「SEOという言葉をよく聞くけど、そもそもどういう意味?」「SEO対策は何をすればいいの?」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。SEO対策をしっかり行えば、サイトが検索結果の上位にランクインされて、認知度アップを狙えます。
そこで今回は、SEO(検索エンジン最適化)の仕組みやメリット・デメリット、SEO対策のポイントについてご紹介します。2023年に注視すべきSEOの動向についても解説していますので、SEOの知識を身につけて適切な対策を行いたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
SEO(検索エンジン最適化)とは
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジン最適化のことを指します。Webサイトをより多くのユーザーに見てもらうために、検索エンジンの上位検索結果にランクインされるよう、コンテンツの質を高める施策です。
一般的に、Web検索でクリック率が高いのは、検索結果の1番上にランクインされるWebページだといわれています。せっかく自社のWebサイトを作成しても、関連するキーワードでの検索結果で4番目や5番目に表示されていると、ユーザーの流入をあまり見込めません。
Webページを検索結果の上位にランクインさせて、自社サイトへの流入を増やすために実施する取り組み全般のことを「SEO対策」といいます。SEOの仕組みをしっかり理解して、適切なSEO対策を行うことが大切です。
SEO対策はデジタルマーケティングの1つ
前述したように、SEO対策とは、特定のキーワード検索で上位にランクインされることを目指し、サイトへの流入を増加させるための総合的な取り組みを指します。
SEO対策は、デジタルマーケティングの1つです。デジタルマーケティングとはその名のとおり、デジタル技術を使ったマーケティングのことです。現代社会では、WebやIoT、AIなど、あらゆるところでデジタル技術が使われています。
SEO対策において、Webページを検索結果の1位にランクインさせることが最終目標ではありません。最終的に、自社商品やサービスを販売したり、登録したりというコンバージョン(成果)につなげることが目的です。
コンバージョンにつなげるためには、検索エンジン経由でWebページを訪問するユーザーのニーズを把握し、需要に応じた良質なコンテンツを作る必要があります。SEO対策の具体例としては、主に以下の2種類があります。
【SEO対策の具体例】
内部施策(テクニカルSEO、コンテンツSEO) | サイトやページの中身を最適化する |
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外部施策 | 外部サイトからの評価を高めたり、被リンクを獲得したりする |
内部施策、外部施策については後ほど詳しくご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
SEOで検索順位が決まる仕組み
SEO対策を始める前に、検索エンジンのメカニズムを知っておく必要があります。SEOで検索順位が決まる仕組みは、大きく以下の3つの段階に分けられます。
ここからは、それぞれの段階について詳しくご紹介します。
①クローラーがクローリングする
クローリングとは、クローラーと呼ばれるロボット(例:Googlebot)がWebページを巡回・発見し、それぞれのページを読み込んでコンテンツやファイル、画像などを収集することです。
インターネット上には、毎日莫大な量のコンテンツが公開・蓄積されています。そのため、自分で作ったコンテンツがクローラーに効率よく発見され、クローリングされるように最適化する必要があるのです。
②Webページがインデックスされる
インデックスとは、クローリングで収集したテキストやファイル、画像などを検索エンジンが解析し、検索アルゴリズムに適した形式でデータベースに登録することです。該当ページがインデックスされることで、初めて検索結果にランクインされるようになります。
近年では、クローリングが問題なく行われているのに、インデックスされないといったケースが増加しています。検索エンジンは、すべてのコンテンツを例外なくインデックスするわけではありません。コンテンツを一つひとつ解析し、インデックスすべき品質に達していると判断したページのみを登録します。この傾向は、最近ますます顕著になってきました。
そのため、後述する「SEO対策を行ううえで知っておくべき5つのこと」を守り、良質なコンテンツを作成することが大切です。さらに確実にインデックスされるためには、テクニカル面でも検索エンジンフレンドリーな処理を適切に行い、サイト全体の質を高める努力を重ねなくてはいけません。
③アルゴリズムに則って評価され、順位が決まる
クローリングによって収集され、インデックスされたページの情報は、Googleの検索アルゴリズムにしたがって評価され、関連性や信頼性、品質の高い順に検索結果に表示されます。Google検索エンジンにおけるアルゴリズムは、200を超える要素(ベビーアルゴリズム)から構成されているといわれています。
アルゴリズムの詳細は明らかにされていませんが、Googleが挙げているアルゴリズムにおける重要な要素は、以下の5つです。
- 検索クエリの意味、検索意図の把握
- キーワードとコンテンツの関連性
- コンテンツの品質
- Webサイトのユーザビリティ(モバイルフレンドリーなど)
- ユーザーの位置情報や検索履歴など
アルゴリズムは、時代の流れやユーザーの状況に合わせて日々変化を続けています。しかし、一貫しているのは、ユーザーにとって価値のある検索エンジンを構築することです。SEO対策では、上記の要素をしっかり踏まえ、ユーザーの役に立つコンテンツを作ることを心がけましょう。
なお、アルゴリズムのアップデートについては後述しています。
参考:Google Search「結果を自動的に生成する仕組み」
SEO対策の5つのメリット
SEO対策のメリットには、以下のようなものがあります。
ここからは、それぞれの詳細についてご紹介します。
商品・サービスを多くのユーザーに知ってもらえる
SEO対策の大きなメリットは、検索上位にランクインされることによって、自社商品・サービスを多くのユーザーに知ってもらえる点です。せっかくサイトがあっても、Webページが検索上位にランクインされなければ、なかなかユーザーに見てもらえません。
検索順位が5位や6位で表示されるよりも、1位に表示されるほうが多くのアクセスを集められます。質の高いコンテンツを作り、常に検索上位にランクインされるようにすれば、サイトへの流入が増えてより多くのユーザーにサイトの存在を知ってもらえるのです。
Webサイトは、SNSの投稿に代表されるような「フロー型」のコンテンツとは異なり、検索順位にもとづいて絶えずアクセスが集まる「ストック型」のコンテンツです。SEO対策をして質の高いコンテンツを継続的に作れば、Webサイト自体が継続的にアクセスを集めてくれる資産として活躍します。
コンバージョンにつながるユーザーの流入が増加する
SEO対策を行えば、コンバージョン(成果)につながるユーザーの流入増加を見込めるところがメリットです。いくらサイトへの流入が増えても、自社の商品・サービス販売や資料請求、登録などのコンバージョンにつながらなければ意味がありません。
検索エンジンは、ユーザーの検索意図に沿っていることを1つの基準として、検索順位を決めています。ユーザーの検索意図は、主に以下の4種類に分類されるといわれています。
- DO(~したい)
- BUY(買いたい)
- KNOW(~について知りたい)
- GO(~へ行きたい、アクセスしたい)
前述したように、ユーザーの多くは、まず検索結果の1位にランクインされるページを訪れます。つまり、質の高いコンテンツを作って検索1位にランクインされれば、上記のように「~したい」という明確なニーズを抱えたユーザーを自社サイトに呼び込みやすくなるのです。その結果、効率的な集客率・収益アップを期待できます。
このようにSEO対策は、ユーザーの検索意図にもとづいた集客方法であるため、コンバージョンにつながりやすいというメリットがあります。長期的・継続的に収益を見込みたい場合は、SEO対策を徹底して、ユーザーの悩みや要望に応えられるようなコンテンツを作成しましょう。
コンテンツは資産となり、継続的な集客効果を生む
一度作成したコンテンツは、削除しない限り蓄積されていきます。SEO対策によって検索上位を獲得できれば、一定期間は上位にランクインされ続けるケースが多いです。すなわち、サイトが一度上位表示されれば、継続的な集客効果を生み出せるのです。
一方で、リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告は、掲載をやめてしまうと後には残りません。一般的に、SEOで上位表示されたWebページのクリック率は、リスティング広告に比べて高い傾向にあります。
つまり、SEO対策を施したコンテンツは、リスティング広告よりも高い集客効果を期待できます。安定した流入が見込めるだけでなく、コンバージョンにもつながりやすいため、長期的な資産として活用することが可能です。
集客コストを比較的安く抑えられる
SEO対策を行えば、集客コストを比較的安く抑えられるというメリットもあります。なぜならSEOコンテンツは、リスティング広告やディスプレイ広告のように、費用が継続的にかかるわけではないからです。
リスティング広告やディスプレイ広告の場合、出稿費用が必ずかかります。運用をやめない限り、広告費用は継続的に必要となるため、高いコストがかかる手法といえるでしょう。なお、広告運用のコンサルは、一般的にSEOコンサルよりも費用が高くなりやすいです。
一方でSEO対策を施したコンテンツは、一度上位表示の結果を得られれば、その後は低コストで済みます。コンテンツは蓄積されていき、上位表示されるようになれば継続的な集客効果が期待できるのです。
SEO対策で外部のライターに記事を執筆してもらったり、SEOコンサルに記事の編集をしてもらったりするなど、外部に業務を依頼する場合は依頼料が発生します。しかし、質の高いコンテンツを作成するための知識やノウハウを身につければ、自社で完結することも可能です。
自社でSEOの知識を学んでコンテンツの質を高めたり、内部リンクを充実させたりといった施策を行って上位表示できれば、集客にかかるコストを大幅に削減できます。このように、SEO対策は長期的に見れば、非常にコストパフォーマンスの高い手法といえます。
ブランディングにつながる
SEO対策をすれば、自社サイトやサービスのブランディングにつながるところもメリットです。検索上位に表示されるようになれば、必然的に検索での露出が増え、これまでサイトの存在を知らなかったユーザーからも認知してもらえるようになります。
SEOはサイトへの流入チャネルの1つであるため、コンバージョンへの直接的な効果が現れにくいケースもあります。しかしすぐに直接的な利益につながらなくても、多くのユーザーにサイトやサービスを認知してもらうことで、長期的な集客アップにつながるのです。
ユーザーにとって価値の高いコンテンツ、役立つコンテンツを作成し続けることは、結果的にユーザーとの信頼関係構築につながります。SEO対策によって広くユーザーにサイトの存在を知ってもらい、接触頻度を増やすことで、ユーザーはサイトそのものおよび会社を信頼し、長期的な顧客になってくれる可能性も高くなるのです。
SEO対策の4つのデメリット
SEO対策には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
ここからは、それぞれの詳細についてご紹介します。SEO対策で失敗しないためにも、デメリットをしっかり把握したうえで正しい施策を行いましょう。
効果が表れるまでに時間がかかる
SEO対策は、スタートしてすぐに顕著な成果が表れるものではありません。Googleは公式サイトで「成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は4か月から1年かかります。」と述べています。
一生懸命コンテンツを充実させたり、内部施策を実装したりしても、なかなか検索上位に表示されないこともあります。反対に、タイトルを少し変えるだけで、順位が上昇することもあるのです。
このように、SEO対策で効果が表れるまでには、一定の期間がかかることを理解しておくことが大切です。上位表示に向けて長期的な計画を立て、地道に対策を続けていきましょう。なお「短期間(数週間~1ヶ月ほど)でコンバージョンを〇〇まで増やしたい」などの場合、SEO対策は不向きといえます。
参考:Google検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」
失敗するとサイトの価値が下がる
SEO対策を成功させるためには、正しい専門知識が不可欠です。知識のないまま低品質なコンテンツを作り続けると、検索順位の低下につながります。また、キーワードをとにかく詰め込んだり、被リンクを不自然に増やしたりする施策は、Googleのガイドライン違反によってペナルティの対象になる可能性もあるのです。
さらに記事内容が事実と異なっていたり、公序良俗に反していたりすると、記事がSNSなどで炎上する恐れもあります。このようにSEO対策で失敗すると、これまで時間をかけて積み上げてきたものが一気になくなり、サイトの価値そのものが下がってしまいます。
Googleのアルゴリズムは変化し続けているものの、その本質は今後も変わりません。常にユーザーのことを第一に考え、検索意図に沿って誠実に作成されたサイトはきちんと評価されます。一方で、ユーザー目線の欠けた不誠実なサイトは、容赦なく淘汰されていくでしょう。
サイトの価値を下げないためには、ガイドラインをしっかり理解し、正しい知識を身につけることが大切です。またSEO分析ツールを活用して、自社サイトと競合他社サイトの比較分析を行うことで、現在の自社サイトに何が不足しているのかを把握するのも良いでしょう。
アルゴリズムの変更に対応していく必要がある
Googleは、ユーザーにとってより便利な検索エンジンにしていくため、サイトを評価するアルゴリズムを定期的にアップデートしています。アルゴリズムが変更された日を境に、これまで検索上位に位置していたWebページが、突然2ページ目以降に急落してしまうこともあるのです。
アップデートは定期的に行われるため、一度検索上位を獲得しても、ずっと上位をキープできるとは限りません。とくに年に数回行われる「コアアップデート」と呼ばれる大規模なアップデートでは、順位が大きく変動する可能性があります。そのため、一度検索1位になったからといって、安心しないようにしましょう。
SEO対策で成果を出し続けるためには、このようなアルゴリズムの変更に柔軟に対応していく必要があります。ただし、Googleアルゴリズムの本質はユーザビリティの向上であるため、ユーザーファーストで質の高いコンテンツを作り込んでいれば、アルゴリズムの変更を過度に恐れる必要はないでしょう。
日頃からGoogleアルゴリズムの最新情報にアンテナを向けつつ、ユーザーにとって役に立つ高品質なコンテンツを発信し続けることが大切です。
効果的な対策を行うためには知識・スキルが必要
これまでご紹介した内容を踏まえると、SEOで効果的な対策を行うためには、正しい知識・スキルが必要です。SEOを行ううえで心がけるべきポイントは、検索ユーザーにとって有益な情報を提供すると同時に、検索エンジンに内容を正確に伝えることです。
すなわちSEO対策では、ユーザーファーストな目線と、検索エンジンフレンドリーな目線を両方もっておかなければなりません。大前提として、「~したい」というユーザーのニーズに応えられるような満足度の高いコンテンツ(問題解決、新しい情報の提供、専門的な知識の獲得など)を提供することが重要です(ユーザーファースト)。
それと同時に、検索エンジンが理解しやすい文章・構造にすることも忘れてはいけません(検索エンジンフレンドリー)。これらを達成するためには、SEOに関する勉強をして十分な知識を身につける必要があります。
SEO対策を行う方法としては、専門知識を備えたプロ(ライター、編集者など)に依頼するか、自社スタッフでノウハウを蓄積し、自社で完結させるかの2種類があります。コスト面も考慮しながら、適切な方法を考えていきましょう。
SEO対策を行ううえで知っておくべき5つのこと
SEO対策を行ううえで、失敗しないために押さえておくべき主なポイントは、以下のとおりです。
ここからは、それぞれのポイントについてご紹介します。
Googleが掲げる10の事実
Googleが発表しているガイドラインのなかでも、とくに重要なのは「Googleが掲げる10の事実」です。Googleが掲げる10の事実は、以下の10項目から構成されています。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
このGoogleが掲げる10の事実は、Googleの設立からわずか数年後に策定されたものですが、Googleは現在もなお、この項目に沿ったコンテンツを世界に発信し続けられるよう努めています。
つまり、Googleが理想とする検索エンジンのあるべき姿は、この10の事実を読み解くことで見えてくるでしょう。
E-E-A-T
Googleは、Webページの評価に関する項目を175ページにわたって記載した「検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)」を公開しています。このなかで、Webページの品質を評価するために、4つの評価基準(E-E-A-T)をとくに重視しています。E-E-A-Tの意味は、それぞれ以下のとおりです。
- E:Expertise(専門性)
- E:Experience(経験)
- A:Authoritativeness(権威性)
- T:Trustworthiness(信頼性)
SEO対策を行ううえで、E-E-A-Tは欠かせない要素です。コンテンツやサイトを作成するときには、この4つの評価基準を満たすことによって、高い評価を得やすくなります。
とくに、2つ目のEである「Experience(経験)」は、もともと存在していた3つの基準である「E-A-T」に加え、新たな基準として追加されたものです。コンテンツ作成者がそのテーマに関する具体的な経験を示すことで、ユーザーに対してより有益なアドバイスを提供できていることを意味します。
E-E-A-Tを満たすためには、コンテンツを誰がどのように作成するかがカギになります。そのため、サイト構築の計画段階から、E-E-A-Tをしっかり理解し、取り入れていくことが大切です。
YMYL
YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、人々の将来の幸福や健康、経済的安定、安全に潜在的に影響を与えるテーマのことです。2018年8月に行われたアルゴリズムのコアアップデートを機に、YMYLは大きな注目を集めました。
YMYLに含まれる主なジャンルやテーマは、以下のとおりです。
- 最新ニュースや国際的な時事問題、重要なトピック
- 法律や政治など市民権利に関わるトピック
- 高価な商品やサービスなどのコンテンツ
- 医療・医薬など健康に関わるコンテンツ
- 保険・金融など財産に関わるコンテンツ
- 人の集団(人種・宗教等)に関わるコンテンツ
検索エンジンは、上記のようなテーマに対して厳格な評価基準を適用しており、ユーザーにとって信頼性の高い情報を優先的に提供するよう努めています。そのため、運営するサイトがYMYLに該当するテーマを扱っている場合、非常に高い基準でのE-E-A-Tレベルが求められる点に注意が必要です。
もしもYMYLを扱うページに誤った情報が記載されていると、その情報を信じたユーザーの生活にマイナスな影響を与えてしまう恐れがあります。サイト自体の信頼性や正確性を低下させないためにも、慎重にコンテンツを作成しましょう。
コアアップデート
「SEO対策の4つのデメリット」でも述べたように、Googleは定期的にアルゴリズムのアップデートを行っています。なかでも、年に2~4回程度実施される「コアアップデート」では大規模な改良が行われ、検索順位が大きく変動する可能性があります。
Googleがこれまでに行ってきた主なアップデートの例は、以下のとおりです。
- ベニスアップデート
- パンダアップデート
- ペンギンアップデート4.0
- RankBrain
- クオリティアップデート
- モバイルフレンドリーアップデート
- インタースティシャル広告アップデート
- 日本語検索アップデート
- スピードアップデート
- BERTアップデート
- Core Web Vitals
- ページエクスペリエンスアップデート
- ペイデイローンアップデート
- 医療健康アップデート など
Webサイトを運営する際は、このようなアップデート情報をタイムリーにキャッチし、正しく内容を理解することが重要です。
モバイルファーストインデックス(MFI)
モバイルファーストインデックス(MFI)とは、モバイル版のサイトを優先してクローリングおよびインデックスし、評価していく仕組みのことです。
近年モバイルユーザーが増加していることに伴い、Googleはモバイルファーストインデックスを導入しました。モバイル検索ユーザーとモバイルサイトの内容のミスマッチが起こらないように、インデックスの対象とするページをPCページからモバイルページに移行するものです。
現在では、大部分のサイトでモバイルファーストインデックスが適用されています。したがって、SEO対策では以下の要素が重要です。
- モバイルで表示しやすいレイアウト(レスポンシブデザイン)になっているか
- モバイル表示スピードが速く、アクセスや表示にストレスがないか
上記のような利便性の高さ(モバイルフレンドリー)は、検索エンジンの評価要因としてますます重要性を増しています。サイト運営者は、モバイルユーザーにとって快適に使いやすいサイト作りが求められています。
SEO対策の種類と具体的なやり方
SEO対策には、主に以下のような種類があります。
ここからは、それぞれの具体的なやり方についてご紹介します。
外部施策
外部施策とは、良質な外部リンク(被リンク)を得るために実施する施策のことです。外部リンクを獲得するためには、以下2つの重要指標を計測する必要があります。
- 外部リンクの質
- 外部リンクの量
ここでとくに重要なのは、外部リンクの質です。獲得する外部リンクは、何でも良いわけではありません。自社サイトと関連性の高いサイトや、知名度の高いサイトなどから良質な外部リンクを得る必要があります。また、良質な外部リンクの量が多いほど、SEO評価は高くなります。
基本的な考え方として、質の高いコンテンツを作成・公開し、他のサイトでリンクを貼ってもらう、つまり被リンクを獲得することでSEOの外部施策は成立するのです。
外部施策は、後述するテクニカルSEOやコンテンツSEOと異なり、自社でのコントロールが困難な施策です。したがって、サイトの内部を整備すると同時に、以下の2点を意識したサイトを作りましょう。
- 継続的に良質なコンテンツを作る
- SNSで拡散してもらいやすいサイト設計にする
検索エンジンにとって分かりやすく、ユーザーにとって拡散したくなるような価値の高いコンテンツを作り続けることで、被リンクの獲得を狙っていきましょう。
関連記事:「SEO 外部対策」へのリンク
内部施策(テクニカルSEO)
内部施策は、主にテクニカルSEOとコンテンツSEOに分けられます。テクニカルSEOとは、Webサイトの土台となる内部構造を正しく整える施策のことです。Webサイト全体の内部構造をチェックして、最適化していきます。
テクニカルSEOは、アルゴリズムのアップデートによる影響を受けにくく、明確に効果が表れやすい施策といわれています。せっかく高品質なコンテンツを作成しても、土台となるサイトの構造が整備されていなければ、コンテンツの魅力を発揮できません。
すなわち、テクニカルSEOは、外部施策とコンテンツSEOのパフォーマンスを引き出すための施策ともいえます。
テクニカルSEOの具体的なやり方には、以下の2種類があります。
- クローラー対策
- インデックス対策
クローラー対策では、以下の3点が挙げられます。
- 表示速度の改善
- 階層構造の最適化
- モバイルフレンドリーへの対応 など
一方でインデックス対策では、以下の3点を重視しましょう。
- コンテンツの重複を避ける
- アンカーテキストやリンクを適切に配置する
- タイトル、見出し、画像のルールを守る
むやみやたらに画像やテキストを並べるのではなく、クローラーが効率的にWebサイト内を巡回し、情報を正しく認識できるような設計を心がける必要があります。このような配慮が行き届いていれば、検索結果の上位に表示されやすくなるのです。
関連記事:「SEO 内部対策」
内部施策(コンテンツSEO)
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に合ったコンテンツをサイト内に構築し、継続的な集客アップを狙いつつ、コンバージョンにつなげていくための施策です。SEOの基本は、ユーザーにとって役に立つコンテンツを作ることで、そのうえでGoogleのアルゴリズムに適応したコンテンツを作る必要があります。
なぜなら、アルゴリズムに対応したコンテンツでなければ、検索上位に表示されにくいからです。やみくもに良質なコンテンツを作ろうとするのではなく、検索キーワードごとの意図を汲み取りながら、コンテンツ設計をする必要があります。
コンテンツSEOの具体的な手順は、主に以下のとおりです。
- 自社および競合商品・サービスの分析
- コンセプトの設計
- ビジネスの成果につながるキーワード選定(プランニング)
- SEOを意識したコンテンツの骨子、タイトルの作成
- SEOを意識したライティング
- コンテンツの順位チェック
- タイトルの見直し、リライト
このように、コンテンツを作る際には、自社商品や競合他社の分析、キーワード選定など、準備段階をしっかり行うことが大切です。また、コンテンツは一度作って終わりなのではなく、必要に応じてタイトルや内容の見直し・改善を行う必要があります。
SEO対策で欠かせない2つのツール
SEO対策では、以下の2種類のツールが非常に活躍します。
ここからは、それぞれの特徴についてご紹介します。
Google Analyitics(アナリティクス)
Google Analyitics(アナリティクス)は、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。こちらを活用することで、ユーザー層別、時期別、記事ごとなど、セグメントに分類したアクセス状況を詳細に分析できます。
Webサイトへの流入がどのように発生したのか、検索エンジン経由でどれぐらいのユーザーがアクセスしたのかなどを分析したいときに便利です。
Google Search Console(サーチコンソール)
Google Search Console(サーチコンソール)は通称「サチコ」と呼ばれ、クローラーがサイトをどのように認識しているかを確認できる無料ツールのことです。Google Search Consoleを活用すれば、SEO対策において重要となる以下のようなポイントを画面上で直接確認できます。
- 検索パフォーマンス(検索キーワードのクリック数、表示回数など)
- インデックス状況
- クローリング状況
- 内部リンク、外部リンクの状況 など
とくに内部施策部分に関する詳細なデータを把握できるため、テクニカルSEO、コンテンツSEOを進めるうえで役に立ちます。
2023年以降のSEOの動向は?どのように対策していくべきか
SEOの動向は、日々変化を続けています。2023年以降は、主に以下のようなポイントを注視する必要があります。
ここからは、それぞれのポイントについてご紹介します。
SGEへの対応
SGEとはSearch Generative Experienceの略で、検索結果画面の上部に、生成AIによる回答を表示するという新しい仕組みのことです。表示部分には、生成AIによる解答テキストとともに、引用元サイトへの画像つきリンクが表示される内容で試験が進められています。また、関連する質問の候補が下部に表示されて、生成AIとの対話を続けられる仕組みになる予定です。
SGE内に表示される引用元リンクは、Googleによって信頼性が高いと判断されたサイトが選ばれるでしょう。検索結果画面のトップに示される引用元リンクとして選ばれるためには、上述した「SEO対策を行ううえで知っておくべき5つのこと」をこれまで以上に強く意識する必要があります。
ビジュアルコンテンツの活用
近年、ビジュアルコンテンツの活用への注目が高まっています。ビジュアルコンテンツには、主に以下のような種類があります。
【ビジュアルコンテンツの種類】
ビジュアルコンテンツの種類 | 特徴 |
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画像 | ・FacebookやInstagramなどのSNSの普及により、多くのコンテンツで活用されるようになった |
動画 |
・動きのある情報により、短い尺で多くの情報を伝えやすい ・視覚、聴覚の両方からアプローチできるため、記憶に残りやすい |
インフォグラフィックス |
・イラスト、表、図、文字を用いて情報を図形化したもの ・ストーリー性のあるビジュアルになり、コンテンツに説得力が生まれる |
一般的に、文字や文章などのテキストによる情報よりも、画像や動画などの視覚的な情報のほうが理解されやすく、内容が伝わりやすいといわれています。ユーザーにとって満足度の高いコンテンツを作るためには、ビジュアルコンテンツを活用するのがおすすめです。
また、InstagramなどのSNSが普及している現代において、いわゆる「映え」を意識した画像は拡散力が高いといわれています。Webサイトにおいても、インパクトのあるビジュアルコンテンツを取り入れることで、より多くの人に拡散してもらいやすくなるでしょう。
Googleの検索結果画面では、記事ごとのサムネイル画像やショート動画など、ビジュアルコンテンツの差し込みが増加しています。ビジュアルコンテンツを重視する動きは、今後も高まることが見込まれます。サイト内に、積極的に画像や動画、インフォグラフィックスを取り入れるのがおすすめです。
フレッシュネスの担保
フレッシュネス(情報の鮮度)とは、最新の情報が掲載されているページを検索上位に表示させるアルゴリズムのことです。情報には、時間が経っても変わらないものと、いわゆる賞味期限があるものがあります。
賞味期限がある情報、つまり最新でなければ意味のない情報は、フレッシュネスの担保が非常に重要です。フレッシュネスを担保するためには、新規記事をスピーディに作成・発信するだけでなく、過去に公開した記事のメンテナンスも実施する必要があります。
たとえば、フレッシュネスを担保するためのメンテナンスには、以下のようなものがあります。
- 記事タイトルや見出しの年月を更新する
- キャンペーンや価格、イベント情報を最新のものに更新する
- 新規記事公開後に既存記事に内部リンクを入れる
記事のタイトルや見出しに「2023年〇月版」などの記載があれば、毎月最新の数値に更新しましょう。また、期間限定のキャンペーンやイベント情報なども、最新の情報にこまめに更新することが大切です。物価などに応じて商品の価格は変動するので、適宜リライトしましょう。
また、新規記事を公開したら、既存記事に内部リンクを入れるのもおすすめです。新規記事ができるたびに、関連する複数の記事を更新できるため、少ない工数で効率的にフレッシュネスを担保できます。
このように、更新すべきポイントはいくつかあります。がむしゃらに記事を書き換えるのではなく、しっかりと運用フローを作って、適切な頻度で効率よくフレッシュネスを担保していきましょう。
まとめ
今回は、SEOの仕組みやメリット・デメリット、SEO対策のポイントなどについてご紹介しました。SEO対策は、Webページを検索結果の上位に表示させて、サイトへの流入を増加させるために重要なプロセスです。SEO対策をしっかりと行えば、比較的低コストでサイトへの流入を増やせるだけでなく、商品の販売やサービス提供などのコンバージョンにもつながります。
SEO対策を成功させるためには、E-E-A-TやYMYLなど、Googleが重視する指標や基準を理解する必要があります。また、近年注目されているモバイルファーストインデックス(MFI)やビジュアルコンテンツ、SGEなど、SEOの最新トレンドにも目を向けましょう。今回の記事を参考にSEOの基礎を理解して、質の高いコンテンツの作成にお役立てください。