商談中に訪れる沈黙を極端に怖がる人は多いです。
沈黙を怖がる人の傾向としては売れない営業マンに多くなっているのですが、そういう人は沈黙がある状況のことを「否定される」というように思い込んでしまうために、少しでも沈黙を無くそうとして立て続けに言葉を浴びせ掛けるようなタイプが多くなっています。
今回紹介するのは、商談中の沈黙に焦点を当てたサイレントフォーカスというテクニックについて詳しく紹介していきます。
目次
サイレントフォーカスの3つの効果
サイレントフォーカスというのは、本来は心理学の用語となっていて、沈黙を生むことによって人を惹きつける手法となっています。
沈黙を怖がる人の多くは、沈黙に「なってしまった」という状況を怖がるケースが多くなっていますが、自分から沈黙を「生み出している」というように考えることによって成約率を高めることが出来るようになります。
こちらでは、サイレントフォーカスが持っている3つの効果について紹介します。
①自分に注目してもらう
1つ目は、冒頭でも少しだけ紹介したように、自分に意識を向けさせるというという効果です。
人間の脳というのは多くの情報を一度に処理することが出来るような構造になっていませんので、休憩という名の沈黙を挟むことによって自分に意識を向けさせることが出来るようになります。
商談相手に質問をしてもらう
2つ目は相手から質問させるという効果です。
顧客と自分が1対1で話す形式の営業では互いに言葉を交わすことによって信頼関係を結ぶことになります。
そのため、自分だけが話すのではなく相手からも行動を起こさせることによって互いの信頼を高める効果があります。
また、少しヨコシマな考えをするのならば、人間というのは自分の疑問が自分の問い掛けによって解消した時に強く共感する心理が働きます。
そのため、出来る営業マンというのは既に答えがある物事に対しても顧客から質問させて回答することによって信頼関係を強くするというテクニックを持っていることもあります。
相手にプレッシャーをかける
3つ目は相手にプレッシャーをかけるという効果です。出来ない営業マンが沈黙を嫌がるように、顧客も沈黙が嫌だという人が多いです。
特に価格や料金を提示した後に相手が黙ってしまうと自分が決断しなければならないというような状況になりますので、自分が話すまでは相手が話すことはないという心境になります。
そうすると何も話さなくても相手がプレッシャーを感じるようになりますので、無言のプレッシャーを掛け続けることが出来るということです。
このようにサイレントフォーカスというのは、状況によって様々な効果を生むことが出来るテクニックとなっていますが、どれも沈黙の状態であるということが条件となっていますので、出来る営業マンは沈黙を上手く活用して成約率を高めています。
サイレントフォーカスの活用方法
サイレントフォーカスを上手く活用するシーンについては上記でも紹介したように様々なシーンで活用することが出来ます。
こちらでは具体的なサイレントフォーカスの活用方法について紹介していきますが、サイレントフォーカスの目的については冒頭でも紹介したように、自分に意識を向けさせるのが基本です。
そのため1対1の営業で活用する際には、初期情報を相手に伝えて、質問させるという使い方が一般的になっています。
当然のことながら、質問に対しては完璧な回答をするということが絶対条件となっていますので、自分の売り込みたい商品やプロジェクトなどについては自分の中で100%把握しておくということが必要です。
質問に対してスムーズに回答することが出来なければ、「自分の売り込む商品のことも知らない人」というレッテルを貼られることになりますので、サイレントフォーカスの意味が無くなってしまいます。
1対多の場面で使うケースでは、プレゼンをしている状況などが挙げられますが、こちらの場合は、あえて中途半端な部分で言葉を区切ることによって自分に意識を向けさせることが出来るようになります。
これは、自分が発表をしている際に聴衆が周りと会話を始めてしまって、その場が少しザワザワとしている場合などでも活用することが出来ます。
このようにサイレントフォーカスというのは、様々なシーンで活用することが出来ますので、自分の状況に置き換えて上手く活用すると良いでしょう。
出来る営業マンは沈黙を恐れない
出来る営業マンほど商品を売らずに自分を売るというような言葉がありますが、世の中には自分が売り込みたい商品と似たような商品やサービスというのは山のようにあります。
しかし、顧客がその全ての商品のことについて知っているのかと言われると知らないケースが多いので、顧客と信頼関係を結ぶのが営業マンには必要だということです。
そして、出来る営業マンほど全ての出来事を武器にします。
今回のケースだと、沈黙すらも武器の一つとなっていますので、出来る営業マンほど沈黙を上手く活用して成約率を高めることが出来るということです。
まとめ文
いかがだったでしょうか?
商談中の沈黙を極端に恐れる人が多いですが、沈黙というのは否定の意味だけではなく自分の中で情報を整理している際にも同じ状況が起こります。
問題となるのは、なぜ沈黙が起こったのかという過程となっていて、営業マンが自分から起こした沈黙ならば何も恐れる必要はないということです。
成約率をアップさせる秘密というのは自分が恐れている中に隠れているということも多いので、自分が不安に思っていることを解消することが出来れば自分の技術を一段階アップさせることに繋がります。