SEOに関して調べていると、「スニペット」というワードが出てくるかと思います。しかし、スニペットという用語は分野によって意味が異なるほか、SEOにおける役割も複雑なので、理解が難しい部分もあるでしょう。
そこで今回は、スニペットの意味や役割、種類について詳しく解説します。スニペットの使用方法も解説しているので、今後のSEO対策にも役立てられます。
「Web担当者として知識を付けておきたい」「自社のWebサイトをより強化したい」などの目的がある方は、本記事でスニペットへの理解を深めていきましょう。
目次
スニペットとは
スニペットとは、日本語訳で「断片」「切れ端」などの意味があります。しかし、IT業界では、プログラミングとSEOのそれぞれの分野で用途の異なる言葉です。
プログラミング・SEO、各パターンにおけるスニペットの意味を見ていきましょう。
プログラミングにおけるスニペットの役割
プログラミングにおけるスニペットとは、使用頻度の高いコードの断片に名前を付けておき、使いたい場面で呼び出してソースコードに挿入できる機能です。わざわざ手入力でコードを書く必要がなくなるため、作業効率をアップさせられます。
SEOにおけるスニペットの役割
SEOにおけるスニペットとは、検索エンジンでキーワード検索をした際に、検索結果のタイトル下に表示される各ページの説明文です。Googleの場合、検索キーワードと関連性の高い内容が自動で表示されます。
メタディスクリプション(要約文)を自ら設定している場合、その要約文が表示されるケースもあります。詳しくは「meta description(メタディスクリプション)を記入する」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
通常のスニペット以外にも「リッチスニペット」と「強調スニペット」がある!
SEOにおけるスニペットには、リッチスニペット・強調スニペットの2種類があります。
【リッチスニペット・協調スニペットの違い】
項目 | リッチスニペット | 協調スニペット |
---|---|---|
表示される情報の種類 | ・画像 ・商品価格 ・イベントの日時 ・パンくずリスト ・検索窓 ・レシピ ・人物 など |
・テキスト+画像(動画) ・リスト ・表 |
特徴 | ・テキスト情報以外も検索結果に表示される ・検索ワードとの関連性の高さをユーザーに伝えられる |
・検索ワードに対する回答が簡潔に表示される ・Webサイトの検索順位とは関係なく表示される |
次項から、各スニペットの特徴を詳しく解説していきます。
リッチスニペットとは、写真やレビュー情報などを表示する機能のこと
リッチスニペットとは、テキスト情報以外に写真やレビュー情報を表示する機能のことです。よりユーザーの目に情報が留まりやすくなるため、新規ユーザーのアクセスに期待できます。
ここからは、リッチスニペットではどのような情報が表示されるのか、各情報の特徴について見ていきましょう。
写真・画像
写真・画像が表示されることで、テキスト情報では分かり難いイメージをユーザーに伝えられます。たとえば、料理のレシピを検索した際、該当する料理の画像がテキスト情報と共に表示されます。
レビュー・評価
レビュー・評価は、レビューサイトに記載されたレビュー・評価を抜粋し、評価スコア(平均値)も含めて表示されるリッチスニペットです。評価スコアは5段階の星で表示され、検索対象の評価が視覚的に分かりやすく表現されます。
商品価格
商品価格は、検索対象の商品に関するリッチスニペットの一部として表示されます。商品のリッチスニペットには以下の情報も含まれます。
- 価格
- 在庫状況
- レビュー・評価
- 配送情報
商品価格は、ユーザーが商品を閲覧・購入する際に求める情報です。リッチスニペットとして表示されることでユーザーニーズを満たし、ユーザーの流入を期待できます。
イベント
イベントのリッチスニペットでは、以下の情報が表示されます。
- イベントの説明
- イベントロゴ
- 開催日時
- 開催場所
ユーザーは自身が希望するイベントを見つけやすくなり、ニーズにマッチしたサイトへアクセスできます。
パンくずリスト
パンくずリストのリッチスニペットでは、検索結果で表示される各ページの「階層」をユーザーに伝えられます。パンくずリストとは、ユーザーのアクセスしたページがサイト内のどの階層かを示す表示です。たとえば、「キッチン家電>調理家電>電子レンジ」といったように、通常はページの上部に表示されます。
リッチスニペットにおいては、検索結果で表示されたページがサイト内のどのカテゴリに属しているのかを把握しやすくなります。「希望する情報にマッチしているかどうか」を判断してもらう指標にもなるでしょう。
検索窓
検索窓のリッチスニペットでは、検索結果に表示される検索窓にキーワードを打ち込むことで、サイト内の検索結果に遷移できます。たとえば、特定の不動産情報サイトを検索した場合、そのサイトの検索窓が表示されます。
検索窓に「東京 一戸建て 中古」と打ち込んで検索すると、サイト内における検索キーワードの関連情報が表示され、そのまま希望するページへアクセス可能です。
ユーザーの手間を省きつつ、サイトへ誘導できるリッチスニペットとして活用できます。
強調スニペットとは、ユーザーの知りたい答えがいち早く分かる機能のこと
強調スニペットとは、ユーザーの疑問・質問(検索ワード)に対する回答を検索結果の上部に表示する機能です。たとえば、「○○とは」というキーワードに対し、その回答となる内容をWebサイトから抜粋して表示します。
強調スニペットにもいくつか種類があるので、各種類の特徴について見ていきましょう。
文章( + 画像 or 動画 )
文章+画像(動画)の強調スニペットでは、検索キーワードの回答となる文章と、回答のイメージに近い画像が表示されます。画像は同一のWebサイトから使用されるとは限りません。
検索エンジンが回答に近いと判断した画像が使用されるため、場合によっては画像なし(文章のみ)で表示されるケースもあります。
箇条書きリスト
箇条書きリストの強調スニペットは、「手順」や「ランキング」などを検索した際に表示される強調スニペットです。ページ内で箇条書きされた箇所がある場合、その部分が抜粋されて強調スニペットとして表示されます。
表(一覧表や概要表など)
表タイプの強調スニペットは、検索ワードに対する回答の種類・量が多い場合に表示されます。たとえば、「商品・サービスの料金」や「何かの件数(フライトの便数など)」などです。
Webサイト内で表を使っている場合、強調スニペットとして表示される可能性があります。
スニペットを設置するメリット
リッチスニペット・強調スニペット、それぞれのメリットは次のとおりです。
- リッチスニペット:検索ワードとの関連性の高さをアピールできるため、ユーザーの目に留まりやすい
- 強調スニペット:検索順位に関係なく上位に表示されるため、競合が多い場合でも閲覧されやすい
どちらのスニペットも検索結果の上部に目立つよう表示されるので、自社のWebサイトがユーザーの目に留まりやすくなります。「もっとよく知りたい」「関連する情報も欲しい」と思ってもらえれば、自社サイトへのアクセスに期待できるほか、商品・サービスの認知向上、問い合わせ数アップなども狙えます。
ただし、スニペットは必ず表示されるわけではありません。検索エンジンにより、「関連性の高さ」や「ユーザーの求める回答かどうか」などが判断されたうえで、スニペットとして表示されます。
それでは、どのように設置すればスニペットとして表示されやすくなるのか、次項から詳しく見ていきましょう。
スニペットを表示させやすくするポイント
ここでは、スニペットを表示させやすくするポイントを6つ解説します。ただし、ポイントを押さえれば必ず効果を得られるわけではありません。
前述したとおり、スニペットとして表示するかどうかは、Googleの検索エンジンが決めています。あくまでもスニペットを「表示させやすくするポイント」なので、効果を得られるまでは試行錯誤が必要なことも理解しておきましょう。
SEOを意識してコンテンツを作成する
スニペットを表示させるためには、検索結果10位以内に入るようSEOを意識したコンテンツ記事の作成に取り組む必要があります。明確な基準はありませんが、検索結果の上位10位以内に入る記事の中から、スニペットが選ばれる傾向にあります。
そもそもGoogleの検索エンジンにおいて、上位表示される要因の1つが「コンテンツの関連性」です。つまり、ユーザーの検索ワードに対し、関連性の高い情報が含まれていれば上位表示されやすくなります。
スニペットの表示有無も「関連性の高さ」が要因の1つです。そのため、スニペットの表示を狙う際は、おのずとSEOへも意識を向けなければなりません。
ユーザーが求めている答えを簡潔的に説明する
強調スニペットを表示させるために、ユーザーの求める回答を簡潔に説明するテキストを用意しておきましょう。強調スニペットは、ユーザーの探す情報に対し、適切と判断された情報(回答)が抜粋されて表示される仕組みです。
さらに、スニペットとして表示される枠には限界があるため、テキストは簡潔でなければなりません。文字数の目安は150文字以下です。
つまり、「ユーザーの求める回答+簡潔」この2つの条件をそろえておくことで、強調スニペットとして表示されやすくなります。
Googleのポリシーに準拠して作成する
スニペットを表示させるには、Googleのポリシーに準拠していることが条件です。これはGoogleのガイドラインにも記載されており、違反している場合はスニペットに選ばれないので注意しましょう。
- 危険と判断されるコンテンツ:人や動物に対し挑発的な内容
- ハラスメントの内容:いじめや脅迫など
- 暴力や残虐行為に関して:感情を煽るような暴力を描写している
- 下品な言葉や冒涜的な表現について:感情を煽り、わいせつや冒涜を目的としたもの
詳しくは「Google 検索のコンテンツ ポリシー」に目を通し、自社のサイトが該当していないか確認しましょう。
meta description(メタディスクリプション)を記入する
meta description(メタディスクリプション)を記入すると、リッチスニペットとして表示される可能性が高くなります。リッチスニペットの生成には、以下2つのパターンがあります。
- 自動生成:コンテンツ記事から関連性の高い情報を抜粋する
- コンテンツの提案:メタディスクリプション(ページの要約文)やリッチリザルト(ページの意図)を検索エンジンに提案する
上記のうち、どちらが選ばれるかは検索エンジンが判断します。メタディスクリプションの方がユーザーに伝わりやすいと判断された場合、自ら記入したテキストがリッチスニペットとして表示されます。
メタタグを活用する
メタディスクリプションの記入には、メタタグを使用する必要があります。メタタグとは、ページ内に記載されたテキストが、メタディスクリプションかどうか判断するためのタグです。
たとえば、以下のような形でHTML内にメタタグを設置します。
<title>○○とは?□□が必要なワケ!</title>
<meta name=”description” content=”○○とは、~~~に必要不可欠なもので~”>
「content」以降に記載されたテキストが、メタディスクリプションとして扱われます。メタディスクリプションを設置する際は、上記のようなメタタグを使用して、検索エンジンに認識してもらいましょう。
プラグイン「Post Snippets」を導入する
ワードプレスを利用している場合、プラグイン「Post Snippets」を導入すると、メタタグなどの設置を簡単に行えます。Post Snippetsとは、頻繁に使用するHTML・PHPをショートコードとして呼び出せるプラグインです。
わざわざコードを手入力する必要がなくなり、コンテンツ記事の執筆を効率化できます。中でもメタタグは使用頻度が高くなるので、Post Snippetsを導入して作業効率アップを図りましょう。
まとめ
スニペットはコンテンツ記事をより目立たせ、検索結果からユーザーを引き込む効果を期待できます。スニペットの表示には「スニペットを表示させやすくするポイント」で解説したポイントを押さえる必要があるものの、重要なのは「ユーザーのニーズに応えること」です。
ユーザーニーズへの対応を意識すると、おのずと検索順位へもポジティブな影響を与える可能性があります。「ユーザーは潜在的に何を求めているのか」「どのような文言であれば疑問・課題を解決できるのか」など、ユーザーに寄り添って考えながらコンテンツ記事を作成し、Webサイトの目標達成を目指しましょう。