ヒューマンスキルという言葉を直訳すると「人間能力」というように訳されてしまいますが、実際には「対人関係能力」と呼ばれるビジネスマンに求められるスキルの一つとなっています。
元々はアメリカの経済学者であるロバート・カッツ氏が提唱したスキルの一つとなっていますが、最近の日本では「個人や集団を導く能力」というような意味合いで使われていることもあります。
こちらでは、ヒューマンスキルがどのようなスキルなのかということについて詳しく紹介していきます。
ヒューマンスキルはマネジメントに求められる3つのスキルのうちの1つ
ヒューマンスキルがカッツ氏の提唱した3つのマネジメントスキルの1つとして挙げられているということについては冒頭でも紹介しましたが、残りの2つについては「テクニカルスキル（業務遂行能力）」と「コンセプチュアルスキル（概念化能力）」とされています。
この2つにヒューマンスキルを合わせた3つのマネジメントスキルを知ることによって、ヒューマンスキルがどのようなスキルなのかということを知ることが出来ますので、それぞれのスキルについて紹介していきます。
まずはテクニカルスキルについてですが、こちらは文字通り業務を遂行する上で必要だとされる専門的な知識や技術のことを指していて、現場の社員に最も必要な能力だとされています。
しかし、近年ではマネジメントに携わる人もテクニカルスキルが必要だとされていて、業務遂行能力が高いことによって適切な指示を出すことが出来るということに繋がります。
次にコンセプチュアルスキルについてですが、こちらは組織や事業を俯瞰的に把握して、今後の動向の予測や戦略を立案する能力となっています。
コンセプチュアルスキルはどちらかと言えば、トップマネジメントに位置する人に求められるスキルとなっていて、日本のビジネス社会の場合では社長もしくは役員といった立場の人に求められるスキルです。
最後にヒューマンスキルについては、コミュニケーション能力の一種だとされていて、任務がスムーズに遂行することが出来るようにチーム内のメンバーや取引先との関係を円滑にする能力となっています。
そのため、ヒューマンスキルというのは単純に良い人間関係を築くことが出来るスキルだというように認識されるケースが多いですが、実際には組織を引っ張るリーダーに求められる資質となっていますので、その点については勘違いしないようにしてください。
ビジネススキルとヒューマンスキルの違いとは
ヒューマンスキルというのはマネジメントスキルの一種となっていますが、分類ではビジネススキルの一部とされていることが特徴的です。
もっと細かく分類するのなら、ビジネススキルというのは業務を担うために求められる総合的な能力のことを指していて、その中のヒューマンスキルは対人関係を担う能力だということです。
そのため、極論を言えばヒューマンスキルが低くてもビジネススキルが高ければ1人の社員としてのステータスは満たしているというような考えをすることも可能です。
また、ビジネススキルの場合は、職場や職種が変わると1から育てないといけないスキルとなりますが、ヒューマンスキルの場合は対人関係に関わるスキルとなっているために汎用性が高くなっていることが挙げられます。
日本のビジネス社会では特に業務遂行能力よりも対人関係能力のほうが評価されやすいということもあり、ビジネススキルよりもヒューマンスキルを鍛えたほうが役職や給与がアップしやすいと言っても過言では無いかもしれません。
状況や環境によって異なるヒューマンスキルの意味合い
ヒューマンスキルの概念は幅が広くなっていて、職場内のコミュニケーションや、プレゼンテーション、後輩の指導や業務交渉、計画の調整など様々な能力の総称となっていますので、状況や環境によって大きく異なるのが特徴的です。
会社の規模だけで比較するのなら、規模が大きな会社の場合は社内で有効なスキルが求められる傾向にあり、規模が小さい会社の場合は社外で有効なスキルが求められる傾向にあります。
上記の例を参考にするのなら、職場内のコミュニケーションや後輩の指導などが求められるのは会社の規模が大きいケース、業務交渉や計画の調整などの能力が求められるのは会社の規模が小さいケースとなっています。
もちろん、業務内容などによっても大きく異なりますので、ヒューマンスキルで身につけたほうが良い能力やスキルなどは一概に何をすれば良いのかということは挙げられません。
まずは自分の置かれている環境や状況を把握することが大切なので、把握が完了してから求められる能力を身につけるようにしたほうが良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか？
最近はビジネス誌などでもヒューマンスキルがビジネスマンに求められるスキルというように紹介されているケースが多くなりましたが、名称が新しいからと言って新しいことをしなければならないということではありません。
今まで使われていた、コミュニケーション能力や業務遂行能力を組み合わせたものだというように認識すれば何の問題もありませんので、向上心を持って現状に満足することなく進めば問題がないということになります。
