リスティング広告でのキーワード選定の手順|成果が出やすいキーワードとは?

リスティング広告でのキーワード選定の手順|成果が出やすいキーワードとは?

リスティング広告は、広告の内容に興味のあるユーザーを集めやすい広告です。しかし適切な方法でキーワード選定を行わなければ、成果にはつながりにくくなります。

そこで今回の記事では、リスティング広告におけるキーワード選びのコツや、キーワードを精査する際のポイントなどについて解説します。記事を読むことで、効果的なリスティング広告を打ち出しやすくなるでしょう。

 

そもそもリスティング広告とは

タブレットの表示された検索エンジン
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索したときに、検索ワードに応じて表示される広告のことです。主に検索結果の最上部に表示されます。

例えば「転職」と検索すると、転職エージェントが出稿するリスティング広告が表示されます。幅広いユーザーに対してランダムに広告を表示するのではなく、転職について検索した(=転職を考えている可能性が高い)ユーザーに表示されるため、クリック率を高められるのです。

Googleの検索結果

上記のように、広告内容に関する検索を行ったユーザーだけに広告を見せられるため、自社製品等に関心のあるユーザーを効率よく集客することが可能です。

 

リスティング広告にかかる費用

リスティング広告にかかる費用は、30万〜50万円程度です。具体的な費用については、狙いたいターゲットによって異なりますので、費用ごとに狙えるターゲットの例を参考に検討してみてください。

例えば予算が30万円以下の場合、狙える主なターゲットは自社商品に興味があるユーザーや、購入意欲の高いユーザーが中心となります。

具体的には、化粧品を扱っている会社が、「Aファンデーション」と自社の商品名で検索してくるユーザーや、「化粧品 お試し」といった化粧品を買ってくれる可能性の高いキーワードで検索するユーザーが該当します。

対して50万円程度の予算があれば、潜在層のターゲットを狙うことも可能です。化粧品であれば、「デート 身だしなみ」のように、「まだ化粧品には行き着いていないが、化粧品に興味を示す可能性のあるユーザー」が該当します。

予算に関係なく共通して大切なのは、適切なキーワード選定を行うことです。キーワード選定の方法を誤ると、届いて欲しいターゲットに届かず、施策が無駄になってしまう可能性があります。したがって、適切なキーワードを選定し、効果的な施策を行うことが重要です。

 

キーワード選びの考え方のポイント

keywordresearchの文字と電球のマーク
キーワード選びを行うときに注目すべきポイントは、以下の2つです。

キーワード選びの考え方のポイント

上記2つのポイントをバランスよく意識し、効果的なキーワードを選びましょう。

 

検索のボリューム

検索ボリュームとは、そのキーワードがユーザーにどのくらい検索されているかを示す数値です。選んだキーワードの検索ボリュームが大きければ大きいほど、たくさんのユーザーがその広告を見ることになります。多くのユーザーを集客したいのであれば、検索ボリュームの大きいキーワードを選ぶ必要があります。

検索ボリューム

例として、「新宿 イタリアン」というキーワードで調べてみましょう。「新宿 イタリアン」というキーワードは、ボリュームが22,200ほどあります。対して「新宿 ランチ イタリアン」と時間帯を限定しキーワードは、検索ボリュームが5400でした。また、メニューを限定した「新宿 カルボナーラ」というキーワードでは、検索ボリュームは480程度しかありません。

検索ボリュームの大きなキーワードは多くの方が検索しているため、たくさんのユーザーに見てもらえます。しかし検索ボリュームが大きすぎると、ほかにもそのキーワードで広告を出したいライバルが多かったり、クリック単価が高めに設定されていたりする可能性が高いです。

したがって、広告を出稿するときには、検索ボリュームと費用のバランスをとることが大切です。

 

検索の意図

検索の意図とは、「そのキーワードを検索したユーザーが考えている内容」のことです。具体的には、「その商品の詳細について知りたい」「そのサービスを利用したい」といったものが挙げられます。

闇雲に検索ボリュームの大きなキーワードを狙うだけでは、適切なキーワード選定は行えません。なぜなら、検索の意図と広告の内容が合っていなければ、コンバージョンを達成できない可能性が高いからです。

例えば、旅行会社が北海道の宿泊プランを宣伝したいとしましょう。この際に狙うべきキーワードは、「北海道 旅行 格安」「北海道 旅行 パック」といったものです。同じ北海道旅行に関するキーワードであっても、「北海道 お土産」「北海道 観光」といったキーワードは意図とずれてしまいます。

お土産や観光について調べているユーザーは、すでに北海道旅行の宿泊予約を済ませており、「北海道で何を買ってどこを回ろうか」と、検討する段階に入っている可能性が高いからです。

検索意図にマッチしていないと、コンバージョンにつなげることは困難となります。「自社が出す広告によって、検索したユーザーの目的を満たせるのか」と、必ず考えるようにしましょう。

 

リスティング広告でのキーワード選びの手順

資料を見ながら作業をする様子
リスティング広告のキーワード選びをするときは、具体的にどのように進めればよいのでしょうか。実践すべきおおまかな手順は、以下のとおりです。

リスティング広告でのキーワード選びの手順

以下からはそれぞれのステップについて、具体例を挙げながら解説していきます。

 

➀ターゲットに応じて軸になるキーワードを決める

まずは、軸となるキーワードを設定しましょう。例えばイヤホンを売りたいときに軸となるキーワードは、「イヤホン」「ワイヤレスイヤホン」です。

自分で思いつかないときは、Googleのキーワードプランナーを活用してみましょう。キーワードプランナーとは、Googleが提供している、検索ボリュームや入札単価などを確認できるツールのことです。

googleキーワードプランナー

キーワードプランナーで「イヤホン」と検索してみると、「ワイヤレスイヤホン」「ヘッドホン」「ブルートゥースイヤホン」「エアーポッズ」「骨伝導」といったさまざまなキーワードが表示されます。ここで表示されるキーワードを、軸キーワードのヒントにするのもおすすめです。

 

➁軸と掛け合わせるキーワードを洗い出す

軸になるキーワードが決まったら、そのキーワードと掛け合わせるキーワード(サブキーワード)を洗い出しましょう。例としてイヤホンであれば、「おすすめ」「安い」「人気」「コスパ」といったキーワードが該当します。

掛け合わせるキーワードを決めるときには、ラッコキーワードを使用するのがおすすめです。ラッコキーワードとは、無料でも使用できるキーワードのリサーチツールです。

ラッコキーワードに「イヤホン」と打ち込んで検索すると、「イヤホン」のサジェストキーワード、つまり一緒に検索されているキーワードが一覧で表示されます。表示されたサジェストキーワードの中から、自社製品にマッチするキーワードを洗い出してみましょう。

ラッコキーワード画面

イヤホンだけで検索すると、基本的には「イヤホン ワイヤレス」「イヤホン おすすめ」といった2語のキーワードが表示されます。ここで「イヤホン ワイヤレス」と検索し直すと、「イヤホン ワイヤレス ランキング」「イヤホン ワイヤレス 安い」といった3語のキーワードが表示されるようになります。

ラッコキーワード画面2

キーワードの数を増やすことで、より詳細で検索意図のわかりやすいキーワードを見つけられるでしょう。

 

➂キーワードを分類して精査する

軸と掛け合わせるキーワードが洗い出せたら、それぞれのキーワードを分類していきましょう。

「イヤホン」のサブキーワードの中でも、「安い」「コスパ」といったものは、イヤホンを購入したいユーザーが検索している可能性が高いです。対して「Bluetoothつなげ方」といったキーワードは、現在所持しているBluetoothイヤホンのつなげ方を知りたいユーザーが検索しています。

「Bluetoothつなげ方」で検索したユーザーに、新たなイヤホンを購入してもらうのは困難です。イヤホンを売り出したいのであれば、「安い」「コスパ」の検索結果に表示させましょう。

 

キーワードを精査する際のポイント

パソコンで作業をする人たち
洗い出したキーワードの中から、さらにキーワードを絞っていくときには、以下のポイントに注目してください。

キーワードを精査する際のポイント

 

➀コンバージョンにつながるキーワードを見極める

コンバージョン、つまり商品の購入やお問い合わせといったゴールにつながりやすいキーワードを見極めましょう。

コンバージョンにつながりやすいキーワードの例としては、「格安」「1万円以下」「セール」といったものが挙げられます。こうしたキーワードで検索するユーザーは、「安いものがあるのであればすぐにでも購入したい」と思っている可能性が高いです。

そのほかにも、「購入」「通販」「資料請求」といった、具体的なアクションを思わせるキーワードもコンバージョンにつながりやすいです。

 

➁入札単価や競合性もチェックする

入札単価

入札単価とは、広告主が指定した「広告が1回クリックされるごとに最大でいくらまで支払えるか」の金額のことです。競合性とは、「広告主がそのキーワードについてどのくらい競い合っているか」を示すものです。競合性の高いキーワードは人気があるため、広告枠を勝ち取るためには多くの費用が必要になります。

コンバージョンにつながりやすいキーワードは、入札単価や競合性も高い傾向にあります。コンバージョンのつながりやすさだけで選ぶと予算をオーバーする可能性があるので、入札単価や競合先についてもあらかじめ確認しておくと安心です。

 

➂自社の商品・サービスにつながらないキーワードは除外する

検索ボリュームが高いからといって、必ずしも自社の商品やサービスのコンバージョンにつながるとは限りません。例として、「イヤホン」における人気なサジェストキーワードの中には、「格安」「1万円以下」「セール」といったものがあります。

安さが売りのイヤホンを販売しているのであれば、上記のようなキーワードは狙い目です。しかし高級さにこだわった上質なイヤホンを販売しているのであれば、上記のキーワードを選んでもユーザーに刺さらない可能性が高いでしょう。

自社商品のコンバージョンにつながりやすいキーワードはどれなのか、慎重に検討することも大切です。

 

キーワードのマッチタイプとは

keywordの文字と三つの虫眼鏡
マッチタイプとは、ユーザーがあるキーワードで検索したとき、その広告を表示させるか否かを決定するルールのことです。リスティング広告にキーワード登録を行うときは、マッチタイプを選択しなければなりません。マッチタイプの選択方法は、以下のとおりです。

キーワードのマッチタイプ

「イヤホン 安い」のマッチタイプをそれぞれの選択方法にしたときに、表示されるか否かについてまとめると以下のようになります。

検索ワード 完全一致 フレーズ一致 部分一致
イヤホン 安い ○(表示される)
安いイヤホン
イヤホン 格安
イヤフォン 安い
イヤホン 安い おすすめ ×(表示されない)
イヤホン 安い コンビニ ×
イヤホン おすすめ × ×
イヤホン ランキング × ×
イヤフォン × ×
イヤホン セール × ×

 

完全一致

完全一致とは、同じ意味を持っているキーワードで検索されたときに表示する設定のことです。「イヤホン 安い」のマッチタイプを完全一致にすると、以下のキーワードで検索されたときに表示されるようになります。

  • 「イヤホン 安い」
  • 「安いイヤホン」
  • 「イヤフォン 安い」
  • 「イヤホン 格安」

なお、語順などが異なっていても、意味が一緒であれば完全一致として表示されることが多いです。しかし、以下のような追加のニュアンスが含まれる場合は表示されません。

  • 「イヤホン 安い おすすめ」
  • 「イヤホン 安い コンビニ」

 

フレーズ一致

フレーズ一致は、同様の意味を含む際に表示する設定です。「イヤホン 安い」のフレーズ一致の例は、以下のとおりです。

  • 「イヤホン 安い」
  • 「安いイヤホン」
  • 「イヤホン 安い おすすめ」
  • 「イヤホン 安い コンビニ」

以下のキーワードでは表示されません。

  • 「イヤホン おすすめ」
  • 「イヤホン ランキング」

 

部分一致

登録キーワードに関連性が高い検索ワードに表示される設定です。「イヤホン 安い」が登録キーワードであれば、「イヤホン 格安」「イヤフォン」「イヤホン セール」といった幅広いキーワードで表示される可能性が高くなります。

 

リスティング広告のキーワード選定ツール

スマホとパソコンを使って検索する様子
リスティング広告のキーワード選定を適切に行いたいのであれば、以下のようなキーワード選定に特化したツールを使うことが重要です。

リスティング広告のキーワード選定ツール

 

キーワードプランナー

キーワードプランナーとは、Google広告を使っている人が利用できる、関連キーワードを抽出するツールのことです。キーワードごとの検索ボリュームや入札単価などを、無料でチェックできます。

「多くのユーザーを集めるためにはどのキーワードを選択すべきなのか」「ライバルが少ない穴場のキーワードにはどのようなものがあるのか」といったことを、確認するときに使用しましょう。

 

ラッコキーワード

ラッコキーワードは、サジェストキーワードなどを調査できるツールです。前述のとおり、検索ボックスにキーワードを入力すると、そのキーワードのサジェストキーワードが一覧で表示されます。「そのキーワードがどのような話題で検索されているのか」をチェックできるため、キーワード選定の重要なヒントになります。

「A」から「Z」まで、「あ」から「ん」までの言葉で始まる幅広いキーワードが抽出されるので、思わぬキーワードを見つけられるかもしれません。登録しなくても使用できるため、気軽に検索できます。

 

キーワード選定後の運用も重要!

分析結果をみながら会議をする様子
リスティング広告は、一度キーワードを選定したらそれで終わりではありません。キーワード選定後も定期的にパフォーマンスをチェックし、改善を図っていきましょう。

例えば、キーワードを登録したときに想定していなかったような、思わぬキーワードで広告が表示されていたとします。コンバージョンにつながる可能性があればそのまま表示しておいても問題ありませんが、中にはまったくコンバージョンにつながらないキーワードの場合もあります。コンバージョンにつながりにくいキーワードに関しては、除外キーワードに登録し、表示されないように設定しましょう。

また、コンバージョンにつながる新たなキーワードを思いついたら、新しく追加することでさらなる成果が期待できます。広告を出したまま放置するのではなく、広告の成果と照らし合わせながらキーワードの調整を行い、より効率的な広告運用を行っていくことが重要です。

 

まとめ

リスティング広告を利用するときには、キーワード選定が重要です。適切な方法で選定しなければ、検索したユーザーに響かなかったり、そもそもユーザーの目に入らなかったりと、十分な成果が得られなくなります。今回紹介した方法をもとに、慎重なキーワード選定を行いましょう。

 

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