といったポジティブなものが多い傾向にあります。その内容を読んだり見たりした人が、他の人にも知って欲しいと感じるようなコンテンツであれば、自然とシェアしたくなるものです。
④自社サイト内にソーシャルボタンを設置する
広くシェアして欲しいWebページには、Twitter・Facebook・Instagram・LINEなどのソーシャルボタンを設置しておきましょう。ページを読んでいるユーザーが内容をシェアしたいと思ったタイミングを逃さないようにすることが大切です。
サイテーションの獲得状況を確認する方法
SNSのシェアを利用して間接的にSEO効果を継続的に得ていくためには、自社サイトのサイテーション獲得状況を定期的に確認していく必要があります。おすすめの方法は次の4つです。
各SNSを確認する
TwitterやInstagramといったSNSで、自社名やサイト名などにハッシュタグ(#)を付けて検索してみましょう。自社名やサイト名、ブランド名などがどのくらい言及されたかを確認することができます。
「Yahoo!リアルタイム検索」を利用する
こちらはTwitter・Facebookのみに有効な方法ではありますが、登録やログインをすることなく手軽に利用できるところがメリットです。自社サイトのサイテーションをリアルタイムで確認することが可能です。
Google Search Consoleを利用する
こちらは、自社サイトなどがGoogleの検索機能でどのくらい検索されているかを確認できる無料のツールです。Google検索の結果に表示される頻度や検索クエリなど、詳しいサイテーションを確認することができます。
Google検索を利用する
一般的に広く利用されているGoogle検索でも、自社のサイテーションを確認することが可能です。検索バーで「“自社サイト名”-site:自社サイトURL」を入力して検索してみましょう。自社サイトのドメインを除外した検索結果を確認することができます。
SEOのためにSNSを運用する際の注意点
SNSのコンテンツを良質なものにしておかないと、広くシェアされることはありません。また、炎上してしまうような投稿があると、マイナスイメージのあるサイテーションを集めてしまうことになります。 SEOの評価を上げるためにも、質の良いポジティブなコンテンツをアップしていくことが重要です。
まとめ
SNS上でのシェアは、SEOに対して直接的な効果を及ぼすことはありませんが、シェアによって多くの人の目に触れることで、間接的にサイトへの訪問者数を増やす役目を果たすことになります。 小さなチャンスをも逃さないようにするためにも、コンテンツの質を高く維持してアップしていくことを意識しましょう。