あいさつは社会人のマナーとして基本中の基本。「おはようございます」「はじめまして」など、私たちは日常で色々なあいさつを使い分けています。
しかし、あいさつに込められた意味や社内でのあいさつの仕方について完全に理解している人はどれほどいるのでしょうか。
そこで今回は社会人なら最低限知っておきたいあいさつのマナーについてのポイントをお伝え致します。
目次
どう使い分けたらいいのか
「お疲れ様」
「お疲れ様」という言葉は目上の人に使います。疲れている相手を労った言葉です。部下から目上の上司へはもちろん、上司から部下や後輩に使う事もあります。
また社内メールでも冒頭に「お疲れ様です」を使う所が多いです。社内の人に「お世話になっております」は少し堅苦しいので「お疲れ様です」を使う方が自然な印象となります。
「ご苦労様」
「ご苦労様」という言葉は部下から上司へは絶対に使いません。由来は昔にお殿様から家来に対して使った「ご苦労」という言葉が丁寧になったと言われているからです。
その為、上司から部下に対して「よく頑張ってくれたね、本当にご苦労様」と声を掛けるのは普通の事です。しかし上司に対して「私の為に働いてくれて本当にご苦労様」と言ったら大変な事になってしまいます。
「お疲れ様」も「ご苦労様」も相手を労う意味は同じですが、使う相手を間違えないようにしましょう。
「おはようございます」
電話応対や来客応対などで「おはようございます」は何時まで使って良いのかという疑問をよく聞きます。多くの企業は10時半を一つの区切りとしている所が多いようです。
では10時半以降は「こんにちは」で良いのでしょうか。確かに「こんにちは」もあいさつとして間違ってはいませんが、ビジネスシーンではカジュアルな印象になってしまいます。
その為ビジネス用語としては「お世話になっております」を使うのが社会人として好ましいあいさつとなります。
挨拶のポイント 挨拶の仕方
「明るく(アイコンタクト)・いつでも・さきに・続けて」
それぞれの単語の頭文字を繋げると「あいさつ」になります。これは学校でも生徒たちにあいさつを促すために教えている標語です。
よく職場でも部下から先にあいさつをすべきだとも言われていますが、タイミングが合わない事も考えられますよね。標語にもあるように先に気付いた方があいさつをすると、職場の空気も良くなります。
退社する時のあいさつ
定時になったからといって荷物をまとめて、周囲に何も言わずに帰ってしまう。これは社会人としてあまり良いものではありません。
「何かお手伝いできることはありますか」と一言添えるようにしましょう。あいさつに気遣いを添えて、感じが良く周囲から好かれる社会人を目指してください。
同時礼と分離礼を使い分ける
同時礼は言葉とお辞儀を同時にするあいさつで、社内や受付で使われています。分離礼は言葉を言い終えてからお辞儀をするもので、接客業や営業は分離礼を推奨する所が多いです。
見た目の違いとしては分離礼の方が、同時礼に比べて丁寧な印象になります。どの場面ではどちらの礼をするのか、使い分ける事も社会人として大切なマナー。
謝罪の場や大切な営業のシーンで同時礼をしてしまうと、見る人によっては雑な印象になってしまいます。たかがあいさつと思わずに、一つの言葉そして一つの動作に気持ちを込めてあいさつをしましょう。
お辞儀の種類
会釈
会釈は身体を15度に傾けたあいさつです。社内でのあいさつなどに多く使われます。
ポイントは1.5m~2m先を見る事です。会釈は「こんにちは」「おはようございます」の一言があっても良いですし、目礼だけでも構いません。
敬礼
敬礼は身体を30度に傾けたあいさつです。接客や営業のあいさつによく使われます。ポイントは身体を折る前に相手の目を見て、ゆっくりと身体を倒し視線は60cm先を見ましょう。
慣れていない人にありがちなのは、首だけを下げてしまう、反対に顔だけが相手を向いたままになってしまうもの。鏡を見たり、同僚にチェックしたりするなど綺麗な敬礼を心掛けてください。
最敬礼
最敬礼は身体を45度に傾けたあいさつです。一番丁寧なお辞儀と言われており、謝罪の時に使われます。ポイントは自分の足元まで視線を下げる事。
「申し訳ありませんでした」と謝罪の言葉を言い終えてから頭を下げる事です。もし動作と謝罪の言葉が同じなら、床に謝罪をするという構図になってしまいます。
これでは余計に相手を怒らせる原因にもなりますので、間違えないようにしましょう。
まとめ
いかがでしょうか。あいさつは自分では「きちんとやっています」と思いがち。しかしアイコンタクトやお辞儀の角度などを考えると、実際にできている人は少ないのではないでしょうか。
あいさつの意味、ポイント、言葉を使い分ける事。これらを徹底し社会人として、気持ちの良いあいさつができるようにしていきましょう。